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2021年09月24日 (金)


【ライヴレポート】<Chanty 8th Anniversary oneman『Chantyの世界へようこそ』>2021年9月16日(木)TSUTAYA O-WEST◆僕らが生きる理由に、とかそんな大それたこと言えないかもしれないけど、それに準ずる存在になりたい。──芥(Vo)

REPORT - 21:58:38

Chantyが結成8周年を記念するライブChanty 8th Anniversary onemanChantyの世界へようこそ』を開催。

 

昨年は情勢を鑑みて配信という形で開催となった周年記念ライブ、今年は有観客での実施が叶い、記念日の916日にお馴染みTSUTAYA O-WESTへ多くのファンがお祝いに駆けつけた。

 

また、今年は体調不良の為6月よりDr.成人が一時活動休止へ。ここまでChantyにゆかりのある個性豊かなサポートドラム陣に支えられながらライヴを行い、8周年のこの日にはユナイトのDr.莎奈がその役を務めた。

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暗転した会場に幕開けを知らせるようにドラムの淡々とした音が静かに響き渡る。ベース、ギター、と絡まってゆく穏やかな音色が止むとVo.芥が自身のアコースティックギターを鳴らし静かに歌い始めた。1曲目はバラード「とある星空の下」からスタート。8年前に芥と共演していた縁があったと語った莎奈。8年前に聴いたこの曲が忘れられず、この日のセットリストに組み込むことをお願いしたそう。

 

そして「Chanty 8th AnniversaryChantyの世界へようこそ』、始めます。」の芥の一声で、続く「フライト」へ一気に駆け出した。

 

その後はステージもフロアも激しく騒ぎ踊る「ファントムミュージック」、声は出せない中でも俺を!しばく!のいつものコールアンドレスポンスが聞こえてきそうなほどの盛り上がりを見せた「無限ループ」と、Chantyのフラストレーションがこもったアップテンポなナンバーが続いた。

 

MCへ入ると、「やってまいりました!8周年迎えることができました!もう4曲も終わってしまいました。」と芥。「11日、いつのライヴだってそうだけど、始まってしまったらあっという間に終わってしまうんです。楽しみな時ほど。そんな繰り返しを、365×8回続けて今日にたどり着くことができました。ありがとうございます!」とこの日を迎えられたことへの感謝の言葉を送った。

 

「それじゃ最後までついてこれますか!手あがるかい!さあ、心中しよう。」と始まった「最低」は、ここまでのあれこれを消化してくれるような爽やかで、力強い楽曲だといつ聞いても感じる。フロアも大きく手を振り飛び跳ねていた。

 

続く「ゴーシュ」もイントロからパッと視界が開けるようなライヴ感の溢れるナンバー。この辺りで既にアンコールラストの曲の様な満足感が感じられていたほど。

 

けれどこの日は久しぶりのワンマン公演であり、記念すべき周年ライヴ。まだまだChantyの世界は続いていく。激しい楽曲ながらGt.白の繊細で不安定なフレーズが光る「滅菌、消毒、絆創膏。」、さらに物々しく始まった「ひどいかお」、「魔がさした」と客席も頭を振り乱しながら応えていく。そしてそのまま「ねたましい」へと、Chantyの中でも歪みのある楽曲が並ぶと、寝付けない夜が続くよう。

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そんな緊張感のあるダークなパートでは芥の繊細な歌声に、優しく包み込むような白のギター、地を這うような野中の低音に存在感のある表情豊かな莎奈のドラムのコントラストが心地よい。

 

その後も余計なものをそぎ落としたようにひたすら伝えるライヴが続いた。

 

疾走感あるギターロック「スライドショー」は、後のMCで莎奈も泣きそうになったと話していて、思わず「分かる。」と頷いてしまった。期待と諦めの入り混じったようなノスタルジックな歌詞をライヴ空間で浴びると、ストレートに胸に刺さって離れなくなる。

 

さらにアップテンポなナンバーは続き、「ALIVE」でさらに会場の熱気も上がり、「WESTまだいける?踊れますか?」とダンサブルな「パッチワーク」を披露、野中のスラップベースや莎奈の軽快なリズムにフロアが揺れる。「冤罪ブルース」でのお馴染み冤罪!冤罪!の掛け声でステージとフロアが一体となって騒ぐ様子も楽しい。遊び心のある曲であればあるほど、白のピタッとピースがはまるようなギターフレーズが映えるのも爽快。

