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2023年11月25日 (土)


★びじゅなび独占インタビュー★【DEZERT・千秋(Vo)× SORA(Dr)】12月31日(日)EX THEATER ROPPONGI<V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023->へ向けて。「想いをつないでいく」──。

NEWS - 16:00:51

12月31日(日)EX THEATER ROPPONGIにて<V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023->と題したイベントが開催される。(チケットは本日より一般発売がスタート)
SORA(DEZERT・Dr)がオーガナイザーをつとめるこの公演は、昨年末に開催された、VISUAL ROCKに敬意を込めた大型イベント“V系って知ってる?”を経て、様々な世代へ想いを繋いでゆく大晦日の一大お祭りとなりそうだ。

 

今回はSORAと千秋(DEZERT・Vo)に出演バンドについて、そして公演に向けての想いを聞いた。

 

 

 

   ◆     ◆     ◆ 

 

 

──昨年、日本武道館にて開催された[powered by MAVERICK DC GROUP]に引き続くかたちで、今年は[V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023-]が大晦日にEX THEATER ROPPONGIにて行われることになりました。いずれもオーガナイザーをつとめられているのはSORAさんですが、去年が偉大なる先輩アーティストたちに対するリスペクトをDEZERT世代が軸となって表した場だったとすると、どうやら今年はDEZERTよりも下の世代にあたるバンドたちにフォーカスを当てたイベント、となっているようですね。

 

SORA:去年の[V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP]に関しては、何より“恩返し”の気持ちを根本的なテーマにしながら実現していったものだったんですね。ひとつには、コロナ禍も含めていろいろとDEZERTを守っていただいた事務所に対する恩返しをしたいという気持ちもありましたし、やっぱり僕らDEZERTはヴィジュアルロックの世界で始まったバンドですから、自分たちがずっと憧れてきたいろんなアーティストの方々に対する感謝や敬意を込めたイベントにしたい、気持ちが大きかったんですよ。それで、去年は僕らが特にお世話になっている先輩たちと、僕らにとっていわゆるライバルにあたるバンドたちを軸にして、武道館でやらせていただいたわけなんです。

 

 

──各バンドのパフォーマンスはもちろん、レジェンダリーなアーティストたちの楽曲を多彩なメンツがカバーしていった〈V系 Respect Super Session〉も素晴らしく、あの1日はあらためてヴィジュアルロックが持つ奥深さを感じさせられるものになりました。

 

SORA:ああいう企画を練っていく段階では紆余曲折もありつつ、その中では先輩たちからたくさんのアイディアやアドバイスをいただくこともありましたね。本当に、素晴らしい経験をさせてもらえたなと思います。ただ、あれだけ大規模なイベントになると途中でなかなか上手く進まないことも出て来たりして、そういう時はうちのメンバーに対してさえ「今は言わない方がいいな」と思って幾つか黙ってたことなんかもあったし、今思えば千秋とかも敢えて僕のやってたことを静観してくれてた時があったと思うんですよ。

 

 

──当時、千秋さんはSORAさんのそうした奮闘ぶりに対して「他の仕事も一切おろそかにせずやってるっていうのは、ほんとに凄いと思いますけどね。まぁ、無事に武道館が終わったら抱きしめてあげたいっていうくらいかな(笑)」と、まさにびじゅなびでのインタビューにておっしゃられていました。

 

SORA:多分、メンバーのみんなが信頼してくれてたんだろうなっていうことはあれから1年経って今はより感じますね。そして、結局あの[V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP]を終えてみて何を感じたかったっていうと、この業界とか周りにいる先輩や仲間たちに対する感謝と愛情だったんですよ。自分としては何よりもそこを一番に学んだので、今年は僕が得たものをさらに繋げていきたいなという想いから、今度は僕らより下の世代って言ったらおこがましいですけど、後輩のバンドたちと大晦日にEX THEATER ROPPONGIで一緒にイベントをやることにしました。だから、僕の中での今年のテーマは“想いをつないでいく”なんですよ。

 

 

