2022年10月21日 (金)
【ライヴレポート】ユナイト、ワンマン・ツアー「CONTiNUE?」を通して新たな可能性を構築。「ユナイト、ずっとやっていきましょう」
REPORT - 17:20:52ユナイトのOneman Live Tour「CONTiNUE?」が、ツアーファイナルを迎えた。10月12日、13日と東京・新宿BLAZEにて行われたライヴの模様をお届けする。
7月より、全11ヵ所を2daysずつ回ってきた今回のツアー。4月にヴォーカル脱退に関する発表があり、当初予定されていたツアータイトルを「CONTiNUE?」と改め、4人のゲストヴォーカル[夕霧(DaizyStripper),翔梧(アンフィル),mitsu,CHISA(ACME)]が各日センターを務める形で回ってきたこのツアーは、バンドにとって大いに挑戦的な意味を含んだものとなった。途中、メンバーのコロナウイルス感染によって延期となった箇所もあり、この後に振替公演を控えている状態ではあるが、ここでお伝えするツアーファイナル公演はメンバー自身がツアータイトルにある“?”に対する答えを見出し、それを確信に変えるためにかけがえのない時間を過ごしてきたことを見せつけるには十分なアクトだった。
DAY 1は、ゲストヴォーカルにCHISA(ACME)とmitsuが登場。まずは、SE「Whopper」に乗せて一斉に姿を現したユナイトメンバーによるインストゥルメンタル曲「ユニコーン」から幕を開けた。そして、ライヴ前半のセンターを務めるCHISAを迎え、「ANOMiE?」の力強いサウンドとCHISAの存在感のある歌声がマッチして迫力抜群に届けると、「ミドルノート」で観客のボルテージも急上昇。
ステージと観客が絶好調な盛り上がりを見せた「ubique」から、「さよならユーフォリア」「ベリアル」を軽快なテンポで立て続けに披露した後は、「LEMON SQUASH」や「ノゾキアナ?」といったシャウトも映える激しい楽曲が並び、CHISAが持つヴォーカルとしての良い部分を存分に活かしたセクションを堪能出来た。サウンドの迫力はそのままに、バンドとファンとの絆を歌う「イオ」までエモーショナルに展開し、バトンは後半へ繋がれた。
暗転から、莎奈作曲による新曲のインストゥルメンタル「天狗」から後半戦がスタート。思えばツアー初日2daysより、椎名未緒作曲による「ユニコーン」とLiN作曲による新曲の「krake」がライヴの幕開けを飾っていたが、その際のMCで「ツアー中にまた新曲が生まれるかもしれない」という話題があった。いずれも“伝説上の生き物”をタイトルにしている事から、その流れを汲んだ新曲が登場するという有言実行の出来事にツアーを充実したものにしたいというメンバーの意気込みすら感じでいると、センターにmitsuを迎えて「マーブル」を披露。“ずっと終わらない歌を歌う。”という冒頭から、言葉を丁寧に伝えていくようなmitsuの歌唱が際立ち、続けざまに「無限ピクセル」で一気にアップテンポへとシフトしていった。
「この場をリードしていく」とmitsuが意気込みドラマチックに「液体の夜」を聴かせると、朗らかなロングMCタイムへ。LiNの“好きな面好き男”の話題に盛り上がり、この後に控える「FAQT」と「必殺」の曲中のノリもしっかりとガイド。キラーチューン「ice」を経て挟んだMCでは、「バンドを続けてきた今だからこそ届く楽曲がある」と、「アイ -‘ation-」「starting over」とバンドの軌跡とその過程で起こる奇跡的な出来事や、続けていくことへの変わらない強い決意が楽曲に乗せて大切に届けられた。
ラストは、「ふわり」をこの日ならではの特別なCHISA & mitsuによるダブルヴォーカルで聴くことが出来た。前後のMCでは、LiNがツアーを通して「今、メチャクチャ楽しい!みんながいて本当に良かった」と今後の活動への活力が芽生えたことを感謝として伝える場面もあり、それに対してCHISAは「バンドがどうにかなっちゃうっていう状態から、もはやジャンルが元気になっちゃうんじゃないかと思う」と今回のユナイトの挑戦を称賛し、mitsuは「自分も勇気がもらえるツアーだったし、音楽の力を知ることが出来た」と話した。こうして、ツアーの1/2が成功した形でバトンは翌日へ……。
DAY 2は、ゲストヴォーカルに翔梧(アンフィル)と夕霧(DaizyStripper)を迎える。冒頭は、SE「Whopper」での登場からインストゥルメンタル曲「krake」へ続き、さらに躍動感を高めるように翔梧が加わり「さあファイナル、楽しもうぜ!」と笑顔満載に「A Little Picture」「ナユタの秘密」と晴れやかな空気に包み込んでいった。
