2023年09月05日 (火)
【ライブレポート】<ビバラッシュ「CRAZY GAMBLER」-TOUR FINAL->2023年8月25日(金)新宿BLAZE◆メジャー・デビュー決定!「人生を、ビバラッシュにフルベットする」と誓った「CRAZY GAMBLER」ツアーファイナル開催
REPORT - 12:00:51ビバラッシュが、「CRAZY GAMBLER」と題して行ってきたワンマンツアーのファイナル公演を2023年8月25日、新宿BLAZEにて行った。終演後には、“12月にVAPよりメジャー・デビュー決定”とのビッグニュースも発表され、ツアーの集大成を発揮すると同時に、未来へ大いなる期待を抱かせたライブの模様をレポートする。
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6月に発売されたシングル「神ノミゾ知ル」に始まり、全19公演を行ったワンマンツアー「CRAZY GAMBLER」までのタームは、一貫して“ギャンブル”がテーマとなっていた。ギラギラとした豪快なイメージで、ビバラッシュにピッタリなテーマだ。でも実は、“ギャンブル”という言葉で彼らが表したかったことは、もっと深いところにあった。
「俺たち4人は、自分たちの人生をビバラッシュに“賭けて”みようと思います。遺すものが無いくらい、フルベットしてみる」
ライブを終える直前、噛みしめるように言ったるいまる(Vo)。今思えば、終演後に映像を通して発表したメジャー・デビューへの意気込みの伏線とも受け取れたが、シンプルに“ギャンブル”というテーマの核心を突く、総括でもあったように思う。何かを得るためには、対価が必要。それを“賭ける”という言葉を用いてファンへ渇を入れるように、あるいは自分たちを奮い立たせるようにライブ中、何度も口にしていた。時間やお金といった物理的なものもそうであるし、何よりも大切な“好き”に対する気持ちを“賭けた”先には格別な“楽しさ”を――ビバラッシュ風に言えば“アゲみ”を必ず手にすることが出来る。そんな全力投球の一瞬一瞬に、アツいものを感じた。
カジノの本場を彷彿させるド派手なステージは、開演前からすでにワクワクを掻き立てていた。いざ開演すると、2人のダンサーが“ARE YOU READY?” / “COME ON DREAMER”と書かれたパネルをそれぞれ掲げて登場し、続けてメンバーがステージへ揃うと、るいまるがバズーカ型のクラッカーを放つハイテンションなオープニングとなった。そこに輪をかけるように、ビバラッシュの代名詞ともいえる“アゲみ集団”を広く知らしめるきっかけとなったと言っても過言ではない「踊らされた人生」が会場の熱を爆上げにし、バンギャルの生き様を示した「それゆけ!バンギャルちゃん」へ一気に駆け抜ける。
「狂ったギャンブラーの皆さん!俺たちのために、君たちの貴重な人生の時間を使ってくれてありがとうございます。お互いがここに持ってきたもの、全力で賭け狂おうぜ!」と、Co2が噴出して勢いを増す中、ハイパワーな最新曲「神ノミゾ知ル」へ。バンドサウンドが鳴り出した途端にフルボルテージへ一気にかっさらっていくような覇気や攻めの選曲を見る限り、メンバーの“マジ”な意気込みが伝わって来た。
続いて、ツアー中の恒例となっていた“ギャンブルセトリ”(ステージ上でくじを引いてその場で演奏曲を決める)では、「流れ的にアゲみな曲が良い」と言った通り「ビ⚡ビ⚡」を引き当てた。直前のMCで、「ビバラッシュは晴れバンド」と雨予報を覆して晴れを引き当てたことを「ギャンブル1つ勝利!」と話していたが、この展開もギャンブル勝利と言って良いほどの引きの強さを発揮した。客席に広がるメンバーカラーのペンライトが“ビリビリ”に合わせて小刻みに揺れ、幸村(Gt)がセリフを挟むタイミングで「ツアーファイナル、派手に楽しめー!」と叫んだのに呼応して、一層高まっていくテンション。そして、“うやほい”の掛け声で盛り上がりながら現在進行形で夏を感じさせた「ボトルシップ」に続いて、「ずっと突っ立ってたら、夏終わっちゃうよ!?」とツッコミを入れるように「なにしてんねん」では、突っ立っている暇が無いほどヘッドバンキングやモッシュ、さらにグリコのポーズで一体感を生んだ。
「君の目には俺たちが映ってるか!? 俺たちの目には、君たちが映ってるぞ!どこまでも一緒に行こう!」と、まっすぐな思いをぶつけた「FANTASTIC FLY HIGH」が実にエモーショナルで、バンドとファンとが全力を尽くし合ってこそお互いが輝けるということを再確認させた。“100万回”というケタ外れの表現を使って優しく愛を届けた「Say Hello.」だったが、その“100万”のパワーを「100万ドルの瞳に乾杯」では、るいまるとパーミー(Dr)がチルい雰囲気の中でワイングラスを手に“乾杯”しながら歌うという、エンタメ性へと匠にフルチェンジさせるのだから、ただただすごい。
MCでは、4年前にこの新宿BLAZEにて冬也(Ba)が加入したことを振り返った。「あの時の感覚とは、全然違う」と語った冬也は、すっかりサウンド的にもメンタル的にも、バンドを支える柱となっている。感慨に浸っていたのも束の間、るいまる選りすぐりの“関係ない話”2連発で爆笑を誘ったのち、ツアー三昧でこの夏に行けなかった海を会場に呼び起こし、メンバーもアロハシャツを羽織ってすっかり南国ムードになると、パーミーのアコギに乗せてるいまる、幸村、冬也が踊りながらファニーに歌う「マンマ・ミーア♪」へ。
さらに4人で歌う「恋せよシュビドゥバ」では、サークルモッシュが起こる客席へるいまると幸村が混ざり、もはや破天荒にやりたい放題! しかし、ハチャメチャだけじゃないのが、ビバラッシュである。グッと会場の空気を引き締めたのは、「ギガラバチェリハート♡」の可愛らしさを上回る、バチバチのロックサウンドだった。そして、ファンの気持ちをしっかりと受け止めながら“最大級のありがとう”を届けた「THANX」から、ラストスパートへ突入。後ろには、今年現役を引退したベル(Gt)の姿もある5人でのMVが流れていた。彼らの歴史において大切な軌跡の一つであることは間違いなく、「マンマ・ミーア♪」の冒頭でさりげなく流れていた海の音は、ベルがるいまるを助けるようにして探してくれたものだという。姿は目に見えなくとも、しっかりと絆が存在していることに胸を打たれた一幕を経て、ラストは彼らの原点である「Merry-Merry-Merry-Go!!-Round☆」でパワフルに、豪快なエンディングで締めくくった。
アンコールでは、夏が似合う豪快なパーティー感満載の「マドモアゼル」に続き、オープニングに登場したダンサーが再び登場して“ピースサイン”を掲げ合った「シワくちゃギャルうぇぽん」。ラストは、「ダンデライオン」で誰もがこの瞬間に生まれる幸せや楽しさを、踏みつけられても負けない強さを持って全力で掴みに行っていた。その中で、“運命はキミの手の中だ”という歌詞を“運命はその辺にあるよ”と歌い替えたのは、誰もが運命を手にするチャンスを平等に持っているという、ポジティブに背中を押してくれるメッセージであったように思う。
「人生はギャンブルです。いつだって、選択の毎日。君たちは何をするにしても、絶対に最後には自分で決めないといけない。その選択が間違ってたか合ってたか、それは結局神様にしかわかりません。そう、“神ノミゾ知ル”なんです。何かをギャンブルするには、賭けるものが必要。君は何を賭ける?」
この言葉に沿えたのは、「人は、長い人生をなぜか1年単位で考えます」というるいまるの思想で、「勝ち続けなくていい、たまには負けてもいいの。自分を愛してあげて」という、人生を一単位と見た時の戦略法だった。生きていく中で、「ああ、そうか」と気持ちが軽くなるヒントを与えてくれる。そして、いつでも“楽しい”を体を張って音楽と言葉で与えてくれる天才たち、ビバラッシュ。最初に一時のタームという言い方をしてしまったが、“ギャンブル”というのは彼らにとって一生のテーマであるのかもしれない。“究極のエンターテイメント”を生み出すアゲみ集団は、これからも自分たちの生き様へ忠実に人生を賭けて未来を築いていく。夢を追い続ける、自らが“DREAMER”となって。
レポート・文◎平井綾子
写真◎さかもと
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(セットリスト)
1.踊らされた人生
2.それゆけ!バンギャルちゃん
3.神ノミゾ知ル
4.ビリビリ[ギャンブルセトリ]
5.ボトルシップ
6.なにしてんねん
7.FANTASTIC FLY HIGH
8.Say Hello.
9.100万ドルの瞳に乾杯
10.マンマ・ミーア♪
11.恋せよシュビドゥバ
12.ギガラバチェリハート♡
13.THANX
14.Merry-Merry-Merry-Go!!-Round☆
En-1.マドモアゼル
En-2.シワくちゃギャルうぇぽん
En-3.ダンデライオン