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2023年05月04日 (木)


【ライヴレポート】<Chanty「電光石火の轟音踊れや踊れいばら道ツアー」>2023年4月23日 千葉LOOK◆ツアー初日!最高の笑顔で「いってきます!」

REPORT - 20:00:03

202211月にドラマー・shotaを迎え、2023426日には新体制初となるシングル『散花』をリリースしたChantyの全国ワンマンツアーが、423日・千葉LOOKで開幕した。

 

shota加入後初のワンマンツアー初日であり、喉の手術のため約1ヶ月間休養していた芥の復帰ライヴでもある特別な日。大切な1日を共に過ごすべく駆けつけた多くのファンで埋め尽くされたフロアは、溢れんばかりの期待と少しの緊張が入り混じった空気に包まれていた。

 

客電が落ち、SEの弾むようなピアノの音色が流れ出す。すぐさま打ち鳴らされた手拍子の中、Chantyの代名詞とも言える白の新衣装を纏ったメンバーが姿を現した。

 

「『電光石火の轟音踊れや踊れいばら道ツアー』、始めます!」

 

ギターを抱えた芥の気合い漲る第一声に、大歓声が沸き起こる。最新曲『散花』の鮮やかな色彩で一気に空間を染め上げると、これまで以上に説得力が増して響いた『群青』、大切な場面でいつもバンドの想いを届けてくれる『フライト』と、ここから大空高く飛び立っていく決意を感じさせる印象的なセットリストでツアーの第一歩を踏み出した。

 

「電光石火の轟音踊れや踊れワンマンツアー初日、千葉LOOK。お越しいただきましてありがとうございます!1ヶ月お休みを頂いて、蓄えに蓄えて参りました。お互いにぶつけ合って応酬し合って、今日を最高の1日にしましょう。LOOK、ついてこい!」

 

 

イントロからフロント3人の煽りが炸裂した『透明人間』と野中のスラップが冴える『インピーダンス』、序盤からこんなに飛ばして大丈夫なのかと少し心配になるが、オーディエンスの力強い声と拳が頼もしい。そのレスポンスに呼応するように笑顔を見せるメンバー達のテンションも更に上昇していくのが感じ取れ、先程のMCの言葉どおりステージとフロアの感情の応酬がライヴの熱を生み出していく。

 

エンディングのフレーズを「ダメになって1回目が覚めて思い出したけど、まだまだ230分でした。」に変えた『ゼロ』から、真っ赤な照明とテクニカルな変拍子が焦燥感と緊迫感を色濃く演出した『今夜未明』、逆光に包まれたステージで掻き鳴らされるギターに乗せて浮遊するように描かれた『おやすみ』、「そして、迎えた朝に流れたこの音をこうやって呼ぼう。」とタイトルコールされた『世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない』。

 

 

堕ちていく夜の闇~眩い光が照らし出す朝を迎えるまでを表現した4曲は、どんな困難の時にも諦めず前進し続け新たな光を掴み取ってきた彼ら自身の歩みに重なって胸が熱くなる。観る者をChantyの世界のより深い部分へと引き込んだ、この日のクライマックスのひとつと言えるブロックであった。

 

拍手に包まれる中、「改めてありがとうございます。」と話し出した芥は、会場の構造上どうしてもステージが見えづらい後方のファンへと目を向ける。「そこで満足させられるかは、こちらの気合いと気迫、そして届けるという信念が漲っているかどうかだと思うので。最後まで魂のこもったライヴを届けていきますので、よろしくお願いします!」と最後方にまでしっかりとその想いを伝えると、「千葉LOOKに出演するのはいつも春。」と今の季節に美しく重なる『春煩い』を贈ってくれた。リリース当時は美しいメロディーの中に孕んだ切なさを強く感じたこの曲も、今のChantyが演奏すると芯にある力強さが際立って聴こえる気がして、音楽というのはその時々の心情によって印象が変化するものなのだと改めて実感した。

 

『最低』で再び大きく揺れ始めたフロアは、shotaのドラムソロから白のギターソロへの流れに咲いたり声を返したりと楽し気な様子を見せる。続く『ポリシー』から息つく間もなく突入した『無限ループ』、野中がジャケットを脱ぎ捨て、芥が「リアルが一番だろ、今