2016年01月28日 (木)
【※びじゅなびオリジナルライブレポート※】LIPHLICH単独公演ツアー ウロボロス-尾-:2016年1月24日(日)赤坂BLITZ
REPORT - 21:00:30
●LIPHLICH単独公演ツアー ウロボロス–尾–
2016年1月24日(日)赤坂BLITZ
日本列島を大寒波が襲ったこの日、赤坂BLITZにてLIPHLICHの単独公演が開催された。ドラマーの脱退から約一ヶ月。その姿をどのように変化させ、見せてくれるのか。ほのかな緊張と期待感を抱いて、場内へ入る。
やはりファンも同じ気持ちだったのではないだろうか。一見なごやかに、しかしその目は「LIPHLICH」と大きくバンド名が記されたステージ上のスクリーンを、これから何が起こるのか、ドキドキと見守っていたように見えた。
SEが高らかに鳴り響き、ゆっくりと照明が落とされる。真っ暗闇のステージにスポットが照らされると、そこには既にメンバー3人の姿があった。
「今日、1月24日からLIPHLICHにドラマーとして小林孝聡(こばやしたかあき)が加入する事になりました。ライブの終わりに言うかどうか、というのも少し考えたんですが。やはり一番最初に今日という日を4人のLIPHLICHとして皆さんに見て楽しんで帰って頂きたいので、最初に発表しようと思いました。
今日、1月24日から僕らLIPHLICHはこの4人で、どこまでも飛んで行こうと思います。そして、今日から始まる「ウロボロス–蛇であれ 尾を喰らえ–」、この曲から始めさせて頂きたいと思います。──“夜間避行”。」
スクリーンは真っ赤なバックに時間がカウントされている。伸びやかな久我新悟(Vo)の声が浮遊感と共に会場を包み込むと、LIPHLICHという生き物が夜空へと羽を羽ばたかせて飛び立ってゆくようだ。まるで飛んでいるかのように、両手を広げて歌う久我。
曲が終わると同時に、カウントがぴったり4:44を表示する。低音が響いてスタートしたのは「うねり」。定位置にいたドラム以外の3人が、和服の裾と袖を翻しながら踊り、奏でる。3曲目の「ウロボロス」はパワフルなロックチューン。重厚感のあるドラミングに、オーディエンスも拳で応戦する。
「全12曲、すべてが新曲のアルバムはまだ出ていないのですが(発売は2月10日)、皆様一人一人に新しいLIPHLICHの世界をどっぷりと楽しんで頂きたいと思います。是非今夜は楽しんでいって下さい!」
そう、しょっぱなにプレイされた「夜間避行」を除き、「うねり」から終盤までの12曲全てが新作からの新曲、という事になる。
「露天商通りの道理」は、レトロな空気感と体を動かさずにはいられないグルーヴが絶妙な1曲。ハッとするようなエッジのきいたフレーズ、生声でのカウント、小林孝聡(Dr)は新加入とは思えないほど馴染んで、生き生きとプレイしているのが印象的だ。フロアの熱も徐々に上がってゆくのがわかる。
「次は皆さんの声を頂きましょう!ブリッツ!」
「slow virus infection」ではLIPHLICH流のヘヴィネスにドキドキさせられ、続く「RACE」では点滅する照明に鐘の音、デンジャラスなハード感に鼓動が早くなる。
一転して哀愁たっぷりのアコースティックギターの音色が降ってくる。始まったのはドラマティックな「一輪」。新井崇之(Gt)のギターは変幻自在に、たくさんの表情を惜しげも無く見せてくれる。ここでは、なめらかで情感たっぷりのフレーズを披露、ステージに大きな極彩色の花を咲かせてみせた。
久我「活動して6年目に入っていますが、最近良く思うんです。LIPHLICHをやっているという事は、僕の人生からすればその年月というのは半分にも満たないんですが…それでも今、自分がこうやって一日一日、生きてライブをして、音を作ってライブをして、という繰り返しをしているっていう事自体が、まごう事なき自分の人生だなって思っていて。そこからそういう…人生は旅のようなものだなあ、という思いを込めて作った1曲を次に送りたいと思います。」
ここで披露されたのは「旅」。
