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2022年06月01日 (水)


【ライヴレポート】<nurié 再始動ワンマンライブ「bouquet」>2022年5月31日(火)SHIBUYA REX:サポートBa. 祥平(fromアルルカン)◆高らかに掲げられたブーケは、先の見えなかった未来を照らす灯火のようだった──。

REPORT - 21:00:41

昨年127日、翌日に開催予定だった東京でのワンマンライブへの移動中の事故により、ベースの小鳥遊やひろが永眠。バンドの活動を止めざるをえなくなったnurié

それぞれのメンバーカラーの花と、小鳥遊やひろのメンバーカラーの黄色の花を中心に添えたブーケを手に、523日に地元大阪での待望のライブ復活を遂げ、ついに531日、東京、SHIBUYA REXにて再始動ワンマンライブが行われた。

 

ハンドクラップを誘うSEの中、ドラムの染谷悠太、ギターの廣瀬彩人、そして、東京でのサポートベースを務める祥平(アルルカン)が登場。それぞれが持つブーケをまっすぐに空へと捧げる。

そして、ヴォーカル大角龍太朗が現れると、ステージの中央に進み、深く頭を下げてから歌い始めた1曲目は、今年の1月にリリースされた最新シングル「RooM-6-」。この曲が生まれるきっかけとなるイメージでもあり、MVでもその世界観を表していた色、赤、青、紫のライトがステージを照らす。

ライブで演奏するのは、大阪のライブに続き2 回目。

フロアにはやっとライブで聴けるという思いと共に、メンバーを失った彼らとの待望の再会の瞬間をどう受け止めていいのだろうかというとまどいも見られたが、大角の「これからの話をしようぜ」の言葉から続いた「今宵、未来のために歌おう。」が、ステージと客席の距離を縮めnuriéのライブの音が帰ってきたという確かな実感を伴う温度感が湧き上がる。

染谷の力強いドラムのイントロと背景に映し出された激情の赤が渦巻く「【ばいばい】」では、この日最初の大角の笑顔が垣間見えた。

 

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大角龍太朗

最初のMCで大角は「楽しむことは悪いことじゃねえぞ」と放つ。

そして、nuriéのライブに欠かせない「骨太もんちっちくん」では、待ってましたといわんばかりに、オーディエンスも両腕を動かしながら身体を揺らして、ライブの熱量を上げる。

そこから廣瀬の切り裂くようなギターイントロが世界観を一転させ、現代社会の心の有り様に憤りをぶつける「人として人で在る様に」。大角による剥き出しの歌詞がストレートに心に響き、まさに本領発揮といえる姿を見せた。

 

この曲を歌い終えたあとのMCで、やっとこの一言を聞くことができた。

「ただいま」。

あの事故から、大阪でのお別れ会、インタビュー記事、YouTubeやそれぞれのSNSなどで彼らの動向を知ることはできていたが、ライブでの「ただいま」を待っていたファンがどれだけ多かったことだろう。

このときのMCでは、今日のライブのサポートベースを務める祥平(アルルカン)が改めて紹介され、nuriéのメンバーから一緒にステージに立っている今はもちろん、スタジオでのリハーサルから緊張したというエピソードが明かされた。

 

「始まりの音をここに鳴らします」という大角の一言から、nuriéの歴史が始まった1stシングル「モノローグ」が奏でられる。メロウな世界観は「カンセツショウメイ」へと繋がれ、大好きだよの歌声に大角の抑え切れない気持ちが溢れ出す。

ミッドテンポの「今晩だけのサーカス」で、フロアは手を振りながら身体を揺らし、触れていたいの歌に合わせて、頬を指でつつく大角の可愛らしい仕草も見られた。

 

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廣瀬彩人

この日のMCでは、大角が話すときには、常に廣瀬のギターの音色が自然に寄り添っていた。そして、大角は語り出した。

127日、俺たちの運命が変わった日。俺たちが一生涯悲しみを抱えることになった日。どうやって立ち直ったらいいかわからない。どうやって乗り越えたらいいかわからない。そんな毎日でした。今でも変わらず苦しくて悲しくてしょうがないよ。でも、その悲しみを俺は乗り越える必要なんてないんじゃないのって思っている。俺はやひろさんがこの世に存在しない世界に対して、悲しみを無くしてしまうような人間にはなりたくない。あなたたちもどう立ち直っていいかわからない人だってたくさんいると思う。だからこそ俺は言いたい。立ち直る必要なんてないよ。しっかりとその悲しみを背負ってこれから進んでいけばいい。この『bouquet』というライブを通じて、あなたたちの止まった時間から、何か一つ動きだすものがあればと思っています。」という言葉から自然に、嘲笑うこの夕焼けが そんなもんじゃねぇ、俺の傷はと歌い出し、「愛を歌わせろ人生」へ。

この曲は音源では歌い出しで愛を歌わせろ人生と叫ぶ声が象徴的だが、この夜、大角から発せられた愛を歌わせろ人生の言葉の音は、音源とはまるで変わっていた。という言葉一つに、この半年ほどの激動の人生で経験した思いが込められ、愛の意味が彼らの中で大きく変化したことを感じる瞬間だった。