──感謝と愛情の気持ちを、受け繋いでいくというのはとても素敵なことですね。ちなみに、昨年の[V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP]に向けたびじゅなびでのインタビューで、千秋さんは「僕らが仕切るみたいなかたちでのイベントを武道館でやることについて、僕は反対派だった」ですとか「「武道館でワンマンも出来ひんバンドが、何故イベントを武道館でやろうとすんの?」っていうクエッションが個人的にはずっとありました」との発言をされていたのですよね。むろん、最終的には「武道館での[V系って知ってる?]でも刺激を受けつつ、経験値を積んでいくことでそれも全て糧にしていく」という前向きな発言へと着地したのですけれど、今年の場合[V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023-]に向けての千秋さんのスタンスはいかなるものになるのでしょう。

 

千秋:“想いをつないでいく”っていうのがテーマだっていうのは、SORAくんらしいなと思う。まぁ、去年に関してはまだ武道館でワンマン出来ひんバンドが武道館でイベントをやるっていうことは、わかりやすく言うと自分たちより強い人たちに協力を求める必要があったっていうことじゃないですか。先輩たちの胸を借りることになった、というか。それだけに、SORAくんが凄い頑張ってくれたわけですしね。ただ、今回に関しては僕らだけの力で集められるメンツばっかりで、僕らが一番強くて歴が長いから、気持ち的な面は全然違うかな。僕としては、DEZERTが先頭に立って旗を振り、自分らよりも若い子たちにその姿を見せる場だと捉えてます。

 

 

──では、ここからは今回の[V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023-]に出演するバンドたちについて、それぞれどのような経緯でエントリーされていくことになったのか?ということを、ぜひうかがわせていただきたく思います。

 

SORA:このイベントをやるってなった時、僕はいろんなライヴハウスに足を運んだんですよ。今回の出演バンドは、僕が実際に観て「いいな」と思った人たちが多いですね。あと、千秋から「この子たちえぇで」って教えてもらったバンドもいて、そこに関しては「千秋が良いって言うなら良いや」と思ってライヴを見ないで決めたバンドも2つくらいあります。それから、Sacchanがおすすめしてくれたバンドに関してはSacchanと一緒に観に行ったりもしました。

 

 

 

 

──さすがSORAさん。フットワークが軽いですねぇ。

 

SORA:なんだかんだで、春あたりはHOLIDAY新宿、池袋BlackHole、池袋EDGEによくいました(笑)

 

 

──いかにもライヴハウス然としたハコでパフォーマンスしている後輩たちの音や姿から、何か刺激のようなものを受けることはありました?

 

SORA:いや、刺激は受けなかったです。逆に、刺激を与えたいなって思いました。僕自身がHYDEさんとかに教わったのはまさにそこだったんで、今回は僕がそういう立場になりたいなとは思ってるんですけど、なかなかそこは難しいですね。このイベントに関してのことだけに限らず、自分の想いって人にちゃんと直接伝えないと伝わんないんだな、っていうことを最近は感じることがけっこう多いです。

 

 

──人によって、感じ方や価値観などの尺度はまちまちだったりしますものね。

 

SORA:僕の“想いをつないでいきたい”気持ちにファンの人たちが気付いてくれて、出演者のバンドたちを応援してくれるような優しい世界が生まれてくれるようなイベントになっていって欲しいな、という気持ちではいるんですよ。とはいえ、僕らも今13年とかになるので、わりとこれまでにいろんな経験はして来てる分、ちょっとオジさんみたいなことを言っちゃいますけど(笑)、出演バンドの人たちに「簡単じゃないんだよ」っていうのは伝えたいです。明確な想いを持ってやってるイベントだから、僕としては「君らのファンの子たちに、ただのイベントだと思って欲しくないんだよ」っていうのがあるので、そこを今みんなにどう伝えていこうかな?と考えているところなんです。あ、今の話はキズに関してはまたちょっと別ですけどね。

 

 

──キズは昨年の[V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP]でも、DEZERTにとって同世代の良きライバルとして活躍してくれていた印象です。

 

SORA:キズは特別枠です。特に、来夢くんは僕にとっての良き理解者のひとりであると同時に、切っても切れない縁で繋がってるライバルですからね。全然プロレスとかじゃなく、ほんとに千秋とはあんま仲良くないし(苦笑)。そういう意味では、千秋がどう思ってるかはわかんないけど、来夢くんが僕と同じような想いを持って後輩たちに接してる姿をよく見てるので、今回このイベントに誘いました。

 

 

──敢えて、千秋さんにうかがっておきます。SORAくんの「千秋がどう思ってるかはわかんないけど」という部分に対しての回答は?