久我はアコギを手にし、新井のロックンロールなフレーズが溢れ出す。まるでアメリカ映画のワンシーンを思い起こさせるようなメロディと、4人の音の融合が心地良く響く。
跳ねるリズムが体を熱くさせる「シャルルの憂鬱」、フロアを一斉にジャンプさせた「GOSH!」。
そして「不条理、痛快、蛇の歌意」が始まると、色とりどりのライティングが場内を包む。ステージの端から端まで、その色気を存分に振り撒く久我。コールアンドレスポンスと共に、長い帯をたなびかせてダイナミックなフレーズをはじき出す進藤渉(Ba)。その振る舞い、一つ一つの挙動の美しさに目を奪われるが、もちろんそのベースプレイも極上だ。
「次にお送りする曲は、凄く僕にとって大事な曲になるだろうな、って思っています。このライブとアルバムのテーマにしている「ウロボロス」っていうのは、一匹の蛇が自分の尻尾を飲み込んで、ひとつの円になっている象徴的な図の事を指すのですが、そこには「破壊と創造」とか、もしくは永遠に回り続ける永続性とか無限ループとか、そういったいろんな意味が込められているんですね。
その中で僕も一日一日、例えば今日に至るまでの繰り返しがあって、みんなもそれぞれしょうもない日もあれば、楽しい日もあるだろうし。そういう繰り返しを僕らは生きている限り、やめられないんですよね。それをLIPHLICHっていうものに対しても僕は凄く感じていて。しょうもない一日もあれば、反対に今日みたいにとても多幸感に溢れる一日があったり。そんな風に、これからも永遠にLIPHLICHが続いていって欲しい、という願いを込めて作った曲です。」
こんな前置きと共にミラーボールが輝き、ふんわりと優しいイントロからスタートした「リインカーネーション」。そのMCの内容に沿うように、柔らかな幸福感が生み出されてゆく。様々な繰り返しを重ねてLIPHLICHは続いてゆくだろう、きっとそうに違いない。そんな安心感さえもたらすメロディが場内を、身体を、包み込む。
そして次に披露された、早く激しく、攻撃的なLIPHLICHを存分に突きつけた「SHOW MUST GO ON」で、「蛇であれ 尾を喰らえ」からのメニューはいったん終了する。
MCで久我は「3人+“手伝ってくれる人”でワンマンの本編をやり、アンコールで加入発表をするのは違うなと思った。」と伝え、「LIPHLICHの60曲程の全曲を叩けるようになって来てくれた小林孝聡は、尊敬出来るドラマーです。」とも語った。
4人のLIPHLICH、ここからはいよいよ慣れ親しんだ楽曲達が投下される。
ロックテイスト全開チューンの「SEX PUPPET ROCK’N’DOLL」が始まると、拳が上がり、フロアの熱が一気に沸騰する。「G a Grolia Be Bee Bamboo oh Yes!」のオーディエンスとのかけあいは、もうすっかりお馴染み。跳ねてブリッツを揺らした「グロリアーバンブー」。
フロア中がヘドバンの嵐となった「フェデリコ9」。休む間もなくて手を回してあげて跳ね続けるファン。
「ラスト!!!」高速リズムでスタートした「MANIC PIXIE」に、場内はカオス、ステージ上のメンバーはやりたい放題。久我は、ステッキをまるで指揮棒のように振り回して舞台を闊歩していた。まるで映画俳優のように。
──止まないアンコールの声。キュートなSEと共に、ゆっくりとステージに登場したのは進藤 渉。
「アンコールありがとう。小林孝聡が加入した記念の日。その日を汚すSHOWをします。」
不敵な笑みと共に、手にした大扇子をその身体の前に広げて隠し、SEに合わせて舞い、衣装の着物を少しづつ脱いでゆく。
「私はこれから本領発揮。最後まで楽しんでいってね。」
優しい声でそう告げると、その脚線美へファンの目を釘付けにさせながら、一瞬ステージから消える。再度ステージ袖から踊りながら登場した進藤は、とてつもなくスレンダーな黒い衣装を纏っていた…その手足のなんと長く美しい事か!胸元を客席に向かって開けてみせると、会場からは悲鳴のような歓声が上がる。
