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2013年03月13日 (水)


特別ライブレポ!!★★★THE MICRO HEAD 4N’S★★★2013.03.09 恵比寿LIVE GATE TOKYO!!

NEWS - 19:00:00

THE MICRO HEAD 4N’S
“tour The WORLD of LIGHT 2013”
2013.03.09 恵比寿LIVE GATE TOKYO

 昨年8月1日に発売されたファースト・アルバム『A BEGINNING FROM THE END.』を引っさげ、“tour The WORLD of LIGHT 2013”でロシア、フィンランド、ドイツ、ポーランドの4ヵ国7ヵ所を巡るため、2013年2月中旬に極寒のヨーロッパへ旅立ったTHE MICRO HEAD 4N’S。

 そのEUツアーを大成功に収め、無事帰国した彼らの初ワンマンは、いわばEUツアーのグランドファイナル。凱旋ライヴが行われた3月9日、初の海外ツアーで成長したバンドを誰よりも早く迎え入れようと、恵比寿LIVE GATE前にはまだ日の明るい開場前から人だかりができていた。チケット発売後すぐにソールドアウトになったライヴだけに、マイクローンたちの気合が違う。チケットを入手できなかったファンの分も暴れる気満々だ。

 当然、会場はすぐにすし詰め状態に。「前に詰めてください!」というスタッフの誘導があり、次から次へと観客がピットに押し込まれていく。スタート前から熱気十分だ。会場が暗転し、“A BEGINNING FROM THE END.”のSEが流れだすと、ハンドクラップが巻き起こる。すると、ステージ下手から黒ジャケット姿のkazuya、SHUN.、ZERO、TSUKASAが、ツアーで訪れたロシア、フィンランド、ドイツ、ポーランドの国旗と共に登場。そして、最後に現れたRickyが手にしていたのは、もちろん日の丸! ファンは大歓声で5人を迎える。

 「行くぜ、東京!」というRickyの叫声と共に、1曲目の“HELLO MY CLONE”がラウドに鳴り響く。ステージ狭しと激しく動きまわるメンバーを目の当たりにし、うれしさをこらえきれないマイクローンたちが力強く拳を突き上げた。会場の温度と湿度は一気に上昇。尋常じゃないテンションを維持したまま、“GLORIOUS BLAZE”へ。ステージとフロアの両方でヘドバン合戦が繰り広げられ、あまりもの熱気でステージ前方が早くも霞んで見える。ポップな“White Soul”で少しチルアウトしたのち、最初のMCへ。

 「帰ってきたぜ、東京! We are THE MICRO HEAD 4N’S!! ただいマイホー! 無事、ヨーロッパから戻ってきました!!」との英日混合の帰国の挨拶に、会場のあちこちから「おかえりー!」という温かい声が上がる。「海外のパワー、すごかったぜ。アツさは日本のほうがすごい…だけど、アツいだけじゃないよな、おまえらのパワーもすごいんだろ? 飛ばしていこうぜ! 行けるか、ジャパン!?」と、Rickyがフロアを煽る。

 すると赤いライトが照らされ、“腰痛(仮)”のイントロが始まった。ZEROとTSUKASAが両手を大きく振り上げて頭上で叩き、ファンもそれに続く。Rickyの絞りだすようなヴォーカル、kazuyaとSHUN.のツインギターが織りなすトリッキーなギターフレーズ、腹に響くベースラインとパワフルなドラムのすべてが複雑に入り混じり、まるで狂気のようにじわりじわりと迫りくる。過酷なEUツアーで培った揺るぎない強靭さがなす技なのか、これまでにない音圧と不穏さに、圧倒されるマイクローンたち。

 ピンスポを浴びたTSUKASAがドラムで曲間をつないで、“UN-CONTROLLED(仮)”に突入。SHUN.のワイルドでグルーヴィなギターが前面に出たロックナンバーに前のめりになったあとは、ピアノのイントロが美しい“Calling(仮)”と、動から静へ自然に移行。青く暗いライトの中、メンバーのシルエットが浮かび上がり、優しくも硬質なサウンドとRickyの美しいヴォーカルが会場全体を包んでいく。声とメロディに聴き惚れ、音に身を委ねるマイクローンたち。曲が終わってもしばらく余韻に浸るが、ふと我に返って拍手を贈りだす。すると、稲妻に似たライティングが光り、kazuyaの細かいカッティングギターが鳴り響く。ラストに向けてドラマティックに盛り上がっていく展開が秀逸な“雷鳴(仮)”だ。

