2014年03月10日 (月)
オンリーワンを誇る音楽カルチャー本『ヘドバン』名言続出のトークショー第2弾をレポート!
NEWS - 17:09:26「ヘドバン・トークショー VOL.2」レポート
3月5日、BIBLIOPHLIC&bookunion新宿にて、“ヘドバン不動産代表取締役”の掟ポルシェさんと、“V 系魔人捜査隊隊長”の恒遠聖文さん、それに“懲りないBABYMETAL クレイジーラヴ”な編集長の梅沢直幸による、音楽カルチャー誌ヘドバンの「ヘドバントークショーVol.2」が開催された。
「ヘドバン Vol.3」巻頭をブチ抜いて大特集されたBABYMETALのファンはもちろん、掟ポルシェさんが布教するCARCASS(カーカス)のファン、そしてガチメタラーまで、「ヘドバン」の混沌とした世界観を象徴するような観客の見つめる中、トークショーのラウンド2が始まった。進行役は最年少の恒遠さんが担当。
◎「カーカス白鷺」?
恒遠:(最初に何を目当ての参加かを挙手でチェック)前回よりもBABYMETALファンの方が増えてますね、相変わらずカーカス話を聞きにいらした方も増えて。
掟:「ヘドバン VOL.3」では単なるマンション「カーカス白鷺」の話を書いたんですけど(笑)
恒遠:いや、僕もその話を聞くのが楽しみで楽しみで。
梅沢:実は「ヘドバン」のツィッターでの反応がBABYMETALに次いで多かったのが、「カーカス白鷺」の記事なんですよ。
掟:他の雑誌じゃ書かせてくれないでしょ、不動産物件のことなんて(笑)。
※「カーカス白鷺」とは数年前ネット上で掟ポルシェ氏が発見した東京鷺宮にあるマンション。本誌では『なぜカーカスなのか?大家さんがカーカスのファンなのか?カーカスとの関連は?などの謎を探る』として実際にその物件に関して、掟氏、梅沢編集長がカーカスの音源の日本発売元代表と共に現地取材を行い、不動産屋や住人にまで話を聞くなどしてかなりの頁を割いた記事を掲載している。
恒遠:普通の雑誌だと、写真1枚撮って載せて終わりの企画ですよね。
掟:現地取材&座談会までやって、原稿の文字数のオファーがなんと4,500字!本当にマッドな編集長です。で、しかも謎は全然解決していない!(笑)。いろいろ調べてもハードルが高くて調査が行き詰まってしまって。ま、それくらいちゃんとしたマンションなんですよ。
詳しくは本誌をお読みいただくとして、カーカスに関連したもの総てをチェックしないと気が済まない掟氏ならではの、マッドなこだわりと愛情に溢れたトークがこの後も続いた。ちなみにカーカス(CARCASS)とは“動物・鳥などの死骸”の意味で、画像検索をしてもバンドか動物の死骸写真しか出てこないとのこと。
◎活字カーカス、活字BABYMETAL
梅沢:掟さんが広めてることもあって、カーカス人気がすごいことになってます。
掟: 昔では考えられなかったことですよ。この20年でかなり状況も変わったし。だって、アルバム『サージカル・スティール』とかBURRN!誌の人気投票でアルバム部門1位でしょ、ギタリストでも1位、バンドも3位!
梅沢:そんなカーカスが5月に来日します。
掟:ゴールデン・ウィーク中全部で5公演あるので、どうしても外せない用のある日以外の4公演は行きます!