メンバー全員が新衣装で登場し、今回の全てのテーマもある「ウロボロス」を再度プレイ。そして「今日のラストはやっぱり、僕らの“人生というSHOW”は永遠に終わらない、という意味を込めて。」という久我の言葉と共に「SHOW MUST GO ON」を再投下。フロア中に拳が上がり、メンバーとオーディエンスの放出した熱が赤坂BLITZを震わせた。
「今日はどうもありがとう。2年前に絶対に解散はしないって宣言したこのステージには、特別な思い入れがあります。ここをスタートとして2016年、これからもよろしくお願いします!」
そんな挨拶と共に一度は捌けたメンバーだったが、これでもかと続くアンコールの声に再び応える。
「何も決めてなかったけど、やりたくなったのでやります!」
セットリストには無いアンコール。
「今日は本当にどうもありがとう。」始まった曲は「夜間避行」。
この日の1曲目に既に披露されていた楽曲だが、そのスタート時とは全く印象が違っていた。
再プレイされた「SHOW MUST GO ON」でも感じたが、同じ曲をなぞるようなパフォーマンスを、彼等は一切しない。
その瞬間瞬間を、LIPHLICHはちゃんと「生きて」いるのだ。
艶やかさと剛健さを備え、生身の体温の熱さを感じさせるロックバンドであると同時に、気さくでラフな表情も飾らずに見せる大らかさも持ち合わせ──そして更に力強く生まれ変わったLIPHLICH。
「バンドは生き物だ」とは良く言われるが、正に“LIPHLICH”という名の生き物がその音と共に見せたロックショウは、息つく間もなく、飽きさせる事もなく、濃密濃厚なショウであった。
アルコールなど摂取していないのに、ほろ酔い気分にさせられた一夜。
ここから、久我新悟・新井崇之・進藤渉・小林孝聡の4名で生成された“LIPHLICH”が大空へと飛び立った夜となった。
TEXT:びじゅなび
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●OFFICIAL WEB
■2016年2月10日(水)RELEASE「蛇であれ 尾を喰らえ」Type A DVD収録「ウロボロス」MV フル公開!■
■2016年2月10日(水)RELEASE「蛇であれ 尾を喰らえ」より、Type B DVD収録「不条理、痛快、蛇の歌意」MV SPOT公開!■
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□■□■□■RELEASE情報■□■□■□
2016年2月10日(水)RELEASE
NEW ALBUM『蛇であれ 尾を喰らえ』
『蛇であれ 尾を喰らえ』(TypeA/DVD+CD)
【CD収録曲】
1.うねり
2.ウロボロス
3.slow virus infection
4.露店商通りの道理
5.一輪
6.GOSH!
7.不条理、痛快、蛇の歌意
8.旅
9.シャルルの憂鬱
10.RACE
11.リインカーネーション
12.SHOW MUST GO ON
【DVD】
ウロボロスMUSIC VIDEO
【価格】¥3,000(税別)
[品番]MSLP-031
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『蛇であれ 尾を喰らえ』(TypeB/DVD+CD)
【CD収録曲】
1.うねり
2.ウロボロス
3.slow virus infection
4.露店商通りの道理
5.一輪
6.GOSH!
7.不条理、痛快、蛇の歌意
8.旅
9.シャルルの憂鬱
10.RACE
11.リインカーネーション
12.SHOW MUST GO ON
【DVD】
不条理、痛快、蛇の歌意MUSIC VIDEO
【価格】¥3,000(税別)
[品番]MSLP-032
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『蛇であれ 尾を喰らえ』(TypeC/CD Only)
【CD収録曲】
1.うねり
2.ウロボロス
3.slow virus infection
4.露店商通りの道理
5.一輪
6.GOSH!