 一気にライヴ前半を駆け抜け、2度目のMCタイム。「汗が止まらない…。みんな大丈夫? ホントは暑くて脱ぎたいんだけど、脱げない事情があるの」と笑いを取ってから、「一番気合が入っている、オン・ギター、SHUN.!」と、RickyがSHUN.を紹介。ミュンヘンのライヴで見せたSHUN.とZEROの極悪メイクがツイッターで話題を呼び、特別に今回のみ、再披露することにしたそうだが、Rickyは「下手のふたりが極悪…。怖いからこっちを向かないで」とつれない(笑)。「曲中にオレと目が合ったのに、目をそらしたヤツ!! 怖がんなよ! まだまだいけるだろ!」とSHUN.がフロアを煽り、インストナンバーへ。SHUN.の怒号に合わせて、ZEROとkazuyaがジャンプ! 「飛べ!! もっと飛べよ!!」とSHUN.がファンを駆り立てると、そこへTシャツ姿になったRickyも加わり、4人が並んで頭を振り乱す。

 すべてがカオスと化したまま、アップテンポなイントロで始まるインダストリアルナンバー“Breaking and shout out!”へなだれこんだ。フロアもステージも、飛ぶわ、跳ねるわ、ぐるぐる回るわの大騒ぎ。

 「オン・ベース、ZERO!!」なるRickyの叫びに続き、ZEROの太く威圧感のあるベースラインが轟くと、客も負けじと、「オイ! オイ!」のコールで応戦。タメて、タメて、タメまくり、「行くぞ、獣ども!! おまえらの叫びを聞かせてくれ!!」というRickyの怒号で、ついに“MONSTER’S ROAR”が炸裂。ジャンプとヘドバンの応酬で、会場はもはや天地左右もわからない無秩序状態に陥る。

 しかし息つく間もなく、「日本、ハンパねぇ。アツすぎるぜ!!」と、本編のラスト曲としてすっかりおなじみになった“この先ずっと…”がスタート。kazuyaとSHUN.のメロディアスなギター、ZEROとTSUKASAのタイトで軽快なリズムセクション、Rickyの伸びやかなヴォーカル、マイフォファンの大合唱が一体し、この日最高の盛り上がりを見せる。

 本編が終了しても休むことなく、アンコールを求め続けるマイクローンたち。あまりの熱気で空調が効かず、壁も天井も結露。観客もフロアもびしょ濡れで、酸素も薄くなっている。具合の悪い人がいないかスタッフが確認して回り、ペットボトルの水を手渡していく。サバイバルな状況下、ファンの結束は高まるばかりだ。さらに大きな声でアンコールを求め、ついにバンドがステージに登場。メンバー全員、爽やかな白いツアーTシャツに着替えており、その新鮮さに驚喜したファンの歓声がさらに大きくなる。

 「あまり騒ぐと温度が上がるからさ」とRickyは苦笑しながらも、「ジャパン、最高!!」とファンを喜ばせる。メンバー紹介をしながら、各自EUツアーの感想を述べることになり、一番手のSHUN.は、モスクワの市場で串焼きを目にし、「めっちゃうまそうや!」とつぶやいたら、ロシア人の店主が「うるせぇよ、ロシアだからね」と食い気味に答えたという空耳エピソードを紹介。

 続くZEROは「ハロー、ジャパン! ハロー、エビス! ハロー、マイクローン!!」と、EUツアー中にやっていたという英語MCでばっちりきめたあと、ベルリンで自転車に乗ってはしゃぐSHUN.の動画を現在編集中だから、楽しみにしていてくださいと告知。二人部屋をシェアした相方TSUKASAが、始終『キテレツ大百科』を流し、音楽に変えてと言うと演歌がかかるという、「イカした音楽が聴けない」残念部屋の逸話も披露した。

 EUツアーでは、マイホの曲はもちろん、演歌を通して日本文化を広めてきたというTSUKASAは、山形弁なまりの英語MCに続き、「ハ~ァヤッショーマカショ!!」と“花笠音頭”を熱唱。「キテレツのアニソンも歌ってよ」とRickyが頼むが、実はキテレツのテーマ曲ではなく、アニメのDVDを流して台詞を楽しんでいたことが発覚。フロアからもどよめきが聞こえてくる(笑)。「それは迷惑だねー」というRickyに、「次はジブリにします!」とめげないTSUKASA。

 「オン・ギター、リーダー!」のコールを受け、kazuyaは「海外でも噛むとウケることがわかった」と自虐ネタを披露。ツアー前日まで契約問題の対応に追われて大変だったものの、行って本当によかったし、ZEROやTSUKASAを待つファンがたくさんいるEUを含め、これまではバンド紹介の挨拶に行くような気分でツアーをしていたけれど、自分の中では今回で一段落ついたし、これからバンドは新シリーズを迎える気がするという、現在の心境を語る。

