2022年05月29日 (日)
【ライヴレポート】<XANVALA FREE ONEMAN LIVE「SHANGRI-LA」>2022年5月27日(金)下北沢Shangri-La◆
REPORT - 11:26:47俺たちの一部になってくれ。XANVALA、初の無料ワンマン公演。仲間たちの想いの結晶が作りあげた最高の理想郷が、そこには生まれていた。
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現在、全国ツアー『XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」』を実施中のXANVALA。彼らが、ツアーの最中となる5月27日(金)、下北沢Shangri-Laを舞台に無料ワンマン公演『XANVALA FREE ONEMAN LIVE「SHANGRI-LA」』 を行った。XANVALAにとって初の無料公演は、今の彼らに相応しい光景を描きだしていた。
重厚なSE音に乗せ、フロア中から沸き起こった手拍子。その音へ導かれるようにメンバーらが舞台へ姿を現した。手にした楽器を鳴らし、みずからを鼓舞するメンバーたち。ライブはドラマー知哉のカウントを合図に、何時ものよう轟音を叩き付けるように幕を開けた。
「かかってこい!!」、巽の叫び声を合図に『デスパレート』が飛びだした。フロアを埋めつくしたΛ(観客)たちが頭上高く掲げた手の花を大きく揺らせば、サビ歌では力強く拳を突き上げながら飛び跳ねていた。制限された環境とはいえ自身の楽しむフィールドを目一杯使い、XANVALAの投げかける熱い想いを誰もが全身で受け止め、その身を激しく揺らすことで思いを返していた。胸に熱い何時もの光景だ。でも、心の声を張り上げ、拳を振り上げ、高く飛び跳ねなきゃここに来た意味がない。
先程以上の轟音がフロア中を席巻してゆく。『左耳の悪魔』に合わせ、フロア中の人たちが両手を高く掲げくるくるまわり出せば、高く右手を上げて跳ね続ける。時に髪の毛をザンバラと振り乱し、大きく身体を折り畳み、誰もが本能へ導かれるまま、轟音に身を預け笑顔ではしゃいでいた。正直、マスク越しなので微笑んでいたかはわからない。でも、踊り狂うその姿が苦しいわけがない。抑えられない気持ちをとにかく解き放ちたくて堪らないという様で、フロア中のΛたちか飛び跳ねながら、ライブハウスの床をガンガン叩きつけていた。
「やっぱりそうだ、わたしが正しかった。壊れているのは、あんたのほうだ…」。高笑いしながらそう語る言葉を合図に飛びだしたのが、破壊衝動満載な『Bamby』だ。これまで以上に激しく身体を折り畳み、今まで以上に小刻みに飛び跳ね、舞台上のメンバーらへ沸き立つ想いをぶつけるΛたち。そこに叫び声がないだけで、ここには、ライブとしてあるべき魂を開放する自由が生きていた。Λたちが髪の毛振り乱すたび、フロアに風を巻き起こす。それだよな、ここに必要な、楽しんでいる証というのは…。
「君たちは、XANVALAの一部だ。俺たちの一部になりませんか。そして明日を生きていくために今共に闘おう」。この日もこの空間には、メンバーらと足を運んだΛたちによる熱狂と興奮、恍惚を互いに高めあう戦いが生まれていた。演奏が始まったとたん、今まで以上に激しく身を揺さぶり、力強く身体を折り畳むΛたち。互いに、身体中に流れる血を沸騰させ、身体中を駆けめぐる熱い血流を感じながら、ここで生きている意味を誰もが強く感じていた。身体を激しく折り畳むごと、共に感情をぶつけあえる戦いに喜びを覚える。歓喜の想いを、大きく広げた両手で示すΛたち。奮い立つ想いを吐き出し続ける『聖戰』に相応しい景色が、ここには生まれていた。