 

千秋:ノーコメントです(笑)

 

 

──承知いたしました(苦笑)。なお、千秋さんが今回のイベントに向けて推されたバンドというのは、どちらになるのでしょうか。

 

千秋:まず、ビバラッシュはるいまるくんと幸村くんのふたりとしか話したことなかったんだけど、カワイイ子たちだったんで推したというか、SORAくんに勧めました。ライヴは観たことないんですよ。でも、凄いカワイイ。

 

 

──カワイイは正義的な??

 

千秋:なんだろう?嘘ついてない感じっていうのかな。るいまるくんは、話しててアタマも良かったしね。普通にこれは頑張って欲しいな、みたいな。で、nuriéに関しては俺からDMを送りました。

 

 

 

 

──nuriéは実力も持っていますけれど、先輩受けも良いようですね。2021年にはアルルカン主催の[束の世界]に“+1ACT”なる一般公募枠で出演して好評を博していましたし、このところはWaiveの杉本善徳さんも廣瀬彩人さんを可愛がっていらして、共に『マガツノート』へ参加をされているようです。

 

千秋:なんかね、こういう言い方をするとバンドを評価するみたいになって大変申し訳ないなとは思うんですが、nuriéに対しては業界の中?というよりも、知り合いの間とかで「もっと出来るやろ」っていう空気になってるところがかなりあると思うんですよ。僕も「もっといけるやろ」って印象を受けてるひとりだから、出てくれない?って連絡したんです。あと、色々な十字架も周りと話してた中で名前が挙がったバンドで、最後に無理やりブチ込んだ感じでしたね。

 

 

──色々な十字架はわたしも個人的に興味があり、先日は恵比寿リキッドルームでのサードワンマンに行ってきました。以前アルバムレビューを書いたことがあるくらいで、レポートで入るわけでもないというのに、フロントマンのtinkさんにご連絡してみましたら招待してくださいまして、ありがたく拝見してきた次第です。ぶっちゃけ最高でした(笑)

 

千秋:彼らはほんと、感じの良い人たちですよ。俺らと違って(笑)

 

 

──俺らと違って、というのが自虐なのか謙遜なのかはわかりませんが…ここは話を進めさせていただきます(笑)。甘い暴力は今夏の[DEZERT PARTY Vol.13]でも共演されていたバンドですが、彼らが出演することになった経緯はどのようなものになりますか。

 

SORA:甘い暴力は大阪でライヴやると、よく楽屋に挨拶しに来てくれるね。

 

千秋:うん。それに、甘い暴力は「なんかイベントあったら誘ってください!」って言ってくれる人たちなんですよ。「年末あるんだけど?」「ほんとですか?出ます!」「あざっす!!」っていう感じで決まりました。

 

SORA:そうやって積極的に言ってきてくれると、うちらもけっこう「そうなんですね。ありがとう」ってなるバンドなんですよ。

 

千秋:実際、今回のイベントの噂を聞きつけて「出たいんですけど」って言ってきてくれたバンドはどこも断ってないもんね。

 

SORA:うん。ちょっとここまで12年間の行いがあんまり良くなかったから(苦笑)、そうやって言ってきてくれる人たちの数は少ないっていうのはあるけど。「そんなことないよ」ってここは言っておきます(笑)

 

 

──先ほど、SORAさんが各ライヴハウスを巡回していたとのお話がありましたけれど、その中で早い段階からピックアップしていたのは、どちらのバンドになるのでしょうか。

 

