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2021年04月14日 (水)


【ライヴレポート】<圭ワンマンライブ<THE LIBERTY -輪廻の新月->2021年4月12日(月)TSUTAYA O-EAST◆「僕はこの道を進んで行く」 。圭という一人のアーティストが誕生した瞬間を目撃した夜。

REPORT - 21:00:46

圭としての本格的なソロ活動の幕開けとなったワンマンライブ<THE LIBERTY –輪廻の新月>が4月12日、東京・TSUTAYA O-EASTにて開催された。有観客及び、GALACAAを通して生配信も行われたこの公演のレポートをお届けする。

 

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圭という一人のアーティストが誕生する瞬間、それを目撃した夜だった。

 

ファン、いやきっと本人さえも、まさか自分がこんな風にボーカリストとしてステージのセンターに立ち、ギターやピアノを弾きながらライブを行なう姿は想像していなかったのではないだろうか。

 

圭がギターを弾かないパートは、今回初めてサポートメンバーに加わった結生(Gt/メリー)が高松浩史(Ba/THE NOVEMBERS,山口大吾(Dr/People In The Box), hico(KeyboardManipulator)と息を合わせ、サポートしていく。

星空に、自身の存在意義を問いかけるように歌っていたボーカルは、次の「17.」でバックバンドが叩き出す躍動感に満ちたサウンドに合わせて、強い意思を持った歌へとスイッチ。

圭はギターを弾きながら、フロアに突き出した花道を颯爽と移動しながらハンドマイクでライブタイトルにもなった“liberty”を連呼。BAROQUEが止まって以降、考え続けた自分の存在意義。

その答えが2009年、自ら歌って作り上げたソロ作品(『silk tree.』、『for a fleeting moment.』)にあったことをこのアクトで改めて確信した彼は、曲を歌い終えた瞬間、マイクを持った左手を頭上へ堂々と突き上げてみせた。

それはまさに、圭自身がBAROQUEやギタリストといった肩書きから自らを解き放ち、ここからは歌おうがギターを弾こうがなにをやってもいいんだと、自由になった自分を受け入れた瞬間だったといえる。

その感覚を、圭は短い挨拶を届けたあとのMCで「どんな日になるのかと思ってたけど、初めてのことだらけなんですけど、懐かしい感じ」だと言葉で表現した。

フロアを見渡しても、圭が歌う姿に驚愕する人はいなかった。

それほど、歌うアクトが当たり前のように自然に観えたということだ。

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ライブは子供たちの声をサンプリングした「pitiful emotional picture.」で一人ひとりの幼き頃の記憶の扉を開いていったところから、サウンド志向の楽曲へとシフト。

sanity dance.」、「the blueroom.」という変拍子で次々と展開していくエレクトロニックな原曲を、ここではメンバーの高度な表現技術によって生演奏版ならではの新しいバンドアレンジで楽しませていった。

こうしてメロディアスな歌もの、エレクトロニックな楽曲と圭というアーティストがもつ作家性の魅力がつまった扉を順番にオープンしていったあと、次に待ち構えていたのは、圭のギタリストとしての魅力がつまった扉だった。

hicoが奏でるエレガントなピアノに導かれて扉が開き、圭が弾きだしたのはオリジナル曲ではなく、誰もが知っているあのクラシカルな美しいラブバラード「A Whole New World」(ディズニー映画『アラジン』主題歌)だった

歌うようにギターでリリカルなメロディを奏でるのは圭の音楽の原点でもある。

ギタリストになるととたんに華麗さ、艶が倍増する圭。

ファンたちは1曲まるごと通してそんな圭をたっぷり堪能しながら、彼が鳴らす伸びやかなギターの音色に誘われ、ラグジュアリーな摩天楼の夜空へのランデブーを楽しんでいった。

 

メンバー紹介をはさんで「sleep2 the moon.」からは、ファンタジックな楽曲たちを通して月に向かってランデブーが始まった。

この日の月は、夢や願いごとを叶えるには絶好のチャンスといわれている新月だった。

その新月が届けるパワフルなエネルギーを受け止めながら、曲を丁寧に届けていった圭は「綺麗な新月が見えましたね」と静かに観客に語りかけた。

そのあと、ギターを置いた圭は、ドラムの横にセットされたアップライトピアノの前に移動してスタンバイ。

歌、ギターに続いて、ここではkannivalism時代に「small world」でピアノを演奏していたこともある自分の扉をオープン。

ビートルズとディズニーランドが絵本のなかで1つになったような曲「vesperbell.」をピアノを弾きながら歌唱してみせた。

歌い終えたところで、再びギターを持ち、パンキッシュな「4letter word.」の勢いで場内の高揚感や熱気をグッと高めたところから、ライブはクライマックスへとのぼり詰めていく。

autophobia.」~「cry symphony.」と軽やかな変拍子にのせ、エモーショナルな音の洪水のなかに観客をダイブさせた直後、夜空に向かって轟音をスケール感たっぷりに放ち、真っ白い風景を鮮烈に描いていったいったシーンは、この日のハイライトだった。

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「今日はありがとうございました」とライブを締めくくった圭は、再びマイクに向かい、昨年9月にBAROQUEの無期限活休発表直後に行なったソロライブのことを回想し「あの日はいま考えると、(一歩を踏み出すことをまだ)恐れていた」と本音を吐露。

「だから、あの日の自分に今日決着をつけたいと思います」と投げかけた直後、BAROQUEの「BIRTH OF VICTORY」~「I LUCIFER」を続けてプレイした。