このツアー中に翔梧は、ゲストヴォーカルを担う責任感や向上心を露わにした様子から“ジェラス”とあだ名をつけられたという。前日も会場に足を運んでライヴを観ていたことを受けて「燃えている」と意気込みを言葉にすると、大好きな曲だという「PiNKY_she_SWeAR」や、「THEATER -LA-」「ベリアル」の歌メロが際立つ楽曲を繊細に歌い上げる様子に目を奪われた。後のMCで「ユナイトの楽曲の中で聴かせる曲の良さを伝えるのが自分の役目」と話していたことが納得なほど、翔梧自身の持ち味に絶妙にマッチしていたセクションから一変、「次の曲で(会場を)1つにしないと死にます!」と「ice」ではフロアの熱量を爆発させ、「small world order」から、このツアーを通して好きになった曲と話した「ジュピタ」まで時折笑い声が混じる楽し気な雰囲気を持ちながら前半戦を終えた。
後半は、インストゥルメンタル曲「MiNOTA」からスタート。“ミノタウロス”をもとにしたタイトルを据えたこの曲は、前日披露された莎奈作曲による新曲を受け、ハクがこの日のために作曲した新曲だという。そこへ夕霧が登場すると、いよいよツアーファイナル公演も大詰めへ向かい、一際気合いを投影するかのような「レヴ」の力強いサウンドと曲に込められた革新的な思いをメンバー一丸となって届け、そのひたむきな姿が改めてオーディエンスの気持ちも引き締めた。「BadRequest」では夕霧の艶のあるヴォーカルも活きながら、会場は大いにジャンプしてボルテージが上昇していく。
続いた「FAQT」は直前のMCで“U’sジャンプ”(※UとSをポージングしながらジャンプ)を指示して軽快に楽しむと、激しい表情にシフトした「ディシバダルツ」や、夕霧がツアーファイナルでは新しい曲に挑戦したいという思いでメンバーと選曲したという「world wide wish」でパワーヴォーカルを発揮。ラストスパートは、パーティー感満載に「–ハロミュジック–」から、「手を離すなよ」と告げた「シトラス」、「終わらせない」と強く誓いを立てるように「starting over」へと、畳みかけるようにメッセージ性を持った楽曲を贈った。
再び翔梧を呼び込むと、前日同様ダブルヴォーカル体制で「ふわり」で締めくくった。夕霧と翔梧が指切りをし、歌詞にある新たな始まりに対する“約束”を表すようにユナイトの想いを代弁するかのように大切に歌い上げた。ハクもMCで伝えていたが、「不安もあったけど、続けていればこんなに素敵な景色を見せてもらえるんだと思った」という言葉通り、目の前に広がっていたのはこのツアーでユナイトが勝ち取った未来へとつながるポジティブな絶景であった。
1日目、2日目共に、メンバーが溢れる想いをしっかりと言葉にしてファンに伝えていた場面も印象に残っている。1日目、感極まりながら椎名未緒は「ツアー前はマイナスなものを0に戻したいという気持ちだった。ゲストヴォーカル4人がユナイトに愛を持って取り組んでくれて、大事に曲を歌いたいと言ってくれた。失った以上のものをメチャクチャもらった」と話し、2日目には莎奈がこみ上げる様子で“テセウスの船”に自分たちを例えて話しながらも最後は言葉に詰まってしまったが、きっと入れ替わった新たに装填したパーツたちは、以前の姿を上回るものだと信じてやまない。
「ゲストヴォーカルにだけじゃなくて、メンバー4人にも感謝してるんですよ。マジで、ユナイトずっとやっていきましょう。だから、あなたたちもずっとU’s(ファン)でいてください」――椎名未緒
「CONTiNUE?」と題したツアーを通してメンバーが見出したかった、あるいは我々が欲しかった答えはこの椎名未緒の言葉で十分すぎるほど伝わった。バンドに起こった逆境を跳ねのけ、“続ける”という答えと同時に新しい可能性を武器にした今後の彼らのスケジュールは、続々と発表されている。特筆したいのは、2023年4月1日にEX THEATER ROPPONGIを舞台に行われる12th Anniversary oneman live [U&U’s -hope-]だろう。これからも、ユナイトは自分たちだけの“終わらない”かたちで在り続けていく。
文◎平井綾子
写真◎MASANORI FUJIKAWA
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●ユナイト 2022 Oneman Live Tour「CONTiNUE?」FINAL DAY1
10/12(水) 新宿BLAZE 〈guest vo:mitsu & CHISA (ACME)〉
【DAY 1】セットリスト
SE.Whopper
1.ユニコーン
2.ANOMiE?