SORA:HOWLです。ライヴを観てて、音楽が純粋だなって感じたんですよ。こういう言い方をするとアレかもしれないですけど、僕とかうちのメンバーって「なんでそれやねん」みたいなところに刺さってしまう傾向があるんですよね。HOWLを初めて観たイベントでは、大体ほかのバンドってドロップチューニングでギャンギャンやりながら「おまえら気合い入ってんのか!かかってこーい!!」みたいな雰囲気だったんですけど、HOWLはまず無音で出て来て、いきなりテレキャス1本で歌モノをやったんです。多分、チューニングも半音下げかレギュラーだったと思います。とにかく、音として聴きやすかったっていうところが印象的だったし、特にギターの子(よっぴ)に対して音楽的な力があるなと感じて気になっちゃったんですよね。それで、話したこととかはなかったんですけどオファーして、このあいだ2週間くらい前に初めてちゃんと顔を見ました(笑)

 

 

 

 

 

 

──鐘ト銃声についても、ライヴハウスで見つけられたことになりますか?

 

SORA:鐘ト銃声は、さっきちょっと話したSacchanがおすすめしてくれたバンドですね。Sacchanいわく、彼らは「ヴィジュアル系にはこういうバンドが必要です」っていう存在になるらしいです。

 

 

──俗にいう白塗り系、にあたるのでしょうかね。どこかレトロ感も感じますけれど。

 

SORA:僕は白塗り系っていうものがあるっていうのをよくわかってないですけど、このバンドに関してはSacchanを信じて出てもらうことにしました。

 

 

──Ashmaze.については?

 

SORA:Ashmaze.はドラム(S1TK)が僕の後輩で、ヴォーカル(双真)もちょっとだけ千秋と関わりあるんだっけ?

 

千秋:そうそう、ヴォーカルの子はAshmaze.の前からちょっと知ってる。

 

SORA:それこそ、彼らはドラムの子を通じて「頑張りたいです!」って言ってきてくれてたんで、「じゃぁ、ぜひ」となりました。

 

 

──VIRGEもライヴハウスで発掘したかたちになるのでしたっけ。

 

SORA:VIRGEも観に行ったバンドのひとつなんですけど、前からヴォーカルの子(遼-ryo-)が僕に会いたいってコンタクトをとろうとしてくれてたらしいんですよ。それで、男性の友人から紹介されて前に1回ゴハンに行ったことはあったんです。その時に、話を聞いてて「そうか、頑張ってるんだな」ってオジさんみたいに思ったのもあって、声をかけることになりました。

 

千秋:グラビティも、僕が関係者の方から紹介していただいて決まったバンドですね。人づてに「ぜひ出たいです!」って言ってるっていうことも聞いてたから、「だったらぜひ」ってなりました。

 

SORA:グラビティは1回、地方で一緒にゴハン食べたことあったよね。その時の印象が凄いイイ子たちで、ヴォーカルの子(六)がずっと僕にタメ語だったんですよ。

 

 

──わたしも彼には取材で会ったことがありますけれど、きっとそれは天然系のタメ語パターンだったのではないです?

 

SORA:そうなんですよ。その無邪気さがいいな、って思いました。そのあとスタジオでばったり会った時も「あ、SORAくんだ♪」って言ってきて、ちょっと「かわいいかも」って思っちゃいましたね(笑)

 

 

 

 

 

──いっぽう、CHAQLA.は夏の[DEZERT PARTY Vol.13]にオープニングアクトとして出演されていて、観客からはなかなかの好反応を得ていたバンドでしたね。

 

SORA:CHAQLA.に関してはドラムのヤツ(Bikky)が深い仲の後輩で、あの時うちのイベントにO.A.として出ていろんなことを感じたろうし、あれをひとつの良い経験としてその後も活動してはいるんでしょうけど、今ちょっと僕は心の中では「おまえら、そんなんじゃあかんやろ」って思ってます。

 

 

──あかん、というのは何がどのようにあかんと感じていらっしゃるのです?

 

SORA:もうそろそろ結果を出して、「こういう結果になってこうなりました」って俺だったら先輩に伝えに行くけどな、としか今は言えないですね。何があったとか、こっちがヘソ曲げてるとかじゃなくて、とにかく「御託はいいから早く結果持ってこい、ボケが」と思ってます。

 

 

──それは、深い仲だからこその愛の鞭的な見解になりますか。

 

SORA:そう捉えてくれたら嬉しいです。

 

 

──確か[DEZERT PARTY Vol.13]では、アンコールの時に千秋さんがフロントマンのANNIE Aさんを呼び出して、かなりイジっていましたよね。

 

SORA:あれは千秋の愛ですよ。

 

千秋:今のところだけど、総じて俺たちの想いなんか伝わってないんですよ。これは何もCHAQLA.だけじゃなく、多分どのバンドもそうなんじゃないかな。

 

SORA:うん、それはわりとあると思う。

 

 

──つまり、先ほどSORAさんが「自分の想いって人にちゃんと直接伝えないと伝わんないんだな」とおっしゃっていたのは、ここにつながる言葉だったのですね?