 2月のワンマンでRicky紹介の担当に任命されたSHUN.が、マイクローンたちと一緒にRickyの名をコール。Rickyは「振り返ればいつもkazuyaがいた」と、相部屋になったkazuyaとの仲睦まじさを語りつつ、SHUN.の豪快イビキ伝説&半ケツ状態での靴洗いエピソード、朝まで飲み続け、そのままイスで座って寝るのがベストらしいというZEROの酒豪裏話や、TSUKASAのマイペースっぷりを暴露。フロアは爆笑の渦に。

 和んだ空気の中、「もうすぐセカンド・アルバムを作ります。これからレコーディングなので、楽しみにしてください!」と、次作に入る予定だという爽快感あふれるポップな新曲(タイトル未定)を披露。続く“フォトグラフ”では、マイクローンたちが満面の笑みでバンドへピースサインを差し向け、見事なまでのコール・アンド・レスポンスに発展。Rickyの「Dance with me!!」の掛け声で、アンコール3曲目“I Surrender”にそのままなだれこむ。打ち込みのアゲアゲチューンが鳴り響く中、TSUKASAがドラムセットを降り、ステージ前方へ向かう。SHUN.にギターを渡されて戸惑いながらも、Rickyの「Go! Go! Go! Go! Go! TSUKASA!!」の叫びにのり、一緒になってマイクローンたちを煽りだした。すると、汗と熱気でベタベタのライヴハウスが、きらめくダンスフロアに変貌。盛り上がりは最高潮に! ZEROがベースを床に投げつけ、アンコールが終了するも、アドレナリンの放出は止まらない。

 二度目のアンコールを求める声がすぐにあがり、誰ともなくバースデイ・ソングを歌い出す。ほどなくして、3日遅れのバースデイボーイTSUKASAが、ケーキハットとケーキサングラスを身につけ、ひとりステージに登場。「サングラスが曇って、なにも見えない…。でも、今日はひさしぶりにエクスタシーを感じました!」と、ファンに感謝の気持ちを伝える。

 その後、バースデイケーキを手にしたZEROが姿を見せるが、酸欠でキャンドルの火がすぐに消えてしまうという、予想外の自体に。「僕の命の火が点いては消え、点いては消え、三途の川を渡っています…」とTSUKASA。やっと火が灯ったところで、「消える前に早く歌って! 歌って!」とZEROがうながし、マイクローンたちは超速ヴァージョンのバースデイ・ソングをTSUKASAへ贈る。感極まったTSUKASAは、自らすすんで顔面ケーキ! 気持ちいいまでのパーティボーイっぷりを発揮した。

 「海外では大変なこともあったけど、無事、このステージに戻ってくることができました。また、次を始められそうなので、これからもよろしくお願いします。“The WORLD of LIGHT”という今回のツアー名を冠した曲をみなさんと歌って、終わりにしたいと思います」と、名残惜しくも最後の“光の世界(仮)”へ。ツアーファイナル、そして、THE MICRO HEAD 4N’S第一章の幕引きにふさわしい、大合唱になったことは言うまでもない。いろんな意味で、本当にアツいライヴだった。

 この幻想的な美しい世界がまだまだ続くことを願いたい反面、THE MICRO HEAD 4N’Sの第二章も見てみたい。最初は一抹の寂しさを感じていたファンも、達成感に満ちたメンバーの表情や、通路いっぱいに飾られた旗にある海外ファンからのメッセージを見て、最後は笑顔になっていた。そう、ピリオドは始まりの合図なのだ。

 4月の“stylish wave EXTRA’13 stylish wave CIRCUIT’13 春の嵐ファイナル”へのゲスト出演、5月末から6月初頭にかけて東名京阪4ヵ所を巡る“「Crazy Monsters」~4 Piece Place Tour 2013~”参戦など、THE MICRO HEAD 4N’Sのライヴ活動は今春も続くが、ワンマンは8月24日にLIQUIDROOM EBISUで行われる“2nd anniversary LIVE -REVERBERATIONS-”まで、しばしおあずけ。結成2年を迎えるアニヴァーサリーライヴで見せてくれるであろうTHE MICRO HEAD 4N’Sの新しい姿と、セカンドステージの新たな展開に期待したい。

TEXT:権田アスカ
PHOTO:土屋 誠


THE MICRO HEAD 4N’S
2nd anniversary LIVE -REVERBERATIONS-

2013.08.24(sat.)LUQIDROOM EBISU

OPEN 17:15 / START 18:00

【LIVE情報】
■公演日時:2013年8月24日

■チケット料金:スタンディング 3,990円
※ご購入時、別途ドリンク代が必要です(500円) 3歳以上チケット必要

■一般発売日:2013年7月14日(日)

■お問い合わせ:ディスクガレージ
050-5533-0888(平日12:00~19:30)

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