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2013年02月15日 (金)


特別ライブレポ!!★★★THE MICRO HEAD 4N’S★★★tour The WORLD of LIGHT 2013〜2013.2.11. 新宿LOFT!!

NEWS - 12:00:00

 初ワンマンライヴ、ファースト・アルバム『A BEGINNING FROM THE END.』発売、東名阪ワンマンツアー、初の全国ツアーと2012年を駆け抜け、2013年に入って早々、勢いはそのままに初のヨーロッパ・ツアーを行なうことになったTHE MICRO HEAD 4N’S
ロシア、フィンランド、ドイツ、ポーランドの4ヵ国7ヵ所を巡る“tour The WORLD of LIGHT 2013”への出発直前の2月11日、2013年初のワンマンライヴが行なわれた。

 建国記念日の祭日とあって、開演は通常より早い17時。
まだ日の明るい開場前から、新宿・歌舞伎町にある会場・新宿LOFT前には、旅立ち前のバンドの姿をしかと心に刻もうと、大勢のマイクローンたちが集結していた。
連休ののんびりした雰囲気や、バレンタインデー前のワクワク感も手伝ってか、友だちの壮行会に遊びにきたような明るく楽しそうな空気が場内に満ちている。

 しかし、“A BEGINNING FROM THE END.”のSEが始まり、ステージを覆っていた白い幕が上がると、フロアからは咆哮に近い歓声が湧きだした。暗闇の中、黒ジャケット姿のメンバーが順にステージ上手から登場。
「行くぞ、新宿!!」というRickyの叫び声と共に、1曲目の“HELLO MY CLONE”がスタートした。出だしから、バンドの気迫がハンパない。
1月27日にViSULOG 2nd ANNIVERSARY LIVE AT 新宿BLAZEに出演しているし、リハーサルも順調に進んだんだろう。
ヨーロッパ・ツアーに向けたウォームアップ・ライヴではなく、緊張感みなぎるツアー初日公演を観ている気分だ。
激しいリフが特徴的な“GLORIOUS BLAZE”でさらに勢いが増し、「新宿! 暴れてくぜ!! テンション上げてくぜ!!」と、バンドは“UN-CONTROLLED(仮)”へなだれ込む。
SHUN.のギターが生むただならぬグルーヴ感に突き上げられ、ファンは大興奮。
ZEROが大きく手を叩いてフロアをさらに煽る。

 ミッドテンポながらハードでドラマティックな“腰痛(仮)”が立て続けに披露されたあと、ステージが照らされ、最初のMCタイムに。
「THE MICRO HEAD 4N’Sです。今年1回目のワンマン、最後まで暴れていこうぜ! ヨーロッパ前に、ジャパンで楽しみたいと思います。俺たちの真っ白な心を届けるぜ!!」と、激しさの中にもキラキラしたポップネスが光る“White Soul”へ。
Rickyの邪悪なラップに、フロアを埋め尽くすマイクローンが一気にヘドバン。
会場全体が血気盛んに熱くなったのも束の間、次の“夢の続き”では対照的に、優美なメロディと空間的なkazuyaのギターに、潤いと安らぎを与えられる。
大きな拍手が巻き起こり、二度目のMCに入るかと思いきや、そのまま“Calling(仮)”のピアノイントロがスタート。
次の“雷鳴(仮)”は、よりインダストリアル、かつ叙情的に変貌しており、手数の多いTSUKASAのドラミングに圧倒される。
禍々しさが依然支配する中、Rickyは袖へ姿を消し、「まだまだいけるだろう? どうした、おらっ! 拳上げてけ! 行くぞ!!」とSHUN.の怒号が飛び、破壊的なインストナンバーがスタート。ザクザクとリフが刻まれ、SHUN.に負けじとkazuyaとZEROも激しくファンを煽る。
「もっと飛べよ! 声出せっ! そんなんじゃ、Ricky出てこねぇぞ!!」とSHUN.がマイクローンに追い打ちをかけると、フロアが振動するほどに観客がジャンプ。
最高潮に盛り上がったところで、満を持してRickyが登場。
「この勢いで後半戦行くぜ!」と、“Breaking and shout out!”のアップテンポな打ち込み音がバーストする。
分厚くもトリッキーなサウンドに、マイクローンが必死に食らいついていく。
タオルが宙を舞うダンスチューン“I Surrender”も、これまで以上に物々しくアグレッシヴなアレンジに。
ミラーボールの明かりが、楽しそうに飛びまくるマイクローンたちを次々に照らしていく。

 しびれるような爆音チューンのあとは、デビュー作のエンディング曲であり、ライヴ本編を締めくくるお馴染みのナンバー“この先ずっと…”。
「お前ら最高だ! もっと行くぞ!!」というRickyの声を受けて、ファンの合唱がさらに大きくなり、この日一番の一体感が生み出された。大歓声が鳴り止まぬ中、メンバーが笑顔でステージを去っていく。

 バックドロップにあるTHE MICRO HEAD 4N’Sのロゴがライトアップされる中、フロアのあちこちからアンコールが沸き起こり、ファンの焦燥感がマックスに達する直前に、TSUKASA、SHUN.、ZERO、kazuya、Rickyが手を大きく振りながら順にステージに再登場。
今度は全員、黒Tシャツ姿だ。

