2021年12月23日 (木)
★インタビュー★【ハイダンシークドロシー】12月22日リリース、配信シングル『Neige chaleur』(ネージュ・シャルール)=フランス語で“温かい雪”。メンバーが語る、クリスマスソング誕生までの物語。
NEWS - 18:00:23一番最後に「祝福の クリスマスを」という言葉を入れてますけど、そこまでは一切出していないので、こういう説明を先に聞かずにこの曲を聞いてる方は最後までクリスマスソングだとは気付かないはず。
そこに、この曲の新しさを感じていただけたらなと思います。
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イントロのギターの旋律に触れた瞬間から、目の前に雪が舞いだした。
その音色へ呼ばれるように「エグリーズ リュタンに手を引かれ」(教会 妖精に手を引かれ)と歌う谷琢磨の澄み渡る優しい声が、まるで聖歌のように響き渡る。
ハイダンシークドロシーが12月22日に配信リリースするシングル『Neige chaleur』(ネージュ・シャルール)。
フランス語で「温かい雪」という意味を持つ。
時間にして数分だろう。でも、その短い時間の中、それはそれは至福の時間に包まれてゆく。
サビ歌の背景で響くトレモロ奏法のギターの音色や、終盤、楽曲の背景で祝福の音を鳴らすように美しく鳴り響く教会の鐘の音が。
何より、触れた人たちの心の内へと手を伸ばし、華奢な細い腕で優しく抱きしめてゆく谷琢磨の美しい歌声に、ずっと心溺れていたい気持ちでいた。
その音が止んでも、すぐにリピートしてしまう。いや、また繰り返し聞きながら、この幸せの時に永遠に触れていたかった。
この歌の世界へ飛び込み、「硝子色の雪に 映る笑顔と笑顔」を見つめ続けながら幸せに浸っていたい。
作詞を手がけた谷琢磨がフランス語を多用したのも、楽曲の持つ優しさへ寄り添う温かみを持った言葉として、フランス語の持つ響きを選んだから。
「解けない魔法のボノムドゥネージュ」(解けない魔法の雪だるま)、「ブラネージ 舞い煌めくパルピテ」(スノードーム 舞い煌めくドキドキ)など、日本語とフランス語が織りなす歌詞を愛しい人へ向け愛を届けるように谷琢磨が歌うことで、その言葉は音楽という魔法をまとい、触れた人たちに幸福と感動を与えてゆく。
この楽曲が生まれた背景を4人が語ってくれた。
――心を温かく、浪漫な香りで包み込む素敵なクリスマスソング『Neige chaleur』が誕生しました。
楽曲を手がけたのは情次2号さん。まさに、この時期にぴったり似合う最上級のクリスマスソングを生み出しましたね。
情次2号:ありがとうございます。でもこの曲、もともとクリスマスソングを意識していたわけじゃないんです。
言ってしまえば、クリスマスソングを作る意識は1%もなかったです。
――えっ、そうなんですか?!
情次2号:この曲を作っていたのが、9月に発売した2nd full album『夢寐の花』(むびのはな)の制作時期。
具体的に言うなら8月から行う全国ツアーへ向けて作っていた、7月に配信リリースした『百花千紅』と、8月に会場限定シングル盤として出した『飾られた私と棘と事切れの部屋/Aglaophotis』を作っていたのと同じ時期なんです。
言ってしまえば、まだ夏を迎える前でしたからね。
しかも当時はアップテンポな楽曲をシングルとして出す想定でいたから、『Neige chaleur』のようなバラードは意識して作っていたわけではないんです。
当時、アップチューンを作らなきゃという意識が強かったせいか、その合間に思いがけず降りてきたのが『Neige chaleur』の原曲でした。
靖乃:あの時期、「なんか、曲が生まれたんだけど。アルバムに入れる候補としてどうかな?ちょっと聞いてみて」くらいの軽い感じで曲を送ってくれてたよね。
情次2号:そう。もっと言うなら、『夢寐の花』には『心温』というバラードを入れることが決まっていたから、「さすがにバラード2曲は要らないな。でも、せっかく原曲が出来たから仕上げておこう。アルバムに入れなかったら、次の作品用のストックにも使えるし」くらいの感覚だったんですよ。
靖乃:なんなら、トラックのレコーディングは『夢寐の花』の制作時期に済ませれば、あとは谷くんの歌詞と歌が入ればすぐに対応できるようにというところまでは仕上げていたので。