 

「もうちょっといきましょう、WEST」と芥。続けて攻撃的な「m.o.b.」を披露、相変わらず野中はベースを弾くというよりぶっ叩いている。

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言葉少なく駆け抜け、少しのブレイクの後「声聞けなくなってだいぶ経ちますね。」と芥。こんな状況になる前、客席からの大きな声援を浴びていた頃の映像を見ては、夢物語に感じていたと話す。「羨ましいし、戻りたい、もしくは(今を)乗り越えた先にあるかどうか知らないですけど、今日この空間、全然負けてない気がしませんか?」そんな芥の問いかけには、声の出せない代わりに全身でライヴを楽しんできた会場から、力強い拍手が送られた。

 

「ありがとう。このライヴっていう空間が以前よりもっともっと貴重になってるからね。毎日すっげえ色んなこと考えると思うんですよ。こんな状況だからじゃなく、いつまでこの自分の歩みって止めずに続くのか、考える毎日ですけど。改めてすげえ幸せです。」芥らしく、Chantyらしく、この日を迎えられたことへ、改めて喜びの言葉を綴った。

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そして「10秒だけ。声に出さなくてもいいので、僕たちの名前を呼んではくれませんでしょうか。」そう告げると静かにカウントダウンを始め、聞こえるはずの割れんばかりの声援をしっかりと受け取ると、本編のラストを飾ったのは「世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない」。

 

去年、どこに向けて良いか分からない気持ちで1曲目に歌ったというこの曲。「今日、目の前に、画面の向こうに飛び越えて送りたいと思います。」と、その言葉通りに伝えたいという気持ちが歌から、音からひしひしと伝わってくる心染み入る1曲だった。

 

メンバーがはけた後、いつもならアンコールの声が会場中に響いてる頃。フロアは声が出せない分、精一杯の拍手を送る。

 

そんなアンコールに応え、野中、白が登場。

 

「なんか定番になってきたね。オチのない二人が先に出てくるの(笑)。」と白が会場の笑いを誘い、野中は改めてコロナによる療養から完全復帰したことを報告。和やかな雰囲気でステージが再開した。

 

1年目からTSUTAYA O-WESTで周年記念ライヴを行うChanty。途中加入し今回が3度目となる白は、「1回目は別会場だったし、去年は配信だった、有観客でのWEST公演は初めてなんですよ。やっとこれたなって感じがして嬉しいですね。」とやっと本来のかたちで周年ライヴを迎えられたことへの喜びを語る。

 

そんな白は「もっと一緒に(周年ライヴを)演ってる気がした。」と野中も驚いていたように、まだChantyとして白のいない時間の方が多かったとは思えないほど妙になじんでいるというか、ステージ中も、終始独特なペースで展開されるトーク中も、なんの違和感もなくそこにいるのが微笑ましい。

 

そして野中がサポートドラムの莎奈へバトンを渡すと、莎奈は突然振られたことに驚きながらも「皆さんおめでとうございます。8年続くって改めてすごいと思う。(中略)呼んでいただいて光栄です。」と祝いと感謝の言葉を述べた。

 

「あと2年頑張れば10年ですよ。すげー(笑)。」と芥。

 

「本当色んなことがあったし、色んなことのさなかではあります。みんなしんどいと思う。僕らが生きる理由に、とかそんな大それたこと言えないかもしれないけど、それに準ずる存在になりたい。と欲をかいて思ってしまうわけですよ。」

 

アンコール1曲目は、昨年タイトルのないまま公演の最後に披露した「君のいない世界」。明日会えたら何を話そう”7周年ライヴからその明日を繰り返してここまでまたやってきた。あの時は願いかけのようだったこの曲が、この先続く未来への約束の様に感じられ嬉しくなった。

 

「さあアンコールいけますか?光を見せてください!」と「白光」へ続くと、最後に向けフロアも腕を上げ、タオルを振り回し精一杯応えていく。

 

