2016年08月23日 (火)
ライヴレポート【0.1gの誤算】<2016年8月3日池袋BlackHole【有害だらけのいちご狩り】>自身のスタイルを貫く1stワンマンライヴ
REPORT - 00:32:40
2016年8月3日池袋BlackHoleにて0.1gの誤算1stワンマンライヴ【有害だらけのいちご狩り】が開催された。
公演のチケットはソールドアウト、始動から4ヶ月しか経っていない新人バンドとしては異例のスピードである。
また、メディア露出を一切せずライヴ活動やSNSを中心に口コミにより人気が拡散していることからも彼らの実力が伺える。
思った通り、圧倒するライヴアクトを見せてくれた。
開演前、フロアは既に超満員不安と期待が入り混じったようなピリッとした空気に包まれていた。
照明が落ちいよいよスタートか、とその前にアナウンスが入る。Vo.緑川裕宇がライヴに備えての注意事項を述べる。
そして「暴れない奴は来るな、安心して付いて来い。俺らのやり方が気にくわないならもっとオススメの他のヴィジュアル系バンドさんがいると思います」
と切れ味鋭い一言。彼の歯に衣着せぬ発言は時に議論を呼び、炎上することもしばしば。ただし、そこにはイズムがあり、付いてきてくれるファンに対しては惜しみない愛情が込められている。現に暴れない奴は帰れ!と言いながらもフロア後方には暴れられない理由がある人や音楽を耳で楽しみたい人のためにパーテーションで区切られた「暴れないゾーン」が用意されている事からも気遣いが伺える。
アナウンスが終わり幕が開くと同時にSEが流れ出す。1人づつ登場するメンバーそれぞれの名前を呼ぶファンたちの声がまるでライヴへの期待度に比例しているかのように会場を埋め尽くす。ボルテージは一気に上がっていく中、緑川が登場。
「俺にしか扱えない曲 そしてお前らの歌」と一言語りライヴの火蓋は切って落とされた。一曲目「有害メンヘラドール」はポップな曲調から一転、一気にハードな曲調に変わり、目まぐるしく曲調とBPMが変化し続けるトリッキーな曲だ。こんなに変化が激しければノリについていけないのでは、と思ったがそんな心配は杞憂であった。流石は「有害」ないちごちゃん(ファンの愛称)達、一糸乱れずに付いていく様子はゾクッとさせられる迫力である。とはいえ、メロディラインのキャッチーや歌詞も想いがストレートに届く内容であるため、初めて聞いた人にも受け入れられるように計算された曲作りがされている。その発言から大味なバンドに見られがちではあるが、きちんと音楽的に裏打ちされた実力を有しているバンドだということがはっきりと分かる一曲だ。
一曲目で会場が一体となった所で「ネットで叩きたい奴は叩け、そんな奴らに向けてのアンサーソング」と言い放った次曲「【L】1126【悲劇】」ではDr.神崎流空のタイトかつ攻撃的なドラムソロがステージに華を添える。続く「NEVER ENDING」ではBa.眞崎大輔のセンス溢れるベースラインが非常に映えていた。
そして「他のバンドが言えないことを言う」と始まった『真実』を意味する「Truth」。この曲でも緑川のスタイルを存分に表現している。
そして楽器隊によるセッション、ジャジーな雰囲気になり会場は一旦落ち着きを取り戻す。
「暴れにくい奴がいたら俺に言って、場所を確保するから」とフロアをファンが楽しみやすくする一面も見られた。
世の中に必要ないものはない、というメッセージが込められた「残飯パセリーナ」は会場が座りメンバーに芝居が入るパートがあるユニークな曲だ。
「千年恋歌-五月雨-」は和を前面に押し出した曲で、彼らの曲調の幅広さを見せつけられる。
会場が暗転し緑川裕宇が一言、「声を聞かせろ」と語ると割れんばかりのメンバーコールが続く。
そして「緑川でなく本名の桑山で話します」とトーンダウン。ステージの上の緑川裕宇でなく、素の自分の気持ちを述べたいという意味なのだろう。
桑山裕宇として恥ずかしそうにしながらもワンマンライヴに対しての感謝の気持ちを語った。こういった愛嬌がある一面も彼の魅力なのだろう。