 

千秋:いや、こっちの思いが「こうだから」ってこれ見よがしに掲げたところで、それを普通にわかってくれっていうのもそれはそれでちゃんちゃらおかしな話なんでね。

 

SORA:うん、うん。

 

千秋:ただ、今回のイベントで旗振り役をやってるバンドとしてはね。これはかなりの上から目線で言いますけど、そもそも別に「俺らとキズの2マンで良くない?」っていう話ではあるんですよ。そこをちゃんと見てくれよ、っていうのはあります。

 

 

──なるほど。確かにその心中はわかります。

 

千秋:六本木の観やすいハコで、大晦日に俺らとキズで[V系って知ってる!]の方が、俺はお客さんたちも食いつきやすいと思うんですよ。それだったら、速攻即完するだろうしね。そこにわざわざいろんなバンドを入れてる気持ちが、うちらにはあるわけじゃないですか。そこで「チャンスだ!」って思って「キズを喰ってやる」とか「DEZERTの客を獲ってやる!」みたいな姿勢をどれだけのバンドが持ってるのかな?っていうところを、僕は意図しての上から目線で当日のライヴでも攻めようと思ってます。

 

 

 

 

 

──手間をかけて攻めてあげるあたりが、やはり優しいですよね。愛しか感じません。

 

千秋:僕からすると、どのバンドも今回のイベントで“良いライヴ”なんてしなくていいと思ってるんですよ。もがいて、全然盛り上がらないみたいな状況になったとしても、何か必死にしようとしてるヤツに関しては、ここから一緒にやってても面白いだろうしね。逆に、とりあえずの感じで「やるべきことはやってます」くらいのスタンスで来るなら、もう僕は一緒のステージには立ちたくないです。「勝手に頑張ってね」ってなると思う。これもヘソ曲げるとか、そういうんじゃなくてね。

 

 

──おっしゃりたいことは理解出来ますよ。

 

千秋:もし、これで「なんでそんな上から言われなきゃなんねーんだよ」っていうヤツがいるとしたら、それは「もう出やんでえぇやん」っていうだけのことですから。そこは試したかったんですよ。こういうことって、先輩とか、違うジャンルの人とか、キャリアのある人が一緒に出てたりすると、俺らとしては言葉に出来ない部分でもあるんで、それもあって今回は自分たちよりも歴の短いバンドたちだけを集めて、底上げをしたかったんです。そのへんはSORAくんと俺の間での共通認識はなくて良くて、あくまでも僕が思ってることですけど。

 

 

──ひとつの場を作りあげていく以上、そこに未来へとつながる意味を持たせたいという意味では、根底での意識は共通しているとも言えるような気もいたしますよ。

 

千秋:ただ、SORAくんが今SNSとかで頑張っていろいろやってるでしょ。忙しい中を半ば無理やりにさ。出演バンドの良い曲を紹介してあげるとかって。

 

 

──先だって、SORAさんは《この日集まるバンドの皆様の映像作品を最近よく見てます。色んなバンドがいてすごく楽しい!でも”このバンドのこの曲は絶対聞いたほうがいいよ!”みたいなのってどんなバンドにもあると思うんだけど各々のファンの皆様、僕に教えてくれませんか?》と投稿されていましたね。

 

千秋:俺は「そんなんやらんでえぇ」って思う。そういうお前の優しさに対して何人がコメントして乗って来たかは知らんし、おそらく全バンド分そのやりとりをしたわけでもないだろうけど、少なくとも自分はそういう流れには全く興味がないです。もちろん、どのバンドにも今より売れて欲しいって思ってますよ。そして、SORAくんは優しい世界を今回のイベントで作っていきたいって言ってますけど、それだけじゃ盛り上がらんよって俺は思っちゃうんで。「こういう場に出られるのは美味しい」って思うんだったら、表向きには俺らにリスペクトの気持ちを持っていただいて(笑)、言いたいことがあるならスタジオで言えと。

 

 

──あらら。直談判しても良いのですか?!

