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2012年11月11日 (日)


速報ライブレポート!!★★★jealkb★★★『御久薔薇ノ湾満』 2012.11.10 Zepp Tokyo!!!

NEWS - 04:00:00

 『異色薔薇ノ歌合戦』と名付け、1年という長い時間をかけて様々なジャンルのバンドと真剣勝負を繰り広げてきたjealkb
 2012年の3月3日、新宿BLAZEのコンドルズとの対バンを皮切りにスタートしたこのツアーは、10月29日、名古屋E.L.Lのマキシマム ザ ホルモンでファイナルを迎えたのだが、彼らは、そんな対バンツアーの成果を披露すべきワンマンライヴを、11月10日、Zepp Tokyoで行ったのだった。

 18時ちょうど。
ステージ後ろの大ヴィジョンに、いきなり『ビデオレター』が流れ始めた。そこに現れたのはhaderuの両親。
「元気にしてる? 子供の頃、お母さんの鏡台から口紅を持ち出して、いろいろとお顔に落書きしてたのは、ヴィジュアルケービー(※お母さん! ジュアルケービーの間違いです!)に繋がるところだったのかしらね」(haderu母)
 下関から届けられた『ビデオレター』の中のhaderuの両親の心温まるコメントに、オーディエンスは一気に和んだ。
 そんな『ビデオレター』をSE変わりにステージは幕を開けた。
こんな始まり。他にはない。
 1曲目は、Shinnosuke(SOUL’d OUT)作詞作曲「サロメ」。10月10日にリリースされた、異種格闘技企画アルバム『V?』の中からの1曲だ。
 新曲の披露に客席は沸いた。
「暴れる準備出来てっか!? 全力で暴れろよ! 俺が全部受けとめるから!」(haderu)
 そんなhaderuの叫びを挟んで2曲目「積極的受動人間」へ。
haderu作詞・elsa作曲の楽曲も、アルバム『V?』の中からの選曲。
“こんなに有名なバンドの人たちが、作詞作曲で参加してくれているから、負けられない。jealkbの意地としても、負けない曲作らないと”
 と、jealkbのリーダーであるelsaが渾身の思いで書いた1曲でもあるのだ。
 jealkbらしいメロディアスさとヘヴィさが共存したこの楽曲は、オーディエンスを更に深くjealkbの世界へと誘った。
 ライヴのテッパン曲「嘆きのエンドレス」で一丸となった後、haderuはここで初めてのMCを挟んだ。
「お久しぶり! ようこそ、薔薇の国へ。今年初のワンマンです! メジャーデビューして5年が経ちました。バンドを初めて7年。メンバーが7人だったときも、ここのステージに立てたことがありました。でも、メンバーが2人脱退して、動員が落ちて、もうここでライヴをすることは出来ないだろうと思ってました。でも、今日、こうしてライヴをすることが出来ました! みんなのおかげだと思ってます! ありがとう!」(haderu)
 4年ぶりに戻ってこれたこの場所への想いを語ったMCの後、彼らは7年前に初めて作ったオリジナル曲「GET WELL」を届けた。jealkb、始まりの曲である。
 フロアに集まったジュアラー(jealkbファン)たちは、そのイントロに大きな歓声を上げた。ここでは、最近ではめったにライヴで聴かれることがなくなった「metromnome」も届けられ、ステージ後ろのヴィジョンには、moftoとchaosと過ごした7人時代のjealkbの姿が写し出されたのだった。
 そして。今回の『異色薔薇ノ歌合戦』でも対バンを果たしたMUCCの逹瑯が、jealkbのために作詞作曲した「恋心」は、GReeeeNのプロデューサーとして活躍するJINから提供された楽曲「DEAD LOCK」へと繋げられたのだが、その楽曲の振り幅を、見事に自分たちらしく料理し、さすがの表現力で魅せてくれた彼らのバンド力に驚かされた。
 さらに。この日だけのスペシャルな演出として、elsaの両親が大正琴で参加し、「花」を届けたのだ。13年前から大正琴を始めたというご両親は、elsaと共に毎日練習を繰り返し、この日を迎えたという。ドラムと大正琴のみでアレンジされた間奏は、この日のためにelsaが考えたものだった。
 歌の途中、この親子共演に胸を熱くしたhaderuが涙ぐみ、声を曇らせる場面もあった。
「あれ? ここ、ちょっと笑える面白シーンだったはずなのに、なんか、感動的な場面になっちゃいましたね(笑)」(hideki)
 と、場をちゃかしたhidekiであったが、ナント、この後に届けられた「super special summer」で娘との共演を果たした直後(※この曲では、娘がダンサーとして登場する)、目の前で娘に手紙を読まれるというサプライズを仕込まれていたことで、今度は自分がまんまと涙目になったhidekiであった。
 親子共演のあるライヴなど、他のヴィジュアル系バンドには見られないだろう。これも、彼らにしか出来ないライヴの形である。
 更にこの日は、『V?』から、前山田健一(ヒャダイン)作詞作曲の「瞳・華」と、所ジョージ作詞作曲の「koi koi」、elsa初の作詞作曲となる「ロザリオ」という新曲たちも届けられたことから、この日に至るまでの、メンバーの練習量は半端なかったと言う。ギターのedieeなど、緊張のあまり体中に蕁麻疹が出たというほど、精神を集中して向き合ったライヴだったと言うのだ。そんなedieeを支えたelsaとdunchのリズム隊は、このツアーで確実にバンドを成長させていた。
 スパニッシュギターやパーカッションを用いたラテンテイストの「瞳・華」は、haderuとhidekiが揃いのフラメンコを加えて届けられ、“koi koi”のコーラスと、ロカビリー調のノリがフロアをシャッフルした「koi koi」と、いままでのjealkbにはなかったゴシックなイメージから、とことんディープな世界になだれ込んでいく運びが魅力の「ロザリオ」が届けられたその時、jealkbは、聴き手に新境地を確立させたことを確信させたのだった。
 目指すは武道館。
その目標は、7年前の結成当初から変わっていない。
 7年目にして改めてバンドの大切さを知ったという彼らは、この日、ここに集まったすべてのジュアラーをファミリーと呼び、心からの“ありがとう”を贈ったのだった。
 そして。彼らは2013年2月9日の渋谷CLUB QUATTROを皮切りに、『崖淵薔薇ノ背水』と題された初心回帰全国ツアーに出ることを告知したのだった。
  目指すは武道館。
彼らの旅は、終わらない————。

写真:橋本塁
ライター:武市尚子


■jealkb LIVE TOUR 2013「崖淵薔薇ノ背水」■

2013年2月9日(土)  渋谷CLUB QUATTRO 
2013年2月16日(土) 神奈川 サンフォニックスホール
2013年3月16日(土) 札幌BESSIE HALL
2013年4月20日(土) 名古屋E.L.L.(ElectricLadyLand)
2013年5月11日(土) 大阪 umeda AKASO

【チケット料金】
スタンディング ¥3,800(税込・ドリンク代別)

★jealkb★
http://jealkb.jp/