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2022年12月19日 (月)


【ライヴレポート】<Luv PARADE vs H.U.G>2022年12月17日(土)赤羽ReNY alpha◆「同じ時代を闘ってきた仲間たち」が集まった熱い夜──。

REPORT - 18:00:36

1217日、赤羽ReNY alphaにて『Luv PARADE vs H.U.G』が開催された。KaryuGt.)が主導する2組による2マンライブだ。Luv PARADEが再始動の狼煙として6月に行った主催イベント『DEVIL’S PARTY 2022』が初ライブとなった、Karyu Session BANDH.U.Gとして始動。そんなH.U.Gが今回、TAKEODr. PIERROT/Angelo)とNAOKIBa. FANTASISTAex Kagrra,)という強力なサポートメンバーを加え、初のバンド編成で出演することでも大きな注目が集まっていた。

先攻はH.U.G。ステージ後方のバックスクリーンに映像が流れ……の予定が、機材トラブルにより映像と音が流れず、ステージが明るくなったところで颯爽と5人が登場する。「イエー!!」とNAOKIが叫び、Karyuが轟音を掻き鳴らす。「さあ、はじめようかぁぁぁ!」とryoVo. HOLLOWGRAM)が叫ぶと、TAKEOのずっしりとしたリズムに乗せて重厚なリフが轟く。新曲「DON’T DOUBT」でライブはスタートした。鍵盤を弾き、振り翳した光るスティックを操り、生のビートに彩りを与えながらアンサンブルを扇動していく、マニピュレーター横山和俊。5人による完全バンド形態となった強靭なグルーヴがフロアを揺らす。そのままスペーシーな疾走感に溢れる「DROP」をドロップ。

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5人、初のバンド体制、H.U.Gになります、よろしくどうぞお願いします!」

ryoが威勢よく挨拶する。TAKEOが大きく振りかぶってリズムを打ち鳴らすと、ザクザクとKaryuがソリッドでヘヴィなリフを刻んでいく。そこに中低音の豊かな響きからファルセット、グロウルからホイッスルボイスまで、変幻自在の声色を艶めく怪しく操っていくryo。「熾 -OKI-」から「Marry of the blood」の不穏な流れに圧倒される。エレクトロビートに乗せた「Flash dancers」。キャッチーなメロディに合わせて、フロアから多くの手が上げられた。

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ryoがメンバーを1人ひとり紹介、さらに3月に渋谷・Spotify O-WESTでショーケースワンマンライブを開催することを告げると、フロアから喜びの拍手が巻き起こった。「ワンマンに向けて目標ができたので、新曲を作らなければいけません。そして、新しい新曲を持ってきたので」と新曲「LOVE THAT NEVER KNOWS」を披露。昨今の世界情勢を踏まえ、逃げ場がない人のための愛の歌だという同曲。無機的で退廃的な雰囲気が差配しながらも、ゆっくりと躍動していくメロディが印象的。戦場を表す映像がバックスクーンに流れる中、エモーショナルにryoが歌い上げ、その声に合わせてオーディエンスの無数の手がゆらめくように大きく揺れ動いた。

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堰を切ったようにTAKEOのドラミングが暴発すると、「騒いでください!」ryoがシャウトする。「HUG」のけたたましい轟音で、会場の熱はこれでもかというほどにヒートアップしていく。

「この曲を聴いてお別れします。ラストソング、心に響きますように、「HEART」」

ryoがバシッとキメたものの、鳴るはずのシーケンスが流れない。「今日は魔物が……」またもや機材トラブルに見舞われたようだ。横山の音を外に送るオーディオインターフェイスの電源が切れてしまったという。これにはさすがの横山も「こんなことあるんだねぇ」と驚きを隠せない様子。「みんなが盛り上がってくれたから、一緒にハメ外しちゃたんじゃない?」とryoKaryuがおもむろにリフを弾き出すと、TAKEONAOKIもそこにビートを合わせていく。さらにryoが歌声を重ね、H.U.Gの即興セッションが始まる。そうしたバンドらしい場面もドラムとベースがいる編成だからこそ。横山の機材復帰を確認すると、「324日、Spotify O-WESTでお会いしましょう」と気を取りなして「HEART」を披露。大雨のように降り注ぐ轟音と、大きな優しさの中に凛とした強さを感じるryoの歌声が場内いっぱいに響き、H.U.Gのステージは終わった。