 

千秋:だって、俺らもそうだったから。昔、MUCCのイベントに初めて呼ばれた時、参加出来ることに対しては物凄く感謝を感じてましたけど、その反面で「ここは尖らなあかん!」ってめちゃくちゃ思ったんです。というのも、まさにそれはDEZERTを呼ばなくても成立するイベントでしたから。そこにわざわざ呼んでくれて、しかもあの時のMUCCは俺らと違ってなんもうちらに対して言わなかったんですよね。その経験があるから、いまだにMUCCには頭上がらない(苦笑)

 

 

 

 

──その昔、逹瑯さんはとあるインタビューの場で「千秋はメンドくさいやつだけど、尖っていた頃の昔の自分を見ているようで可愛くてしょうがない」と発言されたことがありましたけれど、今年は11月24日に[DEZERT PARTY vol.14 -EXTRA Edition- DEZERT vs MUCC ~LAST SHINJUKU BLAZE~]も開催されただけに、両者の紡いできた縁にはただならぬものを感じてしまいます。

 

SORA:俺、昔はよく裏でミヤさんに「うちの千秋がすいません…」ってメチャクチャ謝ってましたもん(笑)。バンドって、そういうのありきなところってあると思いますね。

 

千秋:まぁ、いまだにスタジオで会ったりすると逹瑯さんに「ミヤさんに、このまえ酷いこと言われてんけど!」みたいに文句言うことはたまにありますけどね(笑)。それは当然、リスペクトの気持ちを持ってるからこそのものなんですよ。めっちゃ強いMUCC先輩が、めっちゃ弱かった俺たちに対して旗を振ってくれたっていうことにはほんとにありがとうって思ったし、チャンスをもらったと思ってるので、今の自分が後輩たちに対して出来るのも結局“そういうこと”なのかなと。

 

 

──それこそ、今年のテーマである“想いをつないでいく”の実践ではありませんか。

 

千秋:もっと面白いことや、やりたいことはいっぱいあるんですよ。今だったら「俺らはワンマンでも武道館で出来るけど、若いヤツらで出たいんなら全員出ろよ!」とかね。だから、今回の[V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023-]はそういうフェーズに向けた始まりなんじゃないかな、と思います。そのうえで、どっかひとつでも、ふたつでも、同じようにこういう精神を受け継いでってくれるバンドが出て来てくれたら、俺は嬉しい。

 

 

──素晴らしい志です。

 

千秋:人によっては、こういう記事を見て「いや、おまえらだってまだぺーぺーだろ!」って思うかもしれないけどね。でも、今回は歴が長いのは間違いなく俺らやし。俺らが仕切ってくから!っていうことでいいんじゃないかな。ライヴも最後は俺たちがきっちり締めるしね。あとは、いろんなバンドのファンがどう思うかっていうのはあるにせよ、俺らは好かれようとかマジでないんで。そう考えたら、俺らは全然得しないイベントよな(笑)

 

SORA:得するか・しないかで言ったら、千秋の言うとおりだと思います。でも、千秋とは考え方が違うだけで思いは同じだと俺は思ってるし、オーガナイザーとしての立場でいっても千秋が言ってることはよくわかるんです。というか、「千秋はそう思ってるんだろな」っていうまんまのことを言ってるなと思いながら、僕は千秋の話を聞いてました。

 

 

──以心伝心ですね。

 

SORA:もちろん、こうなってくると俺はこれからより“想いをつないでいく”ためにみんなともっとコミュニケーションをとりたいし、目を見て話さないと伝わらないこともあるから、それをやっていくつもりです。

 

 

──それに、目先の利益の話は別として、こうしたことは長い眼で見た時にはDEZERTにも良いかたちで還ってくるのではないかと思いますよ。

 