本日の主役Gt.河村友雪へのバースデーソングを歌うと「終わり!で俺戻るから!」と煽りと共に緑川裕宇に変化、激しい煽りと共に「夏らしいことしたくないか!?」と始まったのは発売したてのNew Single「必殺!からくり七変化!」。フロアに降りた緑川を中心に盆踊りとモッシュを繰り返す。会場はさながら夏祭り会場、夏を感じられる自由なパフォーマンスに会場は皆笑顔に包まれていた。「新曲やるぞ!」と始まったのは「【S】0723【終焉】」小柄だが確実な演奏力で楽曲を支えるBa.眞崎、不可思議なキャラクターだがテクニカルなフレーズを得意とするGt.水田魔梨、華やかで流麗なプレイを魅せてくれるGt.河村、そしてセンスあるドラムフレーズをこれぞV系ドラマー!といった激しさで叩きつけるDr.神崎それぞれのソロプレイが映えるアップチューンな一曲だ。
「超有害、だけど超カッコ良い、そんな俺たちどうですか」と始まったのは「こんな僕ら、どうですか?」。緑川裕宇水鉄砲を取り出し撃ちまくり、逆ダイでは会場中の観客が全員前に詰め暴れまくる。まさに熱狂、彼らのライヴの真骨頂である。そしてラスト「必殺!からくり七変化!」で更に熱狂を紡ぎ本編は終了。
鳴り止まないアンコールの声が響く中会場のスクリーンに東名阪無料ワンマン、ミニワンマン、そして一周年を記念したワンマンの情報が映された。この突然の発表に歓声が上がり、次いで幕が開くとそこにはメンバーが。「呼んだのはお前らだからな、好き勝手やらしてもらうぜ」とアンコール一発目に持ってきたのは「21gの感傷」だ。緑川と観客によるコールアンドレスポンスや、この規模のライヴハウスでは珍しく緑川扇動によるウェーブも巻き起こった。
そして緑川がこう語る「「始動ワンマンで今回のワンマンをソールドアウトさせたら次は600キャパのライヴハウスでワンマンをやると約束した、正直もっと大きな箱でやりたい。でもゆっくりでいい、せっかく組んだバンドを焦って壊したくない。だけど、次のワンマンソールドしたらその時は楽しみにしてろよ!」とファンと交わした約束に対する想いを語った。
「ナツイロドロップ」で爽やかに歌い上げ、緑川が叫ぶ「お前らならもう分かると思う、この曲が何を歌っているか!」と本編でもやった新曲「【S】0723【終焉】」を再び演奏。
そしてライヴは場を掌握した緑川の思いのままに進む、「21gの感傷」、「こんな僕ら、どうですか?」と続き会場の熱狂はピークを迎える。「これからも俺たちは嫌なことは嫌だという
このスタンスは曲げねぇ」と伝えラスト「【L】1126【悲劇】」で0.1gの誤算の初めてのワンマンライヴ、まさに狂宴と呼ぶにふさわしい一夜は幕を閉じた。
正直、彼らの自由奔放なライヴスタイルは決して万人に受け入れられるタイプではない。バンドが始動してまだ幾ばくも経ってはいないがその間に敵を多く作ってきたのも事実である。しかし、彼らの想い、伝えようとしているメッセージはただひたすらに真っ直ぐであり、それに呼応するファンもまた確実に増えている。その結果が今回の池袋BlackHoleワンマンソールドという事実なのであろう。今後も彼らは自身のスタイルを貫くであろう、その結果がどのようなものになるか楽しみに見守っていたい。
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0.1gの誤算イベント・ライヴ情報
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2017年3月23日
1st anniversary 2nd ONE MAN
【最強と最恐】
高田馬場AREA
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【東名阪無料ワンマンツアー】
2016年12月1日 HOLIDAY OSAKA
2016年12月2日 HOLIDAY NEXT NAGOYA
2016年12月11日 渋谷RUIDO K2
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2016年11月26日
ミニワンマン at 池袋Cyber
【L】1126【悲劇】
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2016年9月12日
緑川裕宇Birthday主催
【毒突く犬】
TSUTAYA O-WEST
★0.1gの誤算★