3.ミドルノート
4.ubique
5.さよならユーフォリア
6.ベリアル
7.LEMON SQUASH
8.ノゾキアナ?
9.イオ
10.天狗
11.マーブル
12.無限ピクセル
13.液体の夜
14.FAQT
15.必殺
16.ice
17.アイ -‘ation-
18.starting over
19.ふわり
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ユナイト 2022 Oneman Live Tour「CONTiNUE?」 FINAL DAY2
10/13(木) 新宿BLAZE 〈guest vo:夕霧 (DaizyStripper) & 翔梧 (アンフィル)〉
【DAY 2】セットリスト
SE.Whopper
1.krake
2.A Little Picture
3.ナユタの秘密
4.PiNKY_she_SWeAR
5.THEATER -LA-
6.ベリアル
7.ice
8.small world order
9.ジュピタ
10.MiNOTA
11.レヴ
12.BadRequest
13.FAQT
14.ディシバダルツ
15.world wide wish
16.-ハロミュジック–
17.シトラス
18.staring over
19.ふわり
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<ツアー情報>
■ユナイト 2022 Oneman Live Tour「CONTiNUE?」(振替公演)
・11/9(水) 広島SECOND CRUTCH 〈guest vo:CHISA (ACME)〉
・11/10(木) 広島SECOND CRUTCH 〈guest vo:CHISA (ACME)〉
・11/28(月) 新横浜NEW SIDE BEACH 〈guest vo:翔梧 (アンフィル)〉
・11/29(火) 新横浜NEW SIDE BEACH 〈guest vo:翔梧 (アンフィル)〉
・12/17(土) 金沢AZ 〈guest vo:mitsu〉
■ユナイト 2022 Oneman Live Tour「CONTiNUE?」(追加公演)
・12/18(日) 金沢AZ 〈guest vo:mitsu〉
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<新規LIVE情報>
■「GOOD BYE 2022」
・2022年12月22日(木) HOLIDAY SHINJUKU 〈guest vo:ミケ(我が為)〉
■「HELLO 2023」
・2022年1月12日(木) HOLIDAY SHINJUKU 〈guest vo:夕霧(DaizyStripper)〉
■莎奈フィーチャーイベント「濃藍」
・2023年1月30日(月) Spotify O-Crest 〈guest vo:CHISA(ACME)〉
■莎奈フィーチャーイベント「白縹」
・2023年1月31日(火) Spotify O-Crest 〈guest vo:翔梧(アンフィル)〉
■LiNフィーチャーイベント「今井感謝祭 –ハロ君はじめまして–」
・2023年2月13日(月) Spotify O-Crest 〈guest vo:ハロ(ベル)〉
【O.A】寿司かも新米
■LiNフィーチャーイベント「今井感謝祭 -CHAMPION-」
・2023年2月14日(火) Spotify O-Crest 〈guest vo:mitsu〉
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■UNiTE. 12th Anniversary oneman live [U&U’s -hope-]
2023年.4月1日(土) EX THEATER ROPPONGI
※詳細解禁は11月24日(木)
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[ユナイト オフィシャルサイト]
[ユナイト オフィシャルTwitter]
https://twitter.com/official_unite