SORA:目先の利益だけを考えていくと、物事って破綻しやすいですからね。長期的に考えた時に後からでも「良かったね」ってなる方が良いじゃん、っていうことは僕らがここまで13年間の活動を通して学んできたことでもあるから、まずはここで踏み出すことが大事なんじゃないかと思ってます。

 

 

──そんな[V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023-]ですが、このタイトルを命名したのもSORAさんということになりますか。

 

SORA:大晦日のライヴではあるんですけど、21時終演予定でカウントダウンライヴというわけではないですからね。それでCOUNT DOWN 寸前GIGってつけたんですよ。

 

 

──かつて、X JAPANがまだXだった頃にメジャー移籍第一弾アルバム『BLUE BLOOD』のリリースを目前に控えた1989年3月16日に渋谷公会堂での公演を行いましたが、その時のライヴタイトルが[Blue Blood Tour 爆発寸前GIG]だったように記憶しております。このタイトルはそれとも関連していたりします?

 

SORA:バレました?完全にそこにはX へのオマージュです。今のところ、気付いてくれたのはうちのスタッフに次いでふたり目ですよ。わかってくれる人がいて良かった(笑)

 

 

 

 

 

──去年は[V系って知ってる? ]と疑問系だったところが、今年は[V系って知ってる!]に変化しているところも地味にこだわりを感じますしね。いずれにしても、今年の大晦日から始まるこの動きは将来的に大きな波動を生み出していくはずです。

 

千秋:自分たちがバンドを始めた頃って、いつか出たいなぁって思うような憧れのイベントが幾つかあって、そのうちのひとつが大晦日に恒例でやってた[OVER THE EDGE]だったんですよ。その後は[TOKYO CHAOS]って名前やかたちを変えても続いてて、僕らも何回か出させてもらったことがあるんですけど、メチャクチャ楽しかったんです。そのイベントに出られたら一人前じゃないですけど、登竜門的な場所って今あんまりないじゃないですか。だから、ああいうイベントからの派生というか遺伝子を受け継ぐかたちで、このイベントを年末恒例のものに出来たら良いなとはちょっと思ってますね。

 

SORA:この取材ではいろいろ言いましたけど、個人的には2022年から2023年にかけてって自分の中での体型に関するコンプレックスを克服したり、HYDEさんをはじめとした先輩方にいろんな刺激も受けつつ、とにかくいろんな面で理想を追求してきたところがあるんですよ。でも、今はちょっとイベントに関することも含めて上手くいかないことが重なってきているのもあって、“SORAを維持すること”に若干疲れてきたところがあったりするんですね。ほんとに一流だったらこんな風にはならないはずなんですけど、最近は千秋にもかなり支えてもらっちゃってる自分もいます。おそらく、今は高く翔ぶためにしゃがむ必要があるんだろうなって俯瞰の大川くんとしては、SORAのことを見てるところがありますね。このくらいシンドイ思いをしながらバンドしてるヤツって、今度のイベントに出るヤツで他にいるのかな?って思ったりもしますけど(苦笑)、良くも悪くも今は過渡期にあるはずなんで。必ずここを超えていきます!

 

 

 

 

取材・文◎杉江由紀
写真◎西槇太一

 

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■V系って知ってる! -VISUAL ROCK COUNT DOWN 寸前GIG 2023-

2023.12.31[SUN]

東京都 EX THEATER ROPPONGI

https://www.ex-theater.com/

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OPEN 12:30 / START 13:30 / CLOSE 21:00予定

※進行の都合により若干の終演時間変更の場合もございます。ご容赦をお願い致します。

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【出演】

DEZERT

キズ

甘い暴力

色々な十字架

鐘ト銃声

グラビティ

ビバラッシュ

Ashmaze.

CHAQLA.