 Rickyがメンバーをひとりずつ紹介し、それぞれが今回のライヴの感想とツアーへの意気込みを語る流れになるが、SHUN.はタンクローリーに轢かれたという驚きのエピソード、ZEROは自分の化粧ポーチの中身を紹介しつつ物販の宣伝、TSUKASAは剃らないと竜のヒゲみたいだし、剃ると汗が目に入ってしまうという左眉の悩み、kazuyaはEUツアーが楽しみ過ぎてダイエットし、正月に体重を4キロ落としたことなど、本来の趣旨から脱線した話を次々に紹介。
会場は、ヨーロッパ・ツアー向けにギュッと凝縮され、勢いよく駆ったエナジェティックな本編ライヴとはうって変わった、ほのぼのとしたお笑いライヴのような雰囲気に。
そんな中、8月24日に結成2周年ライヴ“2nd anniversary LIVE -REVERBERATIONS-”がLIQUIDROOM EBISUで行なわれること、その前に2作目となる新音源の発売が予定されていることなどがアナウンスされる。

 しかし、Rickyの紹介がまだだった。「僕を紹介する担当を誰か決めようよ」とRickyが提案すると、「前回は俺だったけど、TSUKASAとか、試しにやってみたら」とSHUN.。
指名を受けたTSUKASAが張り切って「THE MICRO HEAD 4N’Sヴォーカルゥ~!!」と始めるも、フロアからは笑い声が。
「もう萎えたの?」というRickyに押されてもう一度チャレンジするも、「僕が言うとドラムを叩けなくなる」からと断念。
誰が言えば一番しっくりくるか、一通り全員やってみることになり、次にZEROが「埼玉が生んだカリスマ、THE MICRO HEAD 4N’Sヴォーカル!!」とコールするも、やはり声を出すとベースが弾けないらしい。
「kazuyaはやっぱりキャリアがあるし、リーダーに紹介されるとうれしいじゃないですかぁ~」とのRickyの声がプレッシャーになったか、kazuyaは「マイクロ…」と言いかけて、やり直し。Rickyはすかさず、「決まりました! 担当はSHUN君でお願いします!」と突っ込み、会場は爆笑の渦に。
あらためてSHUN.がRickyの名をコールし、ファンが割れるような大きな声でレスポンスする。

 ヨーロッパ・ツアーでは英語で盛り上げないといけないからと、その後RickyはZEROおすすめの「メイク・サム・ノイズ!」を連呼。
「まだまだ行こうぜ! 日本のパワーを見せてみろ! メイク・サム・ノイズ!!」と、タイトル未定の新曲になだれ込む。
ベースラインが印象的なポップでさわやかなナンバーだ。
アンコール2曲目は、これまではアンコール最後にプレイすることが多かった“フォトグラフ”。Rickyの「ピース!!」「ポーズ!!」の掛け声にピースサインとジョジョ立ちで応戦していたマイクローンたちが、最後は一斉に両手を大きく振り、大合唱。
そのまま、ティンドラムのようなかわいいリズムで始まり、幻想的な音風景が広がる“光の世界(仮)”へ。
Rickyの美麗ヴォーカルに聴き入り、思わず立ち尽くしてしまうファンたち。
「行ってきます」とRickyが最後に優しくつぶやき、メンバーがステージを去っていく。

 しかし、そう簡単に送り出してくれるマイクローンではない。
再度、アンコールを求める声が会場のあちこちから激しく上がる。
すると、TSUKASA、ZERO、SHUN.、Ricky、kazuyaが再々登場し、ダブルアンコールがスタート。
「もうちょっと、みんなの声を聞きたいです! 思いっきり行くぞ! 叫べ!!」とRickyが煽ると、ZEROが前面に出て陰鬱なベースラインをつま弾きはじめる。
TSUKASAのドラムも加わってリズムセクションがじわじわと攻め入る中、フロアから沸き上がる「オイ! オイ!」のコールが次第に大きくなっていく。
白いライトが激しく点滅し、ついに“MONSTER’S ROAR”が炸裂。フロアからいくつもの拳が突き上がる。
SHUN.とZEROがところせましとステージを回り、TSUKASAとkazuyaが激しく頭を振る中、アンプに乗り、天井のパイプに手を掛けたRickyがフロアにマイクを向けると、ファンはヘドバンと叫び混じりの大合唱でそれに応える。
曲が終わっても興奮が冷めることはなく、メンバーの名前を呼ぶ声がいっこうに止まない。

 「EUでも暴れてきます! 行ってくるぞ!!」とのRickyの声に、ファンは「行ってらっしゃーい!!」と絶え間ない声援と拍手を送る。喝采のうちにバンドが笑顔でフロアを去ると、幕が下り、照明が点灯してライヴは終了。
新年初ワンマンにふさわしい勢いに満ちながらも、始終ほっこりとした気分を味わえた温かいライヴだった。
こんな彼らなら、言葉の壁を物ともせず、ヨーロッパ・ツアーを大成功させるはずだ。
そんな期待もあってだろう、帰国後一発目の3月9日の恵比寿LIVE GATEでのワンマンライヴは、すでにソールドアウト。
さらなる成長を遂げたTHE MICRO HEAD 4N’Sの姿を見るのが、早くも待ち遠しい。

★THE MICRO HEAD 4N’S★
http://www.themicrohead4ns.com/