恒遠:僕、カーカスは掟さん効果で聴き始めましたから。
梅沢:カーカス白鷺の記事からカーカスを聞こうという女子高生もいるし(笑)。
恒遠:プロレスで言う“活字プロレス”ですよね。実際に試合を見なくても活字になった物を読むだけで成立するという。知り合いでカーカスを聞いたことはないけど記事を読んで既にカーカスのファンになった人もいます。これって“活字カーカス”ですね(笑)。
梅沢:メタルのバンドでは初じゃないですか。聞いたこともないのに活字から入ってくるというのは。
掟:ルックスから入るというのはありましたけどね、物件からというのは(笑)。俺、メタルってほとんど聞いてないです、カーカス以外のデスメタルのことは全然知らないし。
梅沢:今号、伊藤政則さんに「セーソク学園」という企画で実際に講義をしていただいて、そこで伊藤さんと掟さんが真正面に対峙している図をカラー頁で掲載したんですね。いやぁ、あれほどいい光景はなかったですね。
恒遠:長髪だけどメタルの匂いがしない人と、片やメタルの匂いしかしない人(笑)。
◎「ヘドバンVol.3」の評判は?
梅沢:今回の「ヘドバンVol.3」では、“メタル濃度が低い”という声がツイッターでありました。でも「ヘドバン」はメタルの最前線を扱っているわけじゃないですから。
掟:メタルの中でも、“これ取り上げていのか?”って分からないところ、例えばBABYMETALとかを取り上げるから面白い。
恒遠:BABYMETALの武道館はどうでした?
梅沢:センター・ステージでオール・スタンディング。観客がスゴい数でした。魔法陣とかステージの真ん中部分がせり上がるとか、カッコよかったしメタルって感じでしたね。
掟:BABYMETALのやってることは凄いですよ。メタルにしろアイドルにしろジャンルとして恥ずかしかった時代が長かったものを合体させて、さらに新しいものにしていくなんていうのは、凄く夢のある話じゃないですか。
梅沢:今回の「ヘドバン」はその部分を誌面でやった感はあります。BABYMETALのアルバム・リリース・タイミングでしたけど、全体を「異種格闘技戦」というくくりにして、他の登場メンバーを考えた構成にしました。
恒遠:浜田麻里さん、西城秀樹さんですからね。
掟:なんの雑誌だかわからない、メタルって言われても困るし(笑)。
梅沢:小室哲哉さんも違うし(笑)。でも、よく読むとどこかでつながっている…というのを読んで欲しいですね。西城秀樹さんは“メタル歌謡”の始祖として登場していただきました。
恒遠:ヘドバンでやりたいのはそういうことなんですね。“活字カーカス”とか、“活字BABYMETAL”とか
梅沢:メタルも語りたいし、アイドルも語りたい。本人たちが話さないから周りは余計に語りたくなる。そこが一番おもしろいかな。
◎「ヘドバン」次号の予定は?
梅沢:カーカスの記事も考えてるんですけど。時期的に原稿の締め切りが。
掟:そう言われても、俺、見るのが忙しいからなぁ。原稿書くのは悪いけど二の次(笑)。
梅沢:お願いしますよ(笑)
恒遠:僕は「V 系魔人伝」が連載になったんですけど、思わぬ落とし穴に気がついて。80年代っていろんな魔人バンドがいたんですけど、今写真を見るとみんな結構地味なんですよ(笑)。
掟:でも、プロモ・ビデオとかって結構派手でしょ。目からビームを出すのって魔人の定番だし(笑)。
恒遠:だから昔の魔人より、掟さんが前号で取り上げたShitfuckerとかを世に出した方が面白いですよね。
梅沢:再開した伊藤政則さんの「セーソク学園」はガチで参加者募集してます。
恒遠:あと、カーカス情報があれば掟さんに。
掟:「カーカス白鷺に住んでる」「なぜカーカス白鷺という名称なのか」とか知ってる方がいたら是非!
後半、恒遠さんが持ち込んだ “グラム歌謡” 「EVERYBODY DANCE 」西城秀樹などを聞きながらも、ほとんどカーカス話に終始した「ヘドバントークショーVol.2」。しかし“活字カーカス”“活字BABYMETAL”という、「ヘドバン」の存在意味を象徴する名言も生まれた実り多き一夜だった。
ヘドバン Vol.3絶賛発売中!
写真左より、梅沢編集長、掟ポルシェさん、恒遠聖文さん