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2015年11月07日 (土)


【ライブレポート】★THE MICRO HEAD 4N’S★tour 2015「STARTLING EFFECTS -tryout-」2015.10.10 SHIBUYA CHELSEA HOTEL

REPORT - 19:43:50

 変化を恐れず挑戦し続ける稀代のバンド、THE MICRO HEAD 4N’S(マイクロヘッドフォンズ)。
結成4周年前夜の8月23日、ワンマンツアー「A BEGINNING FROM THE END. -Endroll-」のツアーファイナルで、ヴォーカルのRickyがバンドを離脱、ex-A(エース)のNimoを新たに迎えることになったのは、記録に新しい。

 tour 2015「STARTLING EFFECTS -tryout-」初日公演は、Nimo加入後初のライヴとあって、瞬く間にソールドアウト。マイフォの<終わり無き旅 第三章>の幕開けを目撃しようと、会場には早い時間からマイクローンが結集。Rickyがバンドに贈ったはなむけの花を見つけ、うれしそうに写真を撮るファンも多い。

 新体制となったバンドがどんなライヴを見せてくれるのか、新たなケミストリーは生まれ得るのか、期待に胸を膨らませながら開演を待っていると、ついにSEが会場に響きだす。これまでとは異なるサウンドに戸惑い、しばらくは様子見をしているのか、フロアには静けさが広がる。ステージに緑の照明が差し、SEが聴き覚えのある音に変化しだすと、メンバーの名を呼ぶ声がフロアから上がり始めた。新ヴォーカル、Nimoのコールも次々に飛び出す。

 TSUKASA(Dr)、kazuya(G)、ZERO(B)、SHUN.(G,DJ)の4人が、差し色の赤が効いている黒を基調とした新衣装でステージに登場。割れんばかりの大歓声がわく。最後にステージに現れたNimoがゆっくりと大きく、左右に腕を広げると、ダンサブルなビートと共に新曲“SCANDALOUS”(仮)が炸裂。お立ち台に上ったNimoが観客を煽りまくり、初めて聴いた曲にもかかわらず、誰もが「オーオーオーオーオーオーオー♪」とコーラスを一緒に歌い出す。
 のっけから披露されたアグレッシヴな新曲に驚くヒマもなく、“SEVENTH COLOR”(仮)がスタート。疾走感あふれる楽曲にマイクローンは驚喜。客席から一気に拳が突き上げられる。さわやかな新曲に続いたのは、またも新曲の“unknown”(仮)。TSUKASAの激しいドラミングに合わせてZEROが頭を振り乱す。kazuyaとSHUN.のツインギター組による掛け合いが絶妙なダークで呪術的なナンバーは、後半、美麗に変化。劇的な展開にぐいぐい引き込まれていく。

 立て続けにぶちかまされた新曲を3曲に、ゼロからのスタートを切る覚悟を決めたバンドの並々ならぬ意気込みを感ぜずにはいられない。新生マイフォにマイクローンたちは盛大な拍手を贈り、お気に入りのメンバーの名前をコール。ステージが少し明るくなり、最初のMCが始まった。

 「THE MICRO HEAD 4N’S第三章、始まりの夜にようこそ!」と、笑顏のNimoがフロアにひしめく観客へ語りかける。「これまでいろいろあったんですけど、今日という日を迎えられてうれしく思っています。ね、SHUN.さん!」と、早くも話をフラれたSHUN.は「今までずっと観てくれていた方も、今日初めて来てくれた新しいマイクローンも、みんな盛り上がってますか? 新曲、かっこいいだろう!?」とうれしそうだ。

 どちらがより緊張しているか、ふたりで競い合った(?)あと、Nimoは一息つき、「このセリフ、今日まで言わずにとってきました。一緒に言ってもいいですか? HELLO MY CLONE!!」と、マイフォの代表曲“HELLO MY CLONE”に突入。テンポを少し抑えた新アレンジに、ねっとりとしたNimoの美声が絡みつく。続く“WHITE SOUL”は、これまで以上にエレクトロなアレンジが新鮮だ。“慟哭のGYPSY”ではマイクローンたちが激しく体を折りたたみ、会場の温度がぐんぐん上がっていく。