そして、昨年11月に開催されたアルルカンPresents「束の世界」に出演した際に、1曲目として演奏した「透明に混ざる。」のイントロが鳴り響いたとき、止まっていた時間が高速で走り出すようなきらめきがフロアを駆け抜けた。

愛してくれるアナタを思うと

その声から、nuriéを愛してくれている人への思いが伝わってくる。

本編の最後は、シングル「RooM-6-」のカップリングとなった「白を溢す。」。

このときまでクールな表情で的確なギターフレーズを奏で、nuriéの楽曲を彩ってきたギターの廣瀬が感情を爆発させるような顔を見せながら、叫ぶようにコーラスを歌い、曲にさらなる熱を加える。

nuriéの良さを改めて突き詰めたときに生まれたというこの曲での本編の幕閉めは、まさにnuriéの再始動のライブにふさわしい1曲だった。

 

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染谷悠太

アンコールを求める拍手の中、ステージ上のスクリーンから、729日の結成3周年記念日に池袋EDGEで開催されるワンマンライブと4 th single「生きてて偉い」のリリースが発表された。

再びステージに登場したメンバーからは、本編を終えた安堵感が見られ、ドラムの染谷が1曲目の「RooM-6-」で、かけていた眼鏡がいきなり飛んで、同時にドラムスティックも飛んだというハプニングを笑顔を交えて話すシーンがあった。

またライブ中に祥平が小鳥遊やひろのベースを使用して演奏したことにも触れ、メンバーが祥平に小鳥遊やひろのベースを預け、祥平が今日までそのベースを使って練習をしていたというエピソードも明かしてくれた。

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「俺たちはまだまだ音楽の力で何かを変えられると思っている。絶対変えるよ。」と宣言し、この場に集った一人ひとりの未来を輝かせるように、ライブハウスを晴れ渡らせた「晴天に吠える。」。

向かうべき場所に進んでいく強さをじっくりと歌い上げる「ランナー」では、ステージに立てない間も、真摯に音楽に向き合った成果を発揮するように、地に足のついたサウンドを響かせ、現実を正面から見据えて目を逸らさずに歩むことを決意したバンドならではの音を轟かせた。

 

nuriéのライブは曲から曲への立ち上がりが早い。しかし、アンコール最後の曲だけは、演奏する前にじっくりと時間を取った。大角が意を決して話し始める。

「俺たちは間違いなくこの瞬間を生きています。あなたたちも今日この瞬間を生きている。やひろさんのことがあってから、当たり前じゃないなと思うことがすごく増えました。だからしっかりと俺たちらしく生きてやろうと思っています。俺たちらしく歌ってやろうと思います。誰かが生きたかった明日だとか、俺は絶対言いません。俺たちらしく、後悔ないように生きる。あなたたちもそうしてください。自由に生きろ。今日東京で、この曲を初めて演って帰ります。全ての思いを込めて作りました。この曲があなたたちの背中を押せるように、この曲であなたたちが笑顔を取り戻せるように、そう思って書いた曲です。そして、やひろさんにしっかり届けよう。最後に聴いてください。」

 

「生きてて偉い」。このタイトルは、小鳥遊やひろがよく口にしていた言葉だ。小鳥遊へのありのままの思いを壮大に歌い上げる新曲。

「しっかり届けようぜ、上の上まで。」と大角がこの曲を天に届けるように手を伸ばす。客席も、一人、また一人と手を挙げ、無数の手がアンテナとなるように「生きてて偉い」を、地上から空へと繋げていく。

nuriéの楽曲は、人がこの世に生を受けたからこそ感じる心の葛藤や、世界への鋭い眼差しが多く描かれている。

小鳥遊やひろと共に作り上げた曲たちは、彼らがこの先を生きれば生きるほどに、その輝きを増すだけではなく、聴いた人の中で意味を持つ楽曲へと花開いていく。

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復活の鐘は高らかに鳴り響いた。この世界をかつて見たことがないほどに色鮮やかに染め上げていくnuriéの歴史は、617()新宿clubSCIENCE 623()アメリカ村FANJtwiceで開催される無料ワンマンライブへと続いていく。

勢いを増す彼らを見るなら、今だ。

 

 

(文・武村貴世子/写真・Ayami Kawashima)

 

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セットリスト◆

 

01. RooM-6-
02.
今宵、未来の為に歌おう。
03.
【ばいばい】
04.
骨太もんちっちくん
05.
人として人で在る様に
06.
モノローグ
07.
カンセツショウメイ
08.
今晩だけのサーカス
09.
愛を歌わせろ人生
10.
透明に混ざる。
11.
白を溢す。

En

01. 晴天に吠える。
02. ランナー
03. 生きてて偉い

 

 

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<ライヴ>

 

■nurié 3rd Anniversary Oneman

生きてて偉い

2022年7月29日(金)

池袋EDGE

 

開場 17:30 開演 18:00

チケット

前売り¥4,000 当日¥4,500

チケット発売日後日解禁

 

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<リリース>

 

★4th Single「生きてて偉い」

7月29日(金)池袋EDGE ワンマンライブにて先行リリース

8月10日(水)各店舗リリース

 

【収録曲】

1.生きてて偉い

2.ミルクティートリップ

3.阿呆やん。

 

定価 ¥1,500(税抜)

品番 NRNR-006

 

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