2016年06月08日 (水)
【ライブレポート】ギャロ★新音源集『DIAVOLO』発売記念単独公演『THE TOKYO SOLOMON CIRCUS ALDEBARAN-新宿篇-』平成28年05月06日(金)新宿ブレイズ
REPORT - 01:22:42
昨年、アクシデントに見舞われたギャロ。バンドの活動を一時的に止めることもやむを得ない状況だったが、彼らはそのまま活動を継続する道を選び、最新アルバム『DIAVOLO』を完成させ、主催ツアーを始めとした多数のライブも行って、4人編成で先へ進んでいく姿勢を示した。その結果、5月6日に予定されていた【ギャロ新音源集『DIAVOLO』発売記念単独公演】は、レコ発ライブという枠を超えて、新生ギャロのここまでの集大成を見せると同時に、今後の彼らを占う重要なライブとなった。そこで、ギャロはどんなライブを見せることになるのか……期待と不安がない交ぜになった状態で、会場の新宿BLAZEへと足を運んだ。
場内が暗転して重厚なオープニングSEが流れ、ギャロのメンバー達がステージに姿を現した。客席から大歓声が上がる中、SEがアッパーな曲調に変わったのを機に、早くも客席に向けてアグレッシブなシャウトを発するジョジョと、それに熱いリアクションで応えるオーディエンス。続いて、バンドが発する轟音とジョジョの『腹減ったなあああーッ!』という声が響き、ライブは「夢魔-INCUBUS-」から始まった。強い毒気とファンタジックな味わいが混ざり合った曲調と炸裂するようなサウンド、メンバー全員が織りなす激しいステージングにオーディエンスのテンションも一気に高まり、オープニングから客席はヘッドバンギングの嵐と化した。
「夢魔-INCUBUS-」1曲で場内をギャロの世界に染め上げた後は、パンクに通じる“尖り”を放つ「獄魔-ASTAROTH-」や、ダークな「嬲魔-BELIAL-」、ジョジョとカエデのツインボーカルをフィーチュアした高速チューンの「殲魔-ZIZ-」などが相次いで演奏された。艶やかなオーラを発しながら、それぞれの楽曲に合わせて様々な表情を見せるジョジョ。キュートなルックスで笑顔を浮かべているにも拘わらずミステリアスという不思議な雰囲気と、ソリッドなギター・プレイのマッチングが光るワジョウ。内面の感情を露わにしたワイルドなステージングとファットにドライブするベース・サウンドで、オーディエンスを魅了するアンディ。躍動感に溢れたリズムでバンド・サウンドを牽引しつつ、余裕の表情でテクニカル&パワフルなドラミングを決めるカエデ。大きく異なる4つの個性が一つになって生まれる強固なバンド感とタイトなサウンドは実に魅力的で、強くステージに惹き込まれずにいられなかった。
ライブ中盤では、「今日は、いつもと違う試みに挑戦します」というジョジョの言葉に続けて、ジョジョのボーカルとサポート・キーボードのマスクが奏でるピアノのみというスタイルで「姦魔-LEVIATHAN-」と「星屑」を披露。澄んだピアノの音色をバックに全身を振り絞り、訴えかけるように歌うジョジョのボーカルは圧巻だったし、歌とピアノだけのシンプルな形態ながらいろいろな情景が浮かんでくるのも見事。ライブを通して熱い盛り上がりを見せていたオーディエンスもこの時ばかりは息を潜めて、ジョジョの歌に聴き入っていた。
カエデの華やかなドラム・ソロで客席を沸かせた後は、ライブ前半でサポート・ギターを務めたヱンからバトンタッチしたnob.(DADA)とサックスのデヴ、キーボードのマスク、さらに2人の女性ダンサーという面々が登場。ステージを覆うヤバい空気がさらに増した状態で、「東京破廉恥劇場-ヱデン-」と「眠神-HYPNOS-」が演奏された。退廃的な雰囲気のセクシー&ゴージャスなステージは魅力的だったし、“驚くほど濃い人達”の中にあっても強い存在感を発するギャロのメンバーは「すごい!」の一言に尽きる。特に、「眠神-HYPNOS-」で何かに憑依されたように歌うジョジョの姿は観応えがあって、目を奪われずにいられなかった。
オープニングから11曲聴かせたところで、初めてジョジョの正式なMCが入った。「ギャロの単独公演に、ご来場ありがとうございます。本当に感謝しています。今日は楽しむことしか存在しないと思うので、みんなも全身全霊で楽しんでください」と挨拶。続いて演奏された「淫魔-BELPHEGOR-」からライブは後半に入り、「葬魔-LUCIFER-」や「蚯蚓」といったハード・チューンが畳み掛けるようにプレイされた。肉感的なリズム・セクションとキレの良いギター、パワフルなボーカルをフィーチュアしたギャロのサウンドは独自の攻撃性に満ちていて、感情を駆り立てられずにいられない。オーディエンスのボルテージもさらに高まり、場内は膨大なエネルギーが渦巻く状態となった。さらに、本編のラストを飾った「神風型駆逐艦・闇風」では、ジョジョとワジョウ、アンディの3人が客席に降りてオーディンスをアジテートするという型破りのパフォーマンスを展開。場内を大いに熱狂させて、ギャロはステージから去っていった。
バンドにとって大きな節目になる単独公演で、充実感に溢れたライブを披露したギャロ。プレミアム・ライブにふさわしいアイディア豊富な内容も楽しめたが、それ以上にバンド自体の力強さや説得力を随所で見せつけたことが印象的だった。危機を乗り越えたバンドならではの強靭さを身につけたことを実感できただけに、ギャロの次の展開にも大いに期待したい。今回のライブを経て、今後の彼らがさらなるスケールアップを果たすことを確信させられたステージだった。
文◎Takayuki Murakami
写真◎YAMADA(MIYAVI,Inc)
——————————-
平成28年 秋
ギャロ新音源集『LUCIFERO』
発売決定
平成28年07月15日(金)
新宿ルイードK4
ギャロ主催公演
「極東黒社会連合大闘争・四」
※ギャロから御知らせが御座います
平成28年10月25日(火)
池袋エッジ
ギャロ単独公演
『THE TOKYO SOLOMON CIRCUS ANTARES』
★ギャロ★




