2022年04月10日 (日)
【ライヴレポート】<David『5th Anniversary ONEMAN Tour「旧約誓書」』>2022年4月9日(土) 池袋harevutai◆「旧約誓書」公演に描いたのは、罪人を赦すDavid(聖母マリア)の姿。
NEWS - 21:48:554月9日(土) 池袋harevutaiを舞台に、Davidの『5th Anniversary ONEMAN Tour「旧約誓書」』が幕を開けた。
このツアーを含むDavidの5周年Projectは、1年という長い歳月をかけ続いてゆく。
その始まりの物語を描き出したのが、先にも触れた池袋harevutaiで行なわれた2部構成の本公演。
ここでは、【1部 5周年新章初LIVE】【2部 MVシューティング&LIVE】両公演の模様をお伝えしよう。
…………………………………………
【1部 5周年新章初LIVE】
…………………………………………
場内へ、厳かに流れ続ける賛美歌…。
鳴り響く教会の鐘の音色に乗せ幕は開く。
Joint Artistの面々(Gt/erina Ba/Яyu Dr/SHO)は、十字架に繋がれた罪人となっていた。
ゆっくりとステージ現れたSUIの姿は、聖母マリアの化身そのものであった。
「囚われの世界」
ライブは,これから始まる長大な物語の二つの感情の一面を担う、最新シングル『Messiah –旧約–』の演奏から。厳かな音色と、狂気や熱情を内包した感情が交錯。SUIの歌声が、その場に訪れた人たちの心を、創世の時代へと連れてゆく。愚かなる罪を背負い続けた人たちに、Davidは赦しや祈り、願いという感情を授けてゆく。強欲に支配された時代を舞台に、SUIは見ている人たちを贖罪の物語へと導きだした。
罪人の赦し乞う姿を音像化した『Rosario』では、人の豪を描きだした荒ぶる演奏の上で、償いを乞うように歌っていた。「旧約聖書」に描かれた…というよりも、その聖書が生まれた人が人として混沌としていた時代の中へ、Davidは観客たちを導いては、あの頃の人たちの心の性を曝してゆく。
ここは,罪人たちが集いし世界。SUIは,その罪人たちに赦しを施す存在(聖母マリア)として、この地に立っている。
惑う罪人たちの運命を見定め、占うように言葉を呟いた『Tarot』。
Davidは抗う人の感情を、罪に目覚め、痛みにさいなまれる人の心を。そして、みずからの運命に翻弄される人たちの惑いや葛藤を、『Mage』を通して突きつけた。いや、David自身がその罪を背負う聖母となり、天へと赦しの祈りを捧げていた。
罪を、豪を、あらゆる感情を解き放ち、過ちさえも無垢な色で塗り替えるように、Davidは願いを空へ解き放つよう『羽化と理想』を歌っていた。感情を解き放つ躍動した演奏に乗せ、Davidは抱えた黒い想いの塊を天へ捧げていた。フロアには、手を大きく広げるDavidの動きに合わせ、両手を大きく広げる人たちの姿も広がっていた。
…………………………………………
「赦しと開放の世界」
…………………………………………
「すべての者に赦しを!」。 赦し乞う罪人たちの気持ちに赦しや施しを与え、心に渦巻いた罪をすべて消し去ろうとSUIは歌っていた。罪の呪縛を解き放った人たちを狂喜の宴へ招き入れ、心を開放するように演奏された『Gothculture -Claustrophobia-』。
熱情した声と演奏に刺激を受けた人たちが一斉に立ち上がり、身体を揺らし、熱を放つ宴の中へその身を捧げてゆく。
荘厳かつ激情した演奏も印象深い『Gothculture -Decadent Art-』を通し、SUIは宴に相応しい熱情した聖血を人々の感情へ注ぎだす。想いを解き放つSUIの歌声や演奏の熱に触発された人たちが力強く拳を振り上げ、共に熱した業火の中、一つに溶け合うことに喜びを覚えていた。
「Davidは、罪から解き放たれたたあなたたちが乱れることを赦します」。その言葉を合図に『荊棘の意図』を突きつけた。フロアでは長い髪の毛を振り乱し暴れ狂う元罪人たちの姿があった。サビ歌では、SUIに煽られ、その場で大きく飛び跳ねる人たちの姿も。あらゆる心の罪を消し去り、魂を開放したとき、誰もが本能へ導かれるまま、舞台の上に立つDavidへ向けて沸き立つ感情をぶつけていた。
胸の奥から沸きだす熱い脈動へ寄り添うように、心解き放たれた人たちは『Blood -Reason for existence-』を通し、本能のままに暴れ狂うことで存在理由を示し楽しんでいた。黒い心の塊をすべて消し去ったとき、人は、一番素直で無垢な存在になれる。純潔な姿へ、Davidは熱情や熱狂という血を注ぎ込み、宴へ足を運んだ人たちの心を無垢な神の子に変えていった。
聖母マリアの魂を、みずからの身体へ呼び入れたDavidが、この日より始めた新しい物語。囚われた罪人の心を解き放つ姿を描きだした、この日の物語。その始まりとなる第一章の終盤を飾ったのが…。
「その声を、想いを、その手広げて、ここから物語を作っていきましょう」。Davidとしての生きる術を決定づけた『Gothcolture –序章–』を歌い、互いに伸ばした手を心の中で繋ぎ、熱情した新しい物語を熱狂の絵筆で宴の中へ共に記してゆく。そして…。
「選ばれたあなた達との尊い時間。またこの世界へ集まってください」。最後にDavidは、『Dresscode』を通し、ゴシック浪漫で高陽シンフォニックな世界の中へ見ている人たちを巻き込み、無数の拳突き上がる熱狂の宴へと、この地を染めあげていった。
…………………………………………
【2部 MVシューティング&LIVE】
…………………………………………
2部公演は,最新シングル『Messiah –旧約主–』に収録した『Rosario』のMV撮影を兼ねてのライブ。舞台上には、数多くの十字架を設置。舞台中央に祭壇を設ければ、キャンドルの光で照らす花道を用意。観客たちも、スタンディングで舞台を囲んでいた。 いつものライブ用のセットとは異なる装いで、Davidの儀式を味わえたのが嬉しい。