デジタルなビートに合わせて、全身黒で固めたTSUKASADr.)、ZEROBa.)、KaryuGt.)の3人が現れ、それぞれが持ち場につく。最後に漆黒の羽根を纏い、レースアイマスクをつけた、ゲストボーカルのTAKAVo.)が悠然と登場し、Luv PARADEのライブがスタート。怪しく鳴り出したシーケンスに合わせて、TAKAが歌い出したのは、ビリー・アイリッシュの「BAD GUY」だ。同曲の無国籍な雰囲気とタイトなリズムが交錯していき、TAKAが妖艶に歌い上げる。けたたましく打ち鳴らさせる、ラストのヘヴィないななきに息を呑む。続く、エレクトロに咲き乱れるブリトニー・スピアーズ「Toxic」といい、海外の女性ボーカルのポップミュージックのカバーは、Luv PARADEの得意とするところだが、マニアライクではなく、あえてメインストリームの楽曲を選んでいるところにLuv PARADEのアイデンティティを感じ、ダークでヘヴィなサウンドを響かせようとも、キャッチー性を忘れていないという、彼ららしいロックバンドとしての矜持を垣間見る。

Luv PARADEに身を委ねて、楽しんで帰ってください!」

スペーシーなシンセに包まれるように始まったのはレディー・ガガの「Poker Face」。ニューウェイヴとインダストリアルがクロスオーバーしていく様相は見事で、各メンバーのタイム感とそこから生まれるバンドのグルーヴが心地よい。熟練味と貫禄を感じるアンサンブルで魅了していく。そしてTAKAのボーカルだ。天鵞絨のような滑らかさ、ふくよかな低音から伸びやかな高音の蠱惑的な歌声に会場は酔いしれた。

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異国情緒漂う旋律が走るD’ESPAIRS RAYDEVIL’S PARADE」でフロアの熱を一気に掌握すると、神秘的な響きに包まれる。TSUKASAが乱れ打ち、ZEROがメロディアスなパッセージを重ねていく。たっぷりとしたブレスからTAKAが歌いだしたのは、なんとビョークの「HYPER BALLAD」。印象的なメロディを追随するKaryuのオブリガード。オリジナル強度の高い同曲をLuv PARADE流に昇華している様に驚愕。アレンジの技量と演奏力、TAKAの歌唱力、そのスキルと貪欲な音楽探究に感服した一幕だった。

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6月に初めてライブをやって、9月にDEVIL’S PARTYやりましたけど、今日は2マンライブということでいつも以上に気合いを入れて参りました、Luv PARADEです!」

大きな拍手に包まれる中、「もっとちょうだい」と煽っていくTAKAが、東名阪ワンマンツアー『Tour PANDEMONIUM』の決定を告知すると、フロアから思わず歓喜の声が漏れる。

「マニア(D’ESPAIRSRAYファンの呼称)いるかー!!」の煽りで始まった後半戦。グラマラスなダンスチューン、D’ESPAIRSRAYLOVE IS DEAD」、ヘヴィリフと解放的なサビが襲い掛かる、the UnderneathBITE THE BULLET」と、楽器3人とTAKAの絆を確かめるアッパーなナンバーを畳みかけ、会場のボルテージは最高潮に達する。ラストはD’ESPAIRSRAYMIRROR」。インダストリアルなリズムに合わせてフロント3人が右へ左へとステージ上を縦横無尽に動き回る。ゲストボーカルであるとか、そんなことを感じさせない一体となったアグレッシヴなロックバンドのステージを魅せつけ、4人はステージを降りた。