7.不条理、痛快、蛇の歌意
8.旅
9.シャルルの憂鬱
10.RACE
11.リインカーネーション
12.SHOW MUST GO ON
[Bonus Track]
13.SKAM LIFE
14.聖俗街
15.7 Die Deo
【価格】¥2,000(税別)
[品番]MSLP-033
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□■□■□■OTHER ONEMAN■□■□■□
LIPHLICH単独公演ツアー ウロボロス–蛇であれ 尾を喰らえ–
2月13日(土)横浜BAYSIS
2月14日(日宇都宮HEVENSROCK
2月20日(土)千葉LOOK
2月21日(日)浦和ナルシス
2月27日(土)大阪RUIDO
2月28日(日)神戸VARIT
3月5日(土)京都MUSE
3月6日(日)名古屋ell.SIZE
3月12日(土)岡山IMAGE
3月14日(月)姫路ベータ
3月19日(土)高崎FLEEAZ
3月20日(日)仙台HOOK
3月26日(土)福岡DRUMSON
3月27日(日)広島Cave-Be
開場17:00 開演17:30
前売り4000円 当日4500円
[プレイガイド]
チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスにて発売中
(問)
横浜/宇都宮/千葉/浦和/高崎:DISK GARAGE 050-5533-0888
大阪/神戸/京都/姫路:夢番地大阪 06-6341-3525
岡山/広島:夢番地広島 082-249-3571
仙台:GIP 022-222-9999
福岡:BEA 092-712-4221
名古屋:キョードー東海 052-972-7466
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LIPHLICH単独公演ツアー ウロボロス–頭–
2016年4月2日(日)川崎CLUB CITTA’
開場16:45 開演17:30
前売り4500円 当日5000円
[プレイガイド]
チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスにて発売中
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
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□■□■□■OTHER ONEMAN■□■□■□
2016年8月2日(火)TSUTAYA O-WEST
進藤渉 Produce公演
「ジェンダーフリー」
[CAST]LIPHLICH
OPEN18:00/START18:45
前売 ¥4,000/当日 ¥4,500(D代別)
[プレイガイド]
・先行Aチケット
2016年4月2日(土)川崎CLUB CITTA’
ウロボロス–頭–公演物販ブースにて発売
・Bチケット※調整中
(問)TSUTAYA O-WEST
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□■□■□■イベント情報■□■□■□
■2016年1月30日(土)名古屋SPADE BOX
新春!! スペシャル東名阪ツアー 「仁義なき響宴」
[CAST]LIPHLICH/NoGoD/アルルカン
■2016年1月31日(日)OSAKA MUSE
新春!! スペシャル東名阪ツアー 「仁義なき響宴」
[CAST]LIPHLICH/NoGoD/アルルカン
■2016年2月7日(日)高田馬場PHASE
「This is a 大計画 2」
[CAST]LIPHLICH/えんそく
■2016年2月23日(火)EDGE Ikebukuro
SALIVAN主催 東名阪ツアー 『All of you i trust…』
[CAST]LIPHLICH/SALIVAN/えんそく/ソニックデスモンキー/他
■2016年3月9日(水)新宿ReNY
凛 LAST LIVE 「the end of corruption world」 ~KISAKI 40TH BIRTHDAY EVENT~
[CAST]LIPHLICH/凛/JILS(GUEST)/GOTCHAROCKA/UCHUSENTAI:NOIZ/Jupiter/AvelCain/黒百合と影
■2016年4月24日(日)川崎CLUB CITTA’
百花繚乱~Extravaganza for second bloom~Ver.勿忘草
[CAST]LIPHLICH/えんそく/マイナス人生オーケストラ/乙女国家/THE BLACK SWAN/NoGoD/SEX-ANDROID/heidi./ADAPTER。/Mix Speaker’s,Inc./Bio-造形するバイオ-/ケミカルピクチャーズ/andmore
■2016年5月7日(土)名古屋ell SIZE
百花繚乱~Extravaganza for second bloom~Ver.杜若
[CAST]LIPHLICH/えんそく/マイナス人生オーケストラ/乙女国家/THE BLACK SWAN
■2016年5月22日(日)OSAKA MUSE
百花繚乱~Extravaganza for second bloom~Ver.桜草
[CAST]LIPHLICH/えんそく/マイナス人生オーケストラ/乙女国家/THE BLACK SWAN/The Benjamin
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