熱狂に熱狂を塗り重ねるように、興奮に高陽と心の絶叫を掛け合わせるように、XANVALAは『ジャノメ』をぶち込んできた。理性なんて言葉はとっくに忘却の彼方へ置いてきたΛたちが、あらん限りの力を振り絞り暴れていた。巽の「かかってこい!!」の叫びを最高の獲物に、Λたちが本能の牙を剥きだしに暴れ騒ぐ。じっとなどしなくていい。本能が導くまま騒ぎ狂えば、それでいい。
エレクトロな旋律が、次の景色へ連れだす合図だった。XANVALAはダウナーでダークな『ゆらゆら』を歌い奏でながら、重厚な音の鎖をΛたちの身体に巻き付け、ぐいぐい闇へと引きずり込んでゆく。メンバーらが引き寄せる音楽の鎖に縛られたΛたちが、ゆらゆら身体を揺らしながら心地好く身を落していく。ゆっくりと、でも奮い立つ気持ちを抱えたまま闇へ身を落とすΛたち。その様が、恍惚を覚えるほど心地好い。身体を揺らすのではない、身体がバランスを失い自然とゆらゆら揺れてしまう。酩酊するその感覚が、気持ちいい。
踏み切りの音が場内中に鳴り響く。飛びだしたのが、フリーキーでサイコティックかつアバンギャルドな『ケ・セラ・セラ』だ。理性や常識など、世の中の正論をこの曲が一瞬でぶち壊す。何にも縛られるな。己の気持ちが向いたままに行動すればいい。破壊的衝動に満ち満ちたこの曲は、触れた人たちの魂を自由へ解き放つ。常軌を逸脱した楽曲だ。自由に、己の心の動くままに騒ぎ狂えばいい。その言葉に相応しい狂熱した景色が、ここには生まれていた。
「縛られた予定調和よりも、好きにやってほしい」「俺は夢を叶えるためにステージを選びました。かならず全部持ち帰ってやるからさ。ここは一番自由な場所だ。一番自由な音楽をしませんか!!」
「ぶっとべ!!」。巽の叫び声に相応し光景が、『LEGAL』を通してこの会場に描きだされていた。誰もが高く掲げた両手を黒い翼に変え、無邪気に跳ね続ける。止まらない、止めたくない、この衝動もっともっと大きく膨らませていたい。止まることなく跳ね続ける光景が生まれれば、煽りパートでは、これまで以上に高く飛び跳ねながら、誰もが無邪気な乙女や少年に戻り、限界を超える勢いではしゃいでいた。ここには、現実をすべて消し去り、楽しさだけが支配する世界が生まれていた。誰もが無垢で無敵な頃の自分に戻り、夢中ではしゃいでいた。
「そろそろ熱くなってきたんじゃないか、まるで夏みたいだな。ここを真夏にしてみませんか!!」。『キネマ』の演奏が始まるのを合図に、フロア中のΛたちが手にした扇子を大きく振りながら全力で跳ねだした。熱狂に浮かれた人たちが作りだす最強で最狂に熱い宴が、この空間を支配していた。手にした扇子を大きく舞い揺らし踊り狂う、大勢の人たち。熱狂の祭り人たちが浮かれ騒ぐこの光景、まるで浮世の宴のようだ。
ライブも終盤戦へ。メンバーの煽り声に合わせ跳ね続けるΛたち。「ここが俺たちの理想郷だ」の言葉を合図に、楽曲は『XANADU』へ進化。大地に縛りつける鎖などとっくに引きちぎったΛたちが、その先に見える理想郷へグイグイ引っ張ってくれと言わんばかかりに、大きく両手の翼を広げ、舞台上のメンバーたちへ向かって思いきり跳ね続けていた。凄まじい体力だよな、Λたち。いや、本気で夢中になったら体力の限界なんてものも忘れてしまうのに違いない。
メンバーらの叫ぶ声に合わせ、跳ね続ける光景は『ΛLIVE』でも続いていた。豪快に跳ねる演奏に感情と身体をシンクロしながら、フロア中の人たちが飛び跳ね、身体を折り畳み、ここで生きる喜びを謳歌していた。大きく手を振りながら跳ね続けるΛたちの振動が、さらに感情を揺らすパワーとして膨らんでいった。
「これが今の俺たちです。ここで、このステージの上で闘っています。今はまだ幸せな歌は歌えないけど、一緒に泣いてくれる人たちがたくさん出来た。俺は、それが幸福だと思います。一緒に幸せになろう」。
