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2023年07月21日 (金)


【ライヴレポート】<HOWL NEW SINGLE TOUR「#アイラブユーの後遺症」>2023年7月11日(火)池袋harevutai◆明日が楽しくなる音楽を届けたい!急成長を遂げた最新系、HOWLツアーファイナル・池袋harevutai。

NEWS - 18:00:27

あまりに短い。僅か2か月半である。

自身史上最大キャパシティとなった前回の全国ツアーファイナル『ロゼッタ=ストーン』Spotify O-WEST公演から数えること70日。

ヴィジュアル系ロックバンドHOWLは次なる全国ツアーのファイナルを早くも迎えることとなった。それも自身最大キャパシティを更新して。

活動のペースはバンドのスタンスによって多岐に渡るものだが、彼らは生き急ぐかのように歩を進める。早歩きで。着実に堂々と歩くわけでもなければ、駆け足になるわけでもない。

一目でわかる甘いルックスと一聴するだけで口ずさめるポップなメロディが武器のバンドだが、HOWLを知る者ならその対極にある泥臭さにも一目置かざるを得ない。

事実、今年3月にドロップされた「アンダーテイカー」では真宵(Vo)の美しい歌声と流麗なメロディ、鬼気迫る歌詞が絶妙に調合され、結果ライヴにおけるパフォーマンスもより肉感的なものへと進化と変貌を遂げている。

 

そんなHOWLが順調に自身最大キャパシティを更新しながらにして足早に生き急ぐ印象が否めないのは、彼ら自身も想定していなかった「ポップサイド」と「ダークサイド」の2つの武器を手にしてしまったことではないだろうか。それも同時に扱いにくい相反する強力な武器を。

結論から言おう。彼らはこの相反する武器を自身の解釈によって見事に束ねあげ、新たな姿へと昇華してみせた。

Youtube等に上がっているインタビューを参照していただければわかることだが、端正な見た目からは想像もできないくらいにアツく、不器用な4人が選んだ答えがとにかくライヴをするだったのは非効率的であるし、だからこそ彼らを知る者ならニヤリとさせられる。

今のHOWLが提示する答えはライヴ会場にあるそう信じツアー初日ぶりに取材を敢行することにした。大きなターニングポイントになるであろうツアーファイナルのレポートをここにお届けする。

 

 

横長なフロアが印象的な会場。いまかいまかと開演を待ちわびる空気が充満し、BGMの音量が絞られるとほぼ定刻通りに暗転。

それを合図にHOWLのライヴでお馴染みのリングライトが一斉に光輝く。大きな会場になればなるほどこの景色も壮観になっていくのだろうなんてことを考えているとほどなくして、荘厳なSEに招かれよっぴ(Gt)yuki(Dr)、ゆうと(Ba)の順に登場。この池袋harevutaiもまたステージ背面が大型LEDビジョンになっておりツアーロゴが映し出される演出が華やかだ。一間置いて真宵が現れると披露されたのは「ロゼッタ=ストーン」。

 

 

 

 

ツアー初日公演では楽器隊3人によるジャムセッション形式でオープニングを彩ったが、この最終日ではある意味ツアーの顔とも言うべき最新曲を叩きつけてスタート。HOWLらしい煌びやかなサウンドとキャッチ―なメロディの良さを再確認させられつつも、各パートの輪郭が明瞭でどこかシャープになった印象を覚える。ビジョンに流れるリリックムービーの<前例のない痛み教えて>が後遺症を想起させる。愛の後遺症を残すことが目的だったライヴが、早々に後遺症を残し、そこからどう進むのか提示するものに変化を遂げているのだろうか。

 

冒頭から匂い立つツアーの成果は2曲目「Mr.Moonlight」でも顕著だ。満月に照らされた海面の映像をバックに真宵は艶気のある歌唱で聴衆を惹きこむ。照明が赤く染まった時に気が付いたのだが、メンバーの表情に笑顔や緩みが一切ない。各々が自身の鳴らす音に注力する様は筆者がここ数か月動向追ってきたHOWLのステージで目撃した覚えのないものだった。

 

 

真宵(Vo)

 

 