 それにしても、暑い。ステージ上は尚のことだろう。SHUN.が衣装を脱ぎだすと、「オレも脱ぎたいです」とNimo。「…好きにしろよ」「えっ、そんな感じスか?」と、先輩たちの動向を探る姿が微笑ましい。「蓋を開けてみないとわかんなくて手探りだったけど、やっぱり楽しいな! そんなTHE MICRO HEAD 4N’Sに変化が生まれました。ドラムを叩いている人が、お兄さんぶるんですよ。曲の同期出しはいつもTSUKASAがやってるんだけど、Nimoに“ハロー・マ~イクロ~ン!!”と言ったらポチッと押すからとか教えていて、でもリハでやったらなんか違うなあって(笑)。“I Surrender”の頭で言う“Dance with Me!”のところも、ここはNimoくん、イヤラシイ感じでって説明してたから、たぶんイヤラシイよ」とSHUN.が続け、ライヴ後半戦に向けてNimoの緊張をほぐしていく。

 マイクがNimoに戻り、「じゃあ、今日は最後まで楽しんでいってください。今度は僕がパラサイトしてやる…!!」と、“PARASITIC EMOTION”がスタート。Nimoが大きく手拍子すると、マイクローンたちがそれに続き、会場が再びヒートアップ。「もっともっと、落ちていこうぜ…」と始まった“PRISONER”ではマイクローンが一気に跳び、フロアが揺れるのを感じる。“BREAKING & SHOUT OUT!!!!!”では、NimoとZEROのふたりがお立ち台に上がり、もっと声出せよとファンをけしかけていく。その勢いのまま、「全員、拳を上げろ!」と“MONSTER’S ROAR”へ流れ込む。ステージもフロアもヘドバンとジャンプの応酬で、今にも床が抜けそうだ。

 怒涛の勢いで4曲をぶちかまし、再びMCへ。「ヴォーカルを探していたSHUN.さんを知り合いに紹介してもらったのが、このバンドに入ったきっかけでした。僕は昔、海賊をやってたんですけど(笑)、今は陸に降り、ソロでカヴァー・アルバムを出したことで、自分の中では音楽に区切りがついていた。声をかけてもらったのは、スーツを着て、リクナビに登録しようと思っていたときだったんです。中途半端な気持ちでバンドを始めるのもよくないし、でもちょっとメンバーに会ってくれないかと言われて喫茶店に行ったら、kazuyaさんが直球で来た。なにを言われても1回は持ってかえって、お母さんに相談しようと思ってたんだけど(笑)、kazuyaさんがまっすぐな目で誘ってくれて、こんな直球を投げてくれる人、今後いないなと思って、この人に1回持ってかえりますとは言えない、これは振りきってやろう、空振っても思い切りふろうと思って、加入を決めました」というNimoに、マイクローンたちが熱い声援を贈る。

 「これからどんどん攻めて、みんなで最高の景色を作っていきたい!」という力強い言葉に、フロアから一斉に拳が上がり、本編最後の“フォトグラフ”へ。左右に大きく振られる何百もの手と共に、マイフォ第三章の新しい景色が形作られ、会場全体に広がっていくさまは壮観だった。生まれ変わったバンドと共に、これからも最高の景色を作っていこうと、心に決めたファンも多かったことだろう。

 熱烈なアンコールを受けて、メンバーがツアーTシャツ姿で再登場。SHUN.が進行役になり、メンバーひとりひとりに話を振っていく。TSUKASAは「感極まってますか? Nimoくん、バンドに入ってくれてありがとうございます。実はひとつ、感動したことがあります。喉の調子が悪いと携帯の連絡網に入れたら、Nimoくんが喉に良い食べ物とか教えてくれて、兄貴を思ってくれたのかなあー、それですぐに卵を飲んでね。あと、のどちんこにシュッて、しゅわーっとミストで声帯を潤してくれるのを教えてくれたんです」と、弟ができた喜びを語る。
 ベースの暴れん坊と紹介されたZEROは、「今日、はじめましての人もいるよね。初めての人、手を上げて。なかなかの対応力だよね、意外とついてきてるなと思って。さっきのMC、“今度はオレがパラサイトしてやるぜ”のところ、笑うところじゃねぇからな。まあ、笑うよなとオレも思ったけど…」と、Nimoをいじる。また、1曲目でNimoがタオルを回すのを忘れたことも暴露。自らデザインしたツアーグッズの宣伝もしたところで、話はリーダーのkazuyaへ。

