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2015年03月30日 (月)


【ライブレポート】「罪を犯した僕を救ってください」。Synk;yetとMessiahたちの作りあげた熱狂と興奮が魂を淨化!<3月26日(木) Synk;yet@TSUTAYA O-WEST>

REPORT - 00:22:12

 3月26日(木)にTSUTAYA O-WESTの舞台に、Synk;yetが立っていた。彼らにとっては3度目となるワンマンの舞台。でも、ここの会場で一つの成果を示すことが、これからのSynk;yetの未来図を描くうえで大切な意味を持っていた。

 

最新シングル『愛憎のファムファタール』を手に行われた、今回のワンマン・ライブ「Expanding Inner Core-THE FINAL-」。場内には、相応の観客たちが詰めかけ、彼らの登場を心待ちにしていた。

ライブは、『愛憎のファムファタール』の冒頭を飾ったセリフが流れると同時にスタート。厳かなSEに乗せ、次々舞台上に姿を表したメンバーたち。高まる歓声!!そして…。
 絶叫にも似た莉希の煽り声。「罪を犯した僕を救ってください」。莉希の言葉を合図に、楽曲は一気に激しく駆けだした。重厚な響きと共に走り出した演奏。『愛憎のファムファタール』が場内に描き出したのは、美しき絶叫の世界。嘆く歌が、心に痛く切ない想いをグサグサと突き刺してゆく。なんて麗しくも気持ち馳せる演奏なんだ。

「Messiah(ファン)たちよ,今宵も踊り狂おうか」。『midNight masquerade』の演奏に乗せ、5人は幻惑かつシンフォニックな宴の空間へMessiahたちを招き入れた。「盛大に揺らそうか」。メンバーらの煽りに合わせ、踊り狂うというよりは、高揚した感情のままに暴れ続けてゆく観客たち。重厚ながらもドラマ性を持った演奏が、身体中の血液をどんどん逆流させていく。緩急描いたドラマは、会場を熱狂の宴の場に染めあげていた。
演奏は、一気に駆けだした。轟きだした『インナーチャイルド』。誰もが理性を投げ捨て、思いきり頭振り続けてゆく。Synk;yetが連れ出したのは、奈落の底で熱に犯されゆく感覚?!。気持ちを熱く掻きむしる演奏へ、どんどん頭が白く透明になってゆく気分だ!!

ヒステリカルでサイコティックな演奏が破裂した。莉希の煽りに頭振り乱し、絶叫で応えてゆく観客たち。重く激しく轟き渡る『タルペイアの崖』が熱狂に拍車をかけてゆく。理性なんて言葉は忘却へ捨ててしまった気分??。黒い熱狂が身体を揺さぶらずにいれない。それが今の確かな答えだ。
「もっとお前のすべてを開放しろっ!!」。何度も何度も叫び続けてゆく莉希。高揚しながらも張りつめた空気。流れ出したのが、ドラマチックな恍惚の物語導き出す『Transitional Insanity』だ。哀切さを持った歌に絡み合う疾走高揚してゆく演奏。その旋律の数々が、気持ちを嬉しい興奮へと連れ出していた。暴れながらも歌に酔ってゆく。その甘美なドラマが、たまらなく愛おしい。

 今のSynk;yetの軸を成すテーマ「罪と狂気」。許し乞い、祈りを捧げるように莉希が歌いだした。罪を乞う姿を煽るよう轟き出した演奏。魂の奥底から込み上げる嗚咽にも似た莉希の想いを、Synk;yetは『Cross of sin』を通し、躍動した熱狂にと様変えていた。痛い激しさ?。でも同時にそれは、忘れたくない痛みを、触れた人たちの身に、心にと刻んでゆく。その痛みに恍惚を覚えるのも果たして罪なのだろうか?。みずからの罪を嘆くよう、祈るように歌い叫び続ける莉希。その声は心揺さぶる想いとして、確かに胸へ届いていた。
魂を浄化するように流れ出したシンフォニックな演奏。雄大さ抱きながらも躍動してゆく『Sacred Symphony』だ。高ぶり続ける嘆きの歌声。その調べに身を預けているうちに、何時しか大勢の人たちが莉希の嘆く歌声に共鳴の手を差し伸べていた。
客席中の人たちが、手にしたタオルを頭上高く振りまわしだした。気持ち高揚させる歌に熱狂した『Psychotic Mechanism』だ。歌に酔ってゆく感覚??。誰もがタオルを振りまわしながら場内を左右に駆け続けていた。

