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2012年01月30日 (月)


特別ライブレポ★★★Para:noir “150-limited” ONEMAN LIVE“Paralyzed fake show” ★★★

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Para:noir 活動終了。
ラストミニアルバムリリース、ラストワンマンライヴ開催も発表。

 
2/3(金)に開催されるMAVERICK DC GROUPが主催する新たなイベント「J-ROCK EXPLOSION 2012 華麗なる激情 -Splendid Violent Emotion-」にも出演が決定しているビジュアル系バンドPara:noir(パラノイア)が1/29(日)池袋BLACK HOLEにてワンマンライヴ「Para:noir "150-limited" ONEMAN LIVE "Paralyzed fake show"」を開催、その後1/30(月)にバンドの活動終了、Last mini album『nihilism.』の発売と4/30(月)に渋谷O-WESTにて開催を発表していたワンマンライヴの詳細を発表した。

Last mini albumと同じ「nihilism.」と名付けられたこのライヴが彼らにとっての最後のライヴとなる。
 
あまりの突然の活動終了発表だが、今回の件に関してオフィシャルサイトではメンバーからの声明文が掲載されている。
そこからはファンへの溢れる想いと最後のリリース、そして最後のワンマンライヴまでPara:noirというバンドを全力で駆け抜けるという意気込みがそこからは感じられる。
 
彼らがどんな“終わり”を見せてくれるのか。
4/30(月)まで一瞬も見逃さないでほしい。
 
以下1/29(日)のワンマンライヴのライヴレポートを掲載する。


 
エモ/スクリーモ、メタルコア、ハードコア、ミクスチャーを中心とし、圧倒的なサウンド、音圧で迫るヴィジュアル系バンド Para:noirがワンマンライヴを開催した。
昨年末に自身初となる両A面シングル「Amaryllis/Cosmos」をリリース、多くのライヴを重ねて進化を続ける Para:noir。
そのサウンド、ヴィジュアル、テクニックを体感できるライヴはファンも待ち焦がれている。
発売即日ソールドアウトしたことからも、その期待の高さがうかがえる。
 
会場が暗転、SEが響く。メンバーが一人ずつ登場し、ライヴが始まった。
オープニングチューン「Good morning,MOTHER fxxker」から、全開でシャウトする茜。
速いビートをこれでもかと叩きつけるドラムとベース・相沢翔のリズム隊。
そのリズムに絡んで複雑なリフを構成するギター・暁-satoshi-、悠哉。開始から全開で迫るPara:noirのパフォーマンスに、観客は一歩も引かない。
MCをはさまずにストイックに楽曲をたたみかける Para:noir。
そのステージングは見事である。観客と一体となり、ヘッドバンギング、ジャンプ、シャウトを始め、どこか懐かしい弦楽器隊による綺麗なフォーメーションなど、Para:noirは、ステージングを見ていて楽しい「魅せる」ライヴバンドである。
 
フロントマンとしてひときわ光る Vo.茜のパフォーマンス。その表情、アクション、仕草全てで観客と対話し、時には攻撃的なシャウトとスクリーム、時には語りかけるようなメロディで、自在に空間を操っていた。そして、複雑なリフと華麗なソロを繰り出す暁-satoshi-、厚みとアンサンブルを作り出すギター・悠哉、ミドルテンポで見事なグルーヴを作り出していた
ベース・相沢翔。彼らが作り出す音とステージングは「華麗」である。
ハイスピードチューンでは圧倒的な音圧と迫力、ミドルテンポでは重い縦ノリのリズム、そして聴かせる楽曲ではステージ全体で作る世界観など、様々な世界をPara:noirは見せてくれた。

そして欠かすことができないのが、楽曲に合わせて一つになり、時には激しいヘッドバンギング、時には力一杯のジャンプと、このワンマンライヴを共に形作っていた観客の存在である。
会場全体の空気は、明らかに、メンバーと観客の全員で作っていた。
その空気を作ることができるのは、まさにライヴバンドとしての真骨頂であろう。

 最新シングル「Amaryllis」を含めた 11曲を突っ走った Para:noirのステージは一旦幕を下ろした。しかし、観客からは即座にアンコールの大歓声。
その声に応え、メンバーはラフなTシャツ姿で再度ステージへ。
 
「アンコールからが Para:noir。そうだろ?」
とあおる茜。ここから第二部とも言えるステージングが繰り広げられた。
本編ではあまり見せなかった笑顔を見せながら観客と楽しむ彼ら。
観客も激しい楽曲に合わせて力一杯の声援とアクションで応えて、会場全体にこれぞライヴという高まりと熱気が感じられた。
ダブルアンコールを 3曲、合計 2時間に及ぶワンマンライヴ。
メンバーと観客全員で作った Para:noirのワンマンライヴはここで幕を閉じた。

  複雑なリフやスクリームを中心とするサウンドメイクと、ヘッドバンギングやフォーメーションなどのステージアクション。それはある種定番とも言える要素かもしれない。
しかし、それらの要素を融合した彼らの楽曲とライヴは、ジャンルや○○風、といった言葉がもはや意味がなくなるほど、誰の模倣でもない「Para:noir」という塊となり、ステージから放たれていた。圧倒的なパフォーマンスで迫る彼らのオリジナリティ溢れる魅力が、震えるほど伝わったライヴであった。
 
 Para:noirは 3月にイベント、そして 4月には今年 2度目のワンマンライヴ ”nihilism.”を行う。それに先駆けて、早くも今週末の 2月3日(金)には、新宿LOFTにて新進気鋭のバンド、Administrator、ALSDEAD、カメレオと、さらに緊急参戦が決定したギルガメッシュとともに、「J-ROCK EXPLOSION 2012 華麗なる激情 -Splendid Violent Emotion-」に出演する。
ネオ・ヴィジュアル系のシーンに新たな息吹をもたらすこのイベントで、Para:noirの、そしてこのシーンの成長の予感を体感して欲しい。
 

Text: 大泉 繁
Photo: 西槙太一