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アンコールでは、Y2Kリバイバルと共に注目を浴びているアヴリル・ラヴィーン「sk8er boi」を披露。ノリのよいストレートなポップパンクナンバーを、16ビートやブレイクで緩急自在のアンサンブルアレンジに仕上げた妙たる業。本当にどんな音楽であっても、この4人が演奏すればLuv PARADEになることをまざまざと知らしめた。

「初の2マンライブということでセッションなんてしてみようかな?」TAKAの呼び込みでH.U.Gryoがステージに呼び込まれると、横山がケーキを持って登場。今月7日に誕生日を迎えたというKaryuへのバースデーサプライズだ。「こうやって活動できてるのもみなさんのおかげです、ありがとうございます」と、Karyuが感謝の意を述べると、最後の最後にD’ESPAIRSRAYDEATH POINT」が届けられる。TAKAryoの咆哮がせめぎ合い、TSUKASAZEROが重心の低いグルーヴが猛り、前屈みでモニターに足をかける臨戦態勢のKaryuが分厚いディストーションの壁を作っていく。獰猛で美しい重低音を轟かせ、ライブは大団円を迎えた。

TAKAの言葉を借りれば「同じ時代を闘ってきた仲間たち」が集まった熱い夜は終わった。両バンドのサウンドの要であるKaryuが、それぞれのバンドメンバーと別のベクトルで取り組んでいることがありありとわかる2マンであった。両バンドの次の展開も発表され、ますます期待は高まるばかりだ。

(冬将軍)

Photo : 岡本 麻衣(ODD JOB LTD.)

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<セットリスト>

●H.U.G

01. DON’T DOUBT

02. DROP

03. -OKI-

04. Marry of the bloodD’ESPAIRSRAY

05. Flash dancersTAG

06. LOVE THAT NEVER ENDS

07. HUG

08. HEART

●Luv PARADE

01. BAD GUYBillie Eilish

02. ToxicBritney Spears

03. Poker FaceLady Gaga

04. DEVILS’ PARADED’ESPAIRSRAY

05. Hyper BalladBjork

06. LOVE IS DEADD’ESPAIRSRAY

07. BITE THE BULLETthe Underneath

08. MIRRORD’ESPAIRSRAY

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アーカイブ配信中!!

Luv PARADE vs H.U.G STREAMING

ACT:

Luv PARADE [ゲストヴォーカル・TAKA(from defspiral)]

H.U.G [サポートメンバー・Bass NAOKI(FANTASISTA/ex Kagrra,)/Dr.TAKEO(PIERROT/Angelo)]

購入・視聴ページ:

https://parade.zaiko.io/e/akabane1217

配信チケット料金:¥4,000(税込)

チケット販売:~2023年1月16日(月)19:59

アーカイブ視聴期間(最長): 2023年1月16日(月)23:59まで

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Luv PARADE 初の東名阪TOUR

Luv PARADE Tour PANDEMONIUM

★来場者特典:終演後、来場者を対象に特製ミニポスターへのサイン会実施

ゲストヴォーカル:TAKAdefspiral

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202333() OSAKA MUSE

202335()名古屋 SPADE BOX

202338() duo MUSIC EXCHANGE

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スタンディング:7,000(税込/D)

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チケット

Luv PARADEKaryu FC同時先行(抽選)

1228()12:00110()23:59

<一般発売(先着)
128() 10:00

Luv PARADE OFFICIAL SITE

https://parade.bitfan.id

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H.U.G待望の1stワンマンライブが決定!
H.U.G 1st Showcase One-Man Live
SHOWCASE01

2023324日(金)
渋谷Spotify O-WEST

詳細は後日発表いたします。
FC先行販売は20231月を予定しております。

H.U.G OFFICIAL SITE
https://hug.bitfan.id/