「ガタガタガタガタうるせぇな!!」と歌う巽の声を合図に、最後にXANVALAは『誰が為の幸福論』を叩きつけた。高ぶる気持ちを噴火させるように、フロア中のΛたちがザンバラと髪を振り乱し、高く腕を突き上げ、飛び跳ねていた。何時もの景色と言ってしまうのは簡単だ。でも、どんなときでも本能だけが身体や心を支配し、無条件で笑顔に導き、気がついたら体力のすべてを奪ってしまう。それくらいに夢中にしてくれるライブを、何時だってXANVALAは見せてくれる。だから、彼らの居る箱に何度も何度も足が向いてゆく。
この日のアンコールは、1曲勝負。しかも、1曲丸々ライブ撮影を許可。その曲として選んだのが、XANVALAの攻撃的な姿を色濃く映し出した『CREEPER』だ。この記事を見た人たち、ぜひTwitterで『XANVALA』と検索してほしい。この会場に足を運んだΛたちが、その熱狂の様をネット上にアップしているはずだ。ここのパートは、その映像を観て感じてくれ。きっと、身体が騒ぎたくてうずうずしてしまうだろう。
動きを止め、映像を撮っていては不完全燃焼で終えてしまうと判断したXANVALAは、ふたたび『CREEPER』を演奏。会場中のΛたちの身体を跳ねさせ、ザンバラと髪の毛振り乱す猛り狂った宴の住人へと染めあげていった。「俺たちの一部になってくれ」の言葉を、とてもリアルに感じれたライブを、この日も僕らは味わっていた。割れんばかりの拍手が、その事実を物語っていた。
XANVALAは今、8月27日の新宿BLAZE公演へ向け全力で走り続けている。この日、目の前に最高の景色を描いたその布石の一つが、この日の無料ワンマン公演でもあった。この後、彼らはふたたび全国各地へ、現実を忘れさせる熱狂に包まれた世界を描きに行く。その音楽を、ぜひ体感してくれ。
photo by @a_kwsk_1985
TEXT:長澤智典
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<セットリスト>
『デスパレート』
『左耳の悪魔』
『Bamby』
『聖戰』
『ジャノメ』
『ゆらゆら』
『ケ・セラ・セラ』
『LEGAL』
『キネマ』
『XANADU』
『ΛLIVE』
『誰が為の幸福論』
-ENCORE- –
『CREEPER』
『CREEPER』
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★インフォメーション★
■XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」
06.10(金)【東京】池袋BlackHole
06.18(土)【石川】金沢gateBlack
06.19(日)【新潟】新潟CLUB RIVERST
06.25(土)【宮城】仙台spaceZero
06.26(日)【福島】郡山PEAK ACTION
07.01(金) 【東京】池袋BlackHole
07.05 (火)【北海道】札幌Crazy Monkey
07.06 (水)【北海道】札幌Crazy Monkey
07.22(金)【静岡】浜松FORCE
07.23(土)【大阪】心斎橋soma
07.25(月)【愛知】HOLIDAY NEXT NAGOYA
07.26(火)【長野】長野LIVE HOUSE J
08.01 (月)【栃木】宇都宮HELLO DOLLY
08.04 (木)【群馬】前橋DYVER
08.07 (日)【埼玉】浦和Narciss
08.13(土)【千葉】柏Thumb up
08.20(土)【神奈川】川崎Serbian Night
TOUR FINAL
08.27(土)【東京】新宿BLAZE
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