そして8周年ラストを飾ったのは「不機嫌」。「ずっと恨みつらみを込めて歌ってきました。ただ今日は、この瞬間は嘘のないように。」と芥。嘘つき・・噓つき・・のフレーズが印象的な楽曲の中で、時折そんな歌詞を否定するように嘘じゃない!と叫んでは、この場所で変わらず歌っているという事実を見せ、フロアもステージも1秒も残さず楽しむような熱狂で最後を飾った。

 

「待ってろよ、9年目。ありがとう。ということで、お開きにしたいと思います。」とこれまたお馴染みのカーテンコールへ。

 

相変わらず何も考えておらず締まりのないChantyメンバーを見て、「何が起こるかだけ教えて‥」と不安そうな声を上げた莎奈。長年見ていて自分も麻痺していたのか、他所のバンドから見ると、この全員がマイページな空気感は不安になるらしい。

 

そうした演奏中とのギャップが見られるのも人間らしいChantyというバンドならではだろう。

 

ようやく“Chanty 8周年インフィニティ8マークに見えるかららしい)の掛け声に落ち着くと、フロアと一体となりカーテンコールを終え、8周年の日も笑顔で幕を閉じた。

 

全編を通し、本当に様々なことを経験して余計なものがそぎ落とされ、飾らない姿が見えてきたなと感じたライヴだった。メンバーも口にしていた10周年へ向けた言葉。数年前の周年ライヴでは、それがいつの日かという理想の言葉のように聞こえていたが、この日は来月の旅行の予定を楽しみにするみたいな近い未来の話に感じられ、嬉しかった。

 

9周年目を歩み始めたChanty、公演終了後には新衣装でのアーティスト写真の公開や、白の加入2周年を記念したワンマンライヴの模様を収めたDVDの受注販売、そしてワンマンツアーの発表など今後の展開も発表されているので、公式情報をチェックして欲しい。

 

ファンと同じ空間を共有する事ができなくても、メンバーと離れていてもChantyChantyとして届けるものはいつも変わらない事を見せられた8周年記念ライヴ。

 

Chantyというバンドが誰かの世界の全てではなくても、その日常に寄り添う存在であり続けることは生きる理由の一つと言っても大それたことではないと思える。

 

きっと10年周年を迎えたその日にも、彼らはステージの上で変わらずにカーテンコールのポージングに悩んでいるのだろうなと想像して、少しおかしくなった。

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文・糸永織菓子

写真・張 尹澈

 

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ツイキャスプレミア配信中

視聴期限: 2021年9月30日(木) 23:59 まで

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2021年09月16日(木) TSUTAYA O-WEST

Chanty 8th anniversary oneman Chantyの世界 へようこそ

OPEN 17:45 / START 18:00

チケット 3,500円

 

[出演]

Chanty

サポートドラム:莎奈(ユナイト)

 

https://twitcasting.tv/chanty_news/shopcart/101969

 

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2021年09月28日(火) 札幌SPiCE

自家製白生誕前夜祭

 

OPEN 18:00 / START 18:30
前売り 4,500円 / 当日5,000円(D代別)

 

[出演]
Chanty

 

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2021年09月29日(水) 札幌SPiCE

自家製白生誕祭~白の日~

 

OPEN 16:00 / START 16:30
前売り 4,500円 / 当日5,000円(D代別)

 

[出演]
Chanty

 

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「冬が来たから南へ逃げろワンマンツアー」

2021年11月13日(土) 心斎橋VARON

2021年11月14日(日) 広島CAVE-BE

2021年12月11日(土) 福岡Queblick

 

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<リリース>

 

しゃらりらりららワンマンツアー振替公演Tour final白加入2周年記念特別公演 at 赤羽ReNY Live DVD

¥5,500(税別)

[DVD内容]
楽屋オフショット

 

1奏色
2犬小屋より愛をこめて
3ファントムミュージック
4 C
5パッチワーク
6逆上のパルス
7おやすみ
8スライドショー 
9ダイアリー
10不機嫌 
11実際
12ミスアンバランス
13冤罪ブルース
14m.o.b.
15春煩い
16君のいない世界 

Encore
1ひどいかお2 
2無限ループ
3フライト

 

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[購入方法]

Chanty official通販BASEにて下記期間内にご購入、入金をして頂いた方対象となります。

ご購入、入金期間:2021年9月27日~2021年10月4日

[商品の発送について]

受注生産となります。2~3週間ほどお時間を頂きまして発送となります。

 

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