HOWL

nurié

VIRGE

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【チケット料金】
スタンディング ¥8,000(税込)
指定席(バルコニー席/スタンド席) ¥10,000(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※営利目的の転売禁止
※未就学児童入場不可

※再入場 1回有効(再入場詳細は後日発表します)

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★チケット販売:

一般発売日:
2023年11月25日(土)10:00~
https://eplus.jp/dezert23-1231/

 

 

 

 

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(問) DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/

 

 

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<DEZERT INFORMATION>

 

 

DEZERT – 君の脊髄が踊る頃に (2023.09.23 LINE CUBE SHIBUYA)

https://youtu.be/JPFA9NOKFiA

 

 

<最新リリース情報>

 

2024110日(水)発売

Major 1st Album The Heart Tree

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・豪華盤:CD + Blu-ray2枚組)+ 64Pブックレット / CRCP-40673 \10,000(税込)

・通常盤:CD / CRCP-40674 \3,630 (税込)

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CD収録内容】 ※豪華盤、通常盤共通

01. Hopeless

02. 君の脊髄が踊る頃に (Album Mix)

03. 羊は死刑台で笑えるか?

04. 楽園

05. 僕等の夜について

06. モンテーニュの黒い朝食 (Album Mix)

07. 生活

08. 延命ピエロ

09. 「誰にも渡しちゃいけない場所を心と名づけ」 (Album Mix)

10. The Heart Tree

11. The Walker (Album Mix)

12. 匿名の神様

13. 再教育 (Album Mix)

14. ともだちの詩

《全14曲》

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Blu-ray収録内容】 ※豪華盤にのみ収録

DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-

2023.09.23 LINE CUBE SHIBUYA

01. 君の脊髄が踊る頃に 02. 再教育 03. 胃潰瘍とルソーの錯覚 04. Sister 05. ともだちの詩

06. モンテーニュの黒い朝食 07. infection 08. Dark In Black Hole 09. 眩暈 10. 感染少女

11. 肋骨少女 12. 「君の子宮を触る」 13. 「遺書。」 14. 僕等の夜について 15. ミザリィレインボウ

16. The Heart Tree 17. 「殺意」 18. 「秘密」 19. TODAY 20. 「切断」

《全20曲》

 


 

 

<イベント・スケジュール>

 

 

 

■「The Heart Tree」発売記念インストア・イベント

2024110日(水)19:00 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO ※メンバーと一緒に聴く爆音試聴会

2024120日(土)18:00 littleHEARTS.新宿店イベントスペース ※生写真お渡し会

2024121日(日)14:00 タワーレコード錦糸町パルコ店イベントスペース ※名刺お渡し会

2024127日(土)14:00 タワーレコード池袋店イベントスペース ※トレカお渡し会

202424日(日) 14:00 タワーレコード仙台パルコ店イベントスペース ※サイン会

2024211日(日)14:00 タワーレコード福岡パルコ店イベントスペース ※サイン会

2024218日(日)14:00 タワーレコード名古屋パルコ店イベントスペース ※サイン会

2024225日(日)14:00 タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース ※サイン会

202438日(金) 18:00 タワーレコード札幌パルコ店イベントスペース ※サイン会

※インストア・イベント及び購入者特典情報の詳細はこちらをご覧ください

https://www.dezert.jp/news/detail/18328  

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■「The Heart Tree」発売記念予約購入者限定ライブ “新春!! 銀河系最速でハートツリーを聞いてみまSHOW!!

2024113 () 開場16:15 / 開演17:00

2024114 () 開場16:15 / 開演17:00

会場:渋谷 WWW X

チケット料金:スタンディング 5,000円(税込)※入場時ドリンク代別途必要

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詳細はこちらをご覧ください

https://www.dezert.jp/news/detail/18331  

 

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<ライヴ・スケジュール>

 

 

 

 

DEZERT LIVE TOUR 2024 The Heart Tree PHASE_1延命ピエロ編

202423日(土) 仙台darwin 開場17:00 / 開演17:30

2024210日(土) 福岡BEAT STATION 開場17:00 / 開演17:30

2024212日(月・祝) 広島SECOND CRUTCH 開場17:00 / 開演17:30

2024217日(土)          名古屋DIAMOND HALL 開場16:45 / 開演17:30

2024224日(土)          大阪BIGCAT 開場16:45 / 開演17:30

202432日(土) 渋谷Spotify O-EAST 開場16:30 / 開演17:30

202439日(土) 札幌cube garden 開場17:00 / 開演17:30

2024310日(日) 札幌cube garden           開場16:30 / 開演17:00

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2024 日本武道館

詳細後日発表

 

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