谷琢磨:あの時期は、ちょうど『Aglaophotis』の制作に力を入れていた頃。『Aglaophotis』をさらに盛り盛りに仕上げるか、ひとまず仕上がってはいたから、もう1曲、トラックの仕上がっている『Neige chaleur』の原曲を手がけるかみたいな感じにもなっていて。
でも谷としては『Aglaophotis』をもっと盛り盛りにしたかったので、結果的に後に『Neige chaleur』となる原曲には手をつけずにいたんですよね。
靖乃:『夢寐の花』を作っていく過程の中、一応収録予定曲としてベンチ入りはしていたけど。
あの時期は他に優先して仕上げるべき楽曲がいくつもあったから、結果的に「次のタイミングのストック曲として控えにまわった感じでした。結果、それが良かった形になったからね。
――その曲が、ようやくベンチから飛びだしてきたわけですね。
靖乃:ちょうどクリスマスの時期に配信シングルをリリースしようという話になったときに、その時期に似合いそうな曲をということで浮上してきました。
情次2号:結果的には…の話にはなるんですけど。この曲、イントロからすでにクリスマスソングにぴったりですよね。
こういうのって、意外と「狙ってない曲」ほど芯を捉えていくものなのかも知れない。
――歌詞については、クリスマス時期にリリースするのが決まったことで書いたわけですよね。
谷琢磨:クリスマスソングを…という意識よりは、タイトルにも『Neige chaleur』、つまりフランス語で「温かい雪」と名付けたように、そういう歌詞を書こうと思いました。
クリスマスシーズンのリリースにも重なることから、結果的にクリスマスソングには仕上げたんですけど。
ただし、極力“クリスマス”とわかる言葉は使いたくなかったんですね。
――その理由が気になります。
谷琢磨:最初は日本語でクリスマスにまつわる言葉を探していたんですけど。
どうしても限定された言葉が出てしまうことで、どこかで聞いたことのありそうな歌詞になってしまう。
何より温かい歌にしたかったのに、日本語でクリスマスにまつわる言葉を並べると、楽曲やメロディーへ重ねあわせたときの言葉の響き的にどこか冷たさを感じてしまっていました。
情次2号:もちろん、そういう言葉を使ってストレートに書いたほうがいい場合もあるけど…。
谷琢磨:そこが、さじ加減の難しいところで。
今回は日本語でクリスマスを匂わせるのは違うなと思い、フランス語をいろいろ持ち寄って、日本語と上手く絡めながら書きました。
――楽曲も、歌詞に合わせてアレンジを変えた面はあったのでしょうか?
情次2号:Mixは変えています。原曲は、ここまで優しい表情ではなかったんですよ。
でも谷くんの書いた歌詞と、あの優しい歌声が乗ったこと。
さらにクリスマスソングというのもあって、全体的に優しい音像に作り直しました。
サビに入ってくるトレモロのようなギターは、クリスマスソングでなかったら入れなかった要素。
谷くんが書いた歌詞と、あの歌声があったからこそ、今の形に落ち着きました。
谷琢磨:もしこの曲が『夢寐の花』の中に入ったとしたら、歌詞の内容も、自分の歌い方も変わっていたと思います。
靖乃:実際、下地となる曲を録ったときは、もうちょっとエッジの効いた曲だったんで。
ジン:まさに、クリスマスソングになったからこその歌詞や歌声であり、楽曲のアレンジだったからね。
鐘の音だって、クリスマスソングになっていなかったら入れることはなかったし。
情次2号:ジンさんが「鐘の音を入れますか、どうしますか」って言ってきたことから、いろんな鐘の音を調べたうえで入れました。
ジン:どういう鐘の音が似合うのかを探ってたんですよ。楽曲の雰囲気的にシャンシャンシャンは違うな、ゴーンという音だけど。
でも、どういうゴーンの音が似合うのか…とか探ってたね。
情次2号:そう、いろんな教会の音色を聞き比べたりと、意外に選び抜くまでの工程には時間がかかってます。
靖乃:この曲を録っているときにクリスマスなんて意識はまったくなかったから、そういうプレイをしていたわけじゃないけど。
結果的に、8ビートを叩いてるときのハイハットの音がシャンシャンシャンという鐘の音に聞こえてくるのも、この曲が持っている雰囲気へ上手く導かれた形になったからだろうね。
――谷さんの歌声が、本当に聖なる美しい響きを持ってるといいますか。とても温かいじゃないですか。
聞きながら優しい歌声に抱き抱えられているような感覚も覚えていました。
谷琢磨:実際に歌入れするときは、「温もり残る 毛布にくるまって」の歌詞じゃないけど、温かい毛布をまといながら歌っていましたからね。
そのときの環境も、上手く歌声に出たんじゃないですか?!