「ここに集いしMessiahたちよ、何も見えない夜空に祈りを捧げよ」。舞台中を覆った白いスモーク。ステージの上で荒れ狂うメンバーらへ傾づくように、ヘドバンや逆ダイをしながら暴れることで想いを捧げてゆくMessiahたち。『Fake Out』が作りあげた、感情と感情とを戦わせあう戦いの風景。止まぬ肉弾戦にも似たバトルが生み出した熱狂は、場内の温度を一気に上昇させていた。
「始まりがあれば終わりがある。だからこそ、この長いようで短い時間を、僕とお前たちと共に手を取り合い、意味のある一日にしよう。人の始まりから終わり、その人生を書いた曲です」。それまでの熱狂から一転、静かに、厳かに演奏が流れだした。莉希の歓喜した歌声に呼応するよう、優しく、美しく広がり出した哀切な音色の波紋。人の生涯を、影を背負った浪漫な様へと変え、歌い紡いだ『finale…』。歌に込めた想いを、その場にいる人たちの心へ、優しい想いを通して届けてゆく莉希。歌に気持ちが抱かれてゆく感覚??。そんな温かい温もりを、Synk;yetの演奏に確かに感じていた。なんて心洗われる演奏なんだろう。俐乃の奏でるピアノの旋律も、胸にとても心地好かった。

「今日というこの素晴らしい一日は、もうすぐ終わりを告げてしまうけれど、ここにいるMessiahは、僕たちのことを最後の一分一秒一瞬まで全力で愛してください」
歓喜した歌始まりの『夢人達の旋律』が場内を駆けだした。とても美しさを持った、でもそこには、確かに気持ちを高揚させてゆく熱が満ちていた。Synk;yetの演奏が、Messiahたちの心に光を降り注いでゆく。熱狂と同時に、そこには確かな輝きが放たれていた。
歓喜に浄化されてゆく感情。ドクッドクッと響く心臓の音。「内なる鼓動が聴こえてくる。生命を司るこの鼓動が人の運命を、転生をもたらす。Messiahたちは、罪を犯した僕へ静かな祈りを捧げてください」。祈るように、でも華麗なドラマを抱きながら、麗しき演奏が天へと駆けだした。なんて美しく、とても気持ちを優しく昂らせてゆく歌なんだろう。想い乞うように言葉を紡ぐ莉希。シンフォニックな音色に抱かれた『Silent Prayer』が作り上げた、嘆いた祈りの物語。まさにSynk;yetの真骨頂とも言える世界観が、そこには、熱狂と恍惚と一緒に広がっていた。間奏で響いたツインギターの旋律は、祈りを持って心を天(そら)へと誘い、浄化してゆくような調べにも感じていた。

舞台上のメンバーも、客席も中の人たちも大きく頭を振り出した。重い嘆きの様相呈した『RIPRequiescat in Pace』が流れだした。大きな美しいウネリの中、ゆっくりと気持ち溺れてゆくように、ゆったり麗美に揺れる音の唸りの中へ、誰もが身や心を堕としていた。まるで、少しずつ痛みがその身から剥がれてゆくように…。
狂乱と恍惚の宴は終盤へ。「思いきりブッ壊れていこうぜ!!」。一気に猛り狂った演奏。すべての熱狂と狂騒を呑み込むよう。これまで以上の大きな唸りを持って『Unlimited Crucio』が流れてきた。誰もがメンバーへと大きく身体揺らし傾づき、あらん限りの想いと熱を舞台上へぶつけていた。ともに熱狂という罪を分かちあうとは、この暴れ狂った様を言うのかも知れない。永遠に続くかのような、感情と肉体をぶつけあう煽りの風景。有らん限りの力をぶつけあうことで生まれたのは、理性を超越し野生になった感情剥き出しな姿。でも、それが人としての本質なら、まさに彼らは、Messiahたちの本心さえも導き出したと言えようか。
本編最後を飾ったのは、剥き出しの痛みと嘆きのメロディ、そして躍動する激しさを持って観客たちの感情を熱く煽動させてゆく『Fatal lovers-after story-』だ。歌に酔いながらも、身体は熱狂の渦の中へ溺れてゆく。放熱した身体は、『Fatal lovers-after story-』の歌の持つ美しき紅葉の調べにギュッと抱きしめられては、嬉しい恍惚な気持ちに酔い続けていた。