 さぁ汚し合おうぜ!harevutai!!やれんのか?やれんだろ!続いたのは縦ノリで会場を揺らす人気曲「先天性君症候群」。マイクスタンドを使いフロアを煽る真宵。指使いが妖艶なゆうとのベースは相変わらず良いフックになっていて、キャッチ―なサビとのギャップが実にらしい

 

曲間の余韻の活かし方まで魅せることに緻密で、HOWL4人がharevutai仕様に仕上げてきたことが解るステージは留まることを知らない。よっぴのギターフレーズが立つ「ヴィランの仔猫」ではyukiを中心にした楽器隊3人が小気味良いグルーヴを生み、プレイそのもので会場の空気を変えていく。

 

中盤ではブリッジ的役割の「empty」を生演奏で披露するなど、明らかにこれまでとは違ったベクトルを垣間見せた。非効率的な全身全霊全力の燃費の悪さを憎めない武器とするのがHOWLの大きな魅力であることは間違いないが、今日は一段と精悍な表現が目と耳を惹く。真宵が吐息のように儚いポエトリーリーディングを乗せ一人で唄うラブソングと呟くと「迷宮ディスコニック」へ。自身に歌い聞かせるような繊細な歌唱は、消えゆく存在への想いを吐露する詩世界に没頭し、最後は感情のままに絶叫してクローズ。

 

ソフトなプレイが冴えわたった「閲覧禁止」では一転、歌詞の世界観から目を背けるようにお立ち台に座り込みながらのパフォーマンス。歌い終えるとありがとうと一言残し、ステージから立ち去る真宵。

 

激しさだけではないハイライトで掌握されたオーディエンスのメンバーを呼ぶ声は、冒頭より何倍にも増幅して響き渡る。

 

 

 

yuki(Dr)

 

 

yukiの激しいドラミング、全身を使って煽るよっぴ、視線で殺すゆうとと三者三様の魅力を発揮しながら奏でたSEを合図にステージに帰還した真宵は顔つきを新たにぶっ飛べ!と叫ぶ。後半戦への突入を察知したフロアはみるみる過熱。楽曲が育ったことを感じさせる「ANOTHER BIRTHDAY」では遂によっぴとゆうともお立ち台に上がる。

 

 

ゆうと(Ba)

 

お前らの愛を見せてみろ!と切り込まれた「ENIGMA」ではヘドバンの嵐、「隷従エスコート」では今日イチの盛り上がりを見せる。カラフルに明滅する光が広い会場によく映え、お立ち台という名の玉座に腰かけたフロントマンも「いいじゃん!harevutai!全部くれよ!」と満足げに吠える。

 

 

 

 

剛と柔を巧みな緩急で存分に見せつけた本編のラスト。もはや説明不要の2023Visual Rockシーンを代表する名曲「アンダーテイカー」だ。

 

 

 

 

彼らがその時に持ちえる全体重を乗せることでしか表現できない楽曲である。ビジョンに投影されたMVには黒い衣装を纏った4人の姿が。目の前で感情過多にプレイする4人が真っ白な出で立ちというコントラストも興味深い。あまりに美しいそのメロディに飲み込まれないないように藻掻き内面を抉るようなプレイは真宵だけでなく、よっぴもゆうともyukiも同様だ。

 

あとどれくらい鳴らせる心臓だ 正しく使い切ってあげたいだけ

 

切なるメッセージを伝えるべく手にしたマイクで自身の左胸を幾度も殴りつけて鼓動を鳴らす真宵。やがて放心したようにステージを去るメンバー。本編終了。

 

「アンダーテイカー」の余韻に気圧されながらも、ほどなくして今日も凄まじいアンコールがかかる。

 

実のところアンコール登場時にはMCパートが用意されていたのだが、急遽カットし披露されたのは音源化が待ち望まれている「いきたくない」。

 

MCではようやくリラックスした様子でツアーを振り返る4人。

 

ゆうとは「前回ツアーのファイナル52O-WESTから早かった。」としみじみ語りだすもここでは持前の天然キャラが大炸裂してしまい、歴史に残る()MCに。

 