靖乃:谷くんの歌声自体が、賛美歌のような雰囲気もあるからね。
――『Neige chaleur』の素敵な魅力になっているのが、クリスマスという言葉を歌詞に使ってないところ。
クリスマスにまつわる言葉を上手くフランス語にすることで、聞いてるぶんにはまったくクリスマスソングだとは思わずに聴ける内容にしていますよね。
でも、歌声や曲調から、自然とクリスマスソングのような香りを覚えてしまう。
そこが、この曲の素敵な魅力だなと思っていて。
谷琢磨:一番最後に「祝福の クリスマスを」という言葉を入れてますけど。
そこまでは一切出してないように、こういう説明を先に聞かずに聞いてる方は、最後までクリスマスソングだとは気付かないはず。
そこに、この曲の新しさを感じていただけたらなと思います。
ジン:最後に、この曲の謎解きが出てくるみたいな。
情次2号:むしろ、クリスマスという言葉や匂いを前に出さずに、それをこの曲では感じさせたかったので。
靖乃:そこは、本当にちょうどいいバランス感に収まりました。
谷琢磨:逆に、カタカナさえもゼロにして、完全に日本語だけでクリスマスの歌を作るのも面白いかも知れないけどね。
情次2号:サンタクロースを、赤い服の髭翁にしたりとか(笑)。
――クリスマスの季節に、その時期を彩る楽曲があるのも素敵ですよね。
情次2号:じつは、『夢寐の花』に入れてる『オモイデオルゴール』もクリスマスの歌なんですよ。
谷琢磨:そうなんです。『オモイデオルゴール』にはいろんな情景を盛り込んであるから、クリスマスという特定の色よりは、もっと広いニュアンスで捉えられる曲に仕上がっていますけど。
『Neige chaleur』は、もっとクリスマスという色に絞って書いていますからね。
――『Neige chaleur』のジャケットにも、クリスマス色は出していません。
ほんと、クリスマス色を出してないのに、すごくクリスマスの匂いを感じさせる作品なのがいいですよね。
ジン:実際にはクリスマスソングですけどね(笑)。
ジャケットも、そこは心がけました。
描き出されているスノードームの中へクリスマスツリーを出したり、スノードーム自体にリボンをかけてクリスマスらしさを匂わせることも出来たんだけど。
歌詞自体が、クリスマス色を出さずに温かい冬の歌として仕上げてるじゃないですか。
だからジャケットも、お菓子の家をスノードームの中へ入れる程度に匂わせつつ、雪の結晶を散りばめた冬の印象を与える形にしたわけなんです。
――改めて、『Neige chaleur』についてひと言ずついただけますか?
ジン:アルバム収録曲とは違った色を持った楽曲を、また、このタイミングで出せて良かったなと思っています。
情次2号:思いもかけずいい曲になったのでなく、「いい曲だな」と思ってた曲が、さらにいい曲になりました。
もちろん楽曲の良さもありますけど、『Neige chaleur』は歌詞と歌声がとにかくいい。
谷くんが歌詞や歌声で曲の印象を決定づけてくれたことで、結果的に演奏も、よりいい色を描き加えられたなと思います。
靖乃:この曲、初夏にTシャツ姿で叩いてたんですけど。
思いもかけずに音像的に、この季節にぴったりハマる曲になったなと思っています。
谷琢磨:とても素敵な冬の歌が完成しました。
今の世界に大事なのって、人と人との気持ちの繋がりや温もり、温度だと思います。
冬の歌ということからちょっと矛盾した言い方にはなるけど、「冬の温かみ」を意識して歌詞と歌を録りました。
なので、そこを感じてほしいのが一つ。
これからも気持ちの繋がりという思いを表現の芯の部分に置きながら、いろんな物語を紡いでいこうと思っています。
TEXT:長澤智典
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『Neige chaleur』
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<リリース>
★5th digital single 「Neige chaleur」
2021.12.22(wed) 配信リリース
デラックスエディションパック ¥500
アットワークスストアのみ
https://at-works-project.stores.jp
ダウンロード¥255~
各種主要DLサイトにて
サブスクリプション配信同時解禁
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