歌詞を噛みしめるように歌った「I LUCIFER」の“この世界に君はいない”が切実な響きとなって、ファンの心を揺さぶり、涙を誘う。

その涙を吹き飛ばすように、照明で真っ赤にそまったステージ、圭は花道に飛び出して跪き、渾身の力をこめて、自分はこの現実を受けとめてここから突き進んでいくんだというメッセージをエネルギーに満ちたギターソロに込めてパフォーマンスした姿は、本当に凛々しかった。

そうして、あの日の自分にきっちりとけじめをつけ、一歩を踏み出した圭は、清々しい表情をうかべて本編を締めくくり、ステージをあとにした。

 

ファンのクラップに呼ばれ、再び舞台に姿を表した圭は、まず「まっすぐなマイクスタンドで自分が演奏して歌ってる夢を見て。それがいまのライブをやるきっかけになった」と打ちあけ、ファンを驚かした。

そうして、今日演奏した12年前に作ったソロ曲たちは、当時インストアイベントで数曲演奏しただけで、正式なライブは1度もやっていなかったため、ほとんどが初演奏だったと解説。

「でも、まるで今日のために曲たちが待っててくれたのかと思うぐらい、その曲たちがマッチしてて。その曲たちに背中を押されて、いまここにいます」と感慨深そうな表情を浮かべて話した。

また、今年結成20周年を迎えるBAROQUEについても触れ、この20年間、解散に再結成、メンバーの失踪に脱退など、なにかあるたびに新しいバンドスタイルを模索し続け、バンドを存続させてきた圭は、一人ぼっちになったいまの状況に対して「BAROQUE、まだまだ俺に新しいことをやらせるか」といってこのバンドが引き寄せる奇妙な運命を軽く笑い飛ばしてみせたのだ。その姿はたくましく、眩しいぐらいに輝いていた。

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そうして「挑戦することは素晴らしいこと」と前置きした上で、ソロデビュー曲「the primary.」はそんなことを思いながら書いた曲で「10年以上たったいまもそう思ってます」といってアンコールはその「the primary.」で幕開け。

目の前にいるファン一人ひとりにアイコンタクトを送りながら、全てを終える瞬間まで人生を輝かせろと熱いメッセージを届けていった。

歌い終えた圭は“よし”と2回うなずき「一歩ね、一歩だけど踏み出せた気がしてます」と誇らしげに語りかけ「俺をここまで育ててくれてありがとう」とファンに向かって感謝の気持ちをストレートに伝えた。

「僕はこの道を進んで行くんで」と力強く宣言したあとは「この世に生まれて出会ったすべての人、愛してます」と付け加え、「最後に聴いて下さい」といって再びピアノの前に座り、バラード「ring clef.」をアクト。

感動的なMCからこのピアノの弾き語りでじわじわその感動を高めていこうとしていたそのとき、圭が間違えてしまい曲はストップ。

「ちくしょー。こういうところで人間出ちゃうんだよな」と悔しそうに独り言をいって再度やり直し。

それでも、慣れないラブソングを通して“初めて君に出逢った日と変わらないままに”と誓う圭の歌は頼もしく響いてきて、自信がみなぎっていた。

「たくさん失敗したり、楽しいなと思う発見もいろいろありました」とこの日の公演を振り返った圭は、最後にフロアに向かって「このまま前に進むつもりなんで。また会いましょう」と笑顔で伝えた。

その姿は、最後まで力強かった。

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歌にギター、ピアノ、作家性に富んだ楽曲たち、自分にある才能の扉をあらゆる角度から全開にして、圭がソロアーティストとしての第一歩を踏みだすことに挑んでいったこちらのライブは4月15日(木)2359までGALACAAにてアーカイブ配信中(http://www.galacaa.com/concert/186)だ。

チケットは415日(木)2000まで発売しているので、ライブを観られなかった人はぜひこの配信期間中に圭のライブを観て欲しい。

*(アーカイブ配信では権利上の都合によりカバー曲はカットされている)

 

 

LIVE PHOTOKEIKO TANABE

 

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SOLO LIVE

THE LIBERTY –輪廻の新月

2021412() TSUTAYA O-EAST

 

<サポートメンバー>

Guitar 結生(メリー)

Bass 高松浩史(THE NOVEMBERS)

Drums 山口大吾(People In The Box)

KeyboardManipulator hico

 

[SET LIST]

01. wailing wall.

02. 17.

03. the salvation.

04. pitiful emotional picture.

05. sanity dance.

06. the blueroom.

07. A Whole New World cover

08. sleep2 the moon.

09. moon dreams.

10. vesperbell.

11. 4letter word.

12. autophobia.

13. cry symphony.

14. BIRTH OF VICTORY

15. I LUCIFER

En1. the primary.

En2. ring clef.

 

 

[ライブ配信 アーカイブ]

 

SOLO LIVE

THE LIBERTY –輪廻の新月

2021412() TSUTAYA O-EAST

 

【チケット販売期間】

415() 20:00まで

http://www.galacaa.com/concert/186

※カバー曲は権利上の都合によりアーカイブからカットしております

 

【アーカイブ視聴期間】

415() 23:59まで

 

【配信チケット料金】

3,500 (税込)

 

【視聴について】

配信システム「GALACAA」にて配信します。

 

GALACAA

https://www.galacaa.com

 

 

詳細はこちら http://pigmy.jp/news

 

 

 

サブスク配信中

■圭

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