静寂を切り裂くように流れだす、力強いピアノの音色。Davidのライブは、バラードの『Moira』を朗々と歌いながら幕を開けた。次第に強さを増すピアノオケへ気持ちを重ね合わせるように,SUIの声も次第に熱を増せば、感情的に乱れ揺れ動きだす。狂おしく嘆く歌声が、闇が支配する空間へ、熱情した赤い血のような色を塗り重ねてゆく。
ここからは、この日一番の目的となる『Rosario』のMVシューティンクへ。「『Rosario』はステージで映える曲だからこそ、一緒に映像として作り上げたくて」とDavidは語っていた。
まずは『Rosario』のリハーサルとして、Davidと観客たちで楽曲に合わせた振りなどのノリ方を確認。祈りのポーズや、祈りのポーズをしながらのヘドバン、拳を振り上げる場面、手バンや折りたたみなど、いろんなノリ方を、楽曲に合わせて確認。一連の流れを把握したうえで、本編の収録へ…。
シューティングは、全部で2回実施。さすが百戦錬磨のファンたちのように、最初のリハーサル時点でノリ方をしっかりとつかんでいたことから、最初からライブ慣れし暴れる様を見せていた。その姿に刺激を受けたDavidも、歌の世界へ酔いしれるように、凛々しくも躍動した姿を見せてゆく。背景の巨大なプロジェクターにも映像を投影。どんな風にMVの中へ反映してゆくのかも楽しみだ。
2回目のシューティングでは、カメラマンが至近距離でDavidを捉える映像を撮影。臨場感とライブ感あふれる撮影が行なわれた。夏を前にした時期には予定している『Rosario』のMVの公開、心待ちにしていただきたい。
ゲストで、Joint Artistとして参加しているDrのSyuが舞台へと呼び込まれた。実は、彼は一部でも罪人の鎖を解き放つ正体不明の開錠役として登場していた。ここからは、Syuをドラムに迎えてのライブへ。
生ドラムとトラックをミックスした形でのライブは、荘厳シンフォニックな『D』からスタート。Davidの振り上げる手に合わせ、フロア中からも多くの手が振り上がれば、暴れ出したSyuのドラムの音へ触発されるように、フロア中の人たちが荒ぶり猛る楽曲に合わせ、ヘドバンや拳振り上げる様を見せていた。Davidも、舞台の上に聳える十字架と戯れながら、雄々しい声を響き渡らせていた。
続く『Behind』でもDavidは、Syuの荒ぶる演奏を従え、観客たちへ狂おしい姿を見せ、フロア中に振り上がる無数の拳の景色を作りあげていった。途中、祭壇の上に立って歌う姿も披露。その姿は、民衆を導くジーザスにも見えていた。
「この先どんなことがあっても、Davidの音楽は生涯に受け継いでいく音楽であると思っています。けっして簡単に壊せる音楽でもないと思っています」。 最後にDavidは、美しくも狂おしいバラードの『Funeral Procession』を朗々と。でも、その場へ訪れた人たちの心へ染み込ませるように歌っていた。その歌声には、どんな祈りや願いを込めていたのだろうか。その答えは、これから始まるROAD TOの物語を通して目にしていきたい。
TEXT:長澤智典
====================
-SET LIST-
【1部】
–受胎告知–
1.Messiah
2.Rosario
SE
3.Tarot
4.Mage
5.羽化と理想
SE
6.Gothculture-Claustrophobia-
7.Gothculture-Decadent Art-
8.荊棘の意図
9.Blood-Reason for existence-
MC
10.Gothculture-序章–
11.Dresscode
SE
…………………………………………
【2部】
1.Moira (Gothic Unplugged Ver)
MC
2.Rosario
3.Rosario
MC
4.D
5.Behind
MC
6.Funeral Procession
SE
PHOTO:Lestat C&M Project
====================
David 5th Anniversary ONEMAN Tour「旧約誓書」特設ページ
https://davidofficial.net/messiah_tour2022/
Messiah MV FULL
https://www.youtube.com/watch?v=a4DB1Z8hOu8
「Messiah –旧約主–」Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=3i2asvX5Qaw
====================
<リリース>
★4/13(水) NEW CONSEPT SINGLE
「Messiah –旧約主–」
…………………………………………
RDCD-024 発売元/Resonance 販売元/FWD
豪華盤 \4,500(TAX OUT)
…………………………………………
(CD収録曲)
1.受胎告知
2.Messiah –旧約–
3.Rosario
…………………………………………
(DVD収録曲)
2022.1.23 高田馬場CLUB PHASE
「六芒全書 -All Story Teller-」DIGEST
…………………………………………
流通店舗対象メーカー特典:A3ミニポスター
RDCD-025 発売元/Resonance 販売元/FWD
通常盤 \2,000(TAX OUT)
…………………………………………
(CD収録曲)
1.受胎告知
2.Messiah –旧約–
3.Rosario
4.Testament
…………………………………………
流通店舗対象メーカー特典:非売品アーティスト写真
====================
David Official Site
https://twitter.com/_david_info