 「最近の僕のストレスは、飲んでるとオネエっぽいと言われることです。ニコニコしてるけど、実はムカついてます(笑)。Rickyの脱退で、もうこのバンドを辞めるという話もあったけど、続けたいという気持ちを伝えたらみんな賛成してくれて、新しいメンバーも見つかった。ライヴはまだまだのところもあるだろうけど、みんなで成長していければと思っているので、応援よろしくちゃん!」というシンプルながらも熱い言葉に、マイクローンが大きな拍手を贈る。

 「いろんなことをみんなと一緒に残していければいいなと思います。フルスルットルで、これからもよろしくお願いします!!」とNimoがMCを締め、アンコールの“REVERBERATIONS”へ。新アレンジに合わせてNimoが舞い、マイクローンたちが跳びまくる一方で、前方に踊り出てきたZEROが「おまえら全員、後ろ向け! 最高のヘドバンの後ろ姿を見せてくれ!」と煽り、定番の後ろ向きヘドバンが巻き起こる。続いて、「もっともっと行こうぜ! タオル、使ってもいいか? もう忘れねぇぜ! Dance with Me!!」と“I surrender”が炸裂。会場がダンスフロアと化する。もうもうと沸き立つ熱気の中、タオルを振り回すマイクローンたちはみんな笑顏で楽しそうだ。

 このままアンコールラストに入るかと思いきや、「次にやる曲なんですけど、さっきZEROさんに指摘されたとおり、緊張のあまり1曲目からタオルを回すのを忘れました。というわけで、みんなにもレクチャーしますね。曲が始まったらまず手拍子して、次にタオルを手にして、サビでどんどん回してもらえれば大丈夫です。一緒に暴れてってくれますか? しっかり回してくれよ!」と、オープニングに披露した新曲“SCANDALOUS”(仮)を再度プレイ。レクチャーの甲斐あって、マイクローンたちの振りも完璧だ。そして最後に待ちかまえていたのが、“Curtain Call”。ザクザク切り込んでくる、従来より速いテンポ感が秀逸で、この日最高の盛り上がりに。それだけに、曲が終わっても歓声が一切鳴り止まない。「ありがとう! これからも全力で楽しませてやるから、覚悟しとけよ! しっかりついてこいよ!!」と、Nimoがファンにメッセージを贈り、バンドはステージを後にする。

 客電がつき、冒頭に流れていたSEが始まるが、ダブルアンコールを求める声が次々と上がったため、メンバーが再び姿を現す。「ありがとうございます。2回もアンコールをいただけるなんて、感極まっております! おにいちゃん、使っちゃいました!!」とNimo。会場は爆笑に。「最後にしっとりとした曲を届けたいと思います」というSHUN.のお約束の振りで、最もしっとりしていない曲のひとつであるライヴの定番曲“MONSTER’S ROAR”が炸裂。頭を振り乱す人、体を激しく折りたたむ人、叫びまくる人が入り乱れ、フロアはカオス状態に。Nimo、KAZUYA、SHUN.、ZEROも、頭がもげんばかりにヘドバンで応酬。新ツアー「STARTLING EFFECTS -tryout-」の成功を約束したような、フロアとステージが完全に一体化した見事な景色を望める、最高のエンディングとなった。

 こうして、新曲3曲に加え、新アレンジを多数披露するという大胆極まりない攻めの姿勢で新体制をスタートさせたTHE MICRO HEAD 4N’S。今後、Crazy Monsters他、イベント出演が目白押しで、ニューシングルのリリースも予定されている。11月19日名古屋、11月20日大阪、12月15日東京で行われる「STARTLING EFFECTS -tryout-」ワンマンツアー公演では、曲数限定でステージの写真/動画を撮影可能という、バンドからのビッグプレゼントもある。日々進化するバンドの今しかない一瞬を目に焼き付け、カメラに収める、またとないこのチャンスを、逃す手はない。今回と同じ会場で大晦日の夜に開催される、THE MICRO HEAD 4N’S COUNT DOWN LIVEにも注目だ。

 

 

★THE MICRO HEAD 4N’S★

http://themicrohead4ns.jp/