 

アンコールの幕開けは、唯依葉のメタリックでメロディナスなギターの旋律から始まった『[Re]_birth』だ。歌を軸に据えながらも疾走してゆく演奏が、ふたたび身体中に熱狂促すアドレナリンを注いでいった。場内中で大きく揺れ続けた手の花。間奏では、思いきり頭振り狂ってゆく様も。歌に気持ち掻き立てられつつも、会場には、またも熱い空気が張り出していた。
「拳を掲げろ!」。シンフォニックな鋼の演奏が轟き出した。緩急と振幅を効かせた『An die Freude』が、魂と肉体に熱いエナジーを注ぎ込んでゆく。胸掻きむしる高ぶりが止まらない。熱く火照る感情をぶつけずにはいれない。魂の高揚は、ふたたび絶頂を求め出していた。
最後を飾ったのは、Synk;yetの始まりの歌でもあり、彼ら自身が未来へ歩んでいくうえで欠かせぬテーマを刻んだ『Messiah』だ。「救いの光を与えてください」。渦巻いた黒い感情をすべて浄化してゆくように、『Messiah』が会場中を心地好い熱狂で包んでゆく。哀切さを持った歌に歓喜し、荒ぶる演奏に感情が高揚しながら、誰もが歓喜の歌に嬉しく溺れていた。その表情は、救いを得た幸せに満ちた顔そのものだった。

冒頭「僕を救ってくれませんか」と莉希は語りかけてきたが、むしろ会場の人たちがSynk;yetのメンバーらのステージングに魂を救われ、最後は、笑顔の花を心に咲かせてもらえていた気分。その嬉しい感動があるからこそ、また彼らのライブに足を運びたくなる。笑顔で魂救ってくれてありがとう。

 

今後のSynk;yetだが、このたびStarwave Records内に生まれた新レーベル「GLENDIA」へ所属することが決定。その第一弾作品であり、Synk;yetにとっては通算5枚目となるシングル『自責ノ園』を、8月26日に5Type発売することが決定した。さらに9月からは、7大都市ワマンツアー「心中ノ園」を開催。ファイナルは、10月23日に新宿ReNYで行うことが発表された。他にも、4月からは全国13都市「主催ツアー」も開催。これからさらに勢いをつけ、Synk;yetはこのシーンの中で暴れていくことは間違いない。ぜひ彼らへ、熱い視線を注ぎ続けてくれ。

TEXT:長澤智典

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★情報
■Synk;yet 7大都市単独公演『心中ノ園』

 

9月1日 (火) 浦和Narciss
9月4日(金)名古屋車道 CLUB 3STAR
9月5日(土)心斎橋Club ALIVE!
9月7日(月)福岡DRUM SON
9月18日(金)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
9月19日(土)仙台space Zero

-THE FINAL-
10月23日(金)新宿ReNY

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■Synk;yet 5th SINGLE
2015年8月5日(水)発売『自責ノ園』

【収録曲】
1 自責ノ園
2 青い忘却

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――セットリスト――
『愛憎のファムファタール』
『midNight masquerade』
『インナーチャイルド』
『タルペイアの崖』
『Transitional Insanity』
『Cross of sin』
『Sacred Symphony』
『Psychotic Mechanism』
『Fake Out』
『finale…』
『夢人達の旋律』
『Silent Prayer』
『R.I.P.~Requiescat in Pace~』
『Unlimited Crucio』
『Fatal lovers-after story-』

『[Re]_birth』
『An die Freude』
『Messiah』

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★Synk;yet Web★
http://synkyet.com/