ゆうとの爛漫なキャラ故に終始大爆笑をかっさらっていたものの、想像を絶する天然節に客席からも「え、怖い」という声まで聞こえてきたのは記しておきたい。

 

以前インタビューで「前回のツアーで自信がついた」と力強く語っていたyukiは「初日からセミファイナルまで全部良かった。前回のツアーも良かったけど、それも超えたと思う」とここでも逞しい発言で会場の空気を取り戻す。

 

 

 

 

よっぴ(Gt)

 

 

ひとたびステージを降りたHOWLは好青年だが、よっぴはひと際、謙虚な男だ。「色々悩んだけどこんな楽しいバンド活動がいつまでも続けばいいなって」と彼なりの優しい物言いで時折声を詰まらせながら想いを語った。

 

真宵は、ライヴを作っているのは自分たちだけでなくファンや関係者も一緒。早く恩返しがしたい、と前置きしたうえで「4人が思うHOWLの答えはまだまだあると思う」、「今のHOWLを好きでいてくれる全員を連れていきたい」と未来に示唆的な言葉を残した。

 

「アンダーテイカー」、「ロゼッタ=ストーン」の快進撃に手ごたえを得つつも、この曲がなくてもみんなのことを存分に楽しませたいと言わしめるぐらいに彼らを代表するキラーチューン「生きてるだけで褒められたい。」では観客はキンブレを振って楽しむ。メンバー全員に歌唱パートが存在するポップで可愛らしい曲調に芯のあるメッセージを内包する、これもまた”HOWLらしさのある象徴的な1曲だ。

 

最後のMCでは3ヶ月連続の新曲リリースやアルバムの構想、今年3本目(!!)となるツアー開催と嬉しい情報も肉声でファンに直接届けられた。

 

そんなハッピーな空気に届けられたのは「#prologue」。ビジョンに映し出された4人は笑顔で、新たなHOWLの始まりを告げ見事にツアーを完遂した。

 

 

 

 

前回のツアーではハプニングを乗り越えながら、バンド力を強固にし、泥臭くもガムシャラなロックスター像に近づいた。時に不安になるくらい鬼気迫るパフォーマンスは新たな扉を開いた感があったが、このツアーの着地点はまるで別物だった。時に激しくけれども大きな包容力で地に足をつけ、妖艶な香りを振りまきながらエレガントかつジェントルに自身のポップな側面をしっかりと見せつけたHOWLはまさしく最新系だった。ロックスターへの傾倒も忘れずに、表現者としての精度を大幅に増した姿を逞しく感じると共に、この短期間で急激に成長を遂げたどこまでも素直なこのバンドの行く末を見届けずにはいられない。

 

 

 

:山内秀一

 

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<セットリスト>

 

  • ロゼッタ=ストーン
  • Mr.Moonlight
  • 先天性君症候群
  • ヴィランの仔猫
  • Freezy Pumpkin Knight

empty

  • 迷宮ディスコニック
  • 閲覧禁止

Infusion

  • ANOTHER BIRTHDAY
  • ENIGMA
  • 隷従エスコート
  • アンダーテイカー

EN1.いきたくない

EN2.生きてるだけで褒められたい。

EN3.裏側守備表示

EN4.愛情絶対値

EN5.#prologue

 

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HOWL OFFICIAL HP

https://howl-official.com/

HOWL OFFICIAL Twitter

@HOWL_staff

 

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■HOWL 5大都市酸欠LIVE TOUR 快楽物質

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-KILLER-

918(月・祝) 福岡 Live House 秘密-Himitsu-

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-HORROR-

921() 大阪 心斎橋CLAPPER

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-SCREAM-

922() 愛知 今池club 3Star

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-PSYCHO-

926() 宮城 仙台space Zero

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-PARTY-

102() 東京 渋谷club asia

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HOWL NEW SINGLE TOUR「アイラブユーの後遺症 EXTRA love is over?-

日程:724()

会場:新宿Motion

 

時間:OPEN17:00/START17:30

料金:前売り¥4,000/当日¥(入場時別途ドリンク代必要)

ドレスコード:BLACK×RED

チケット 722()10:00発売開始

https://eplus.jp/sf/detail/3915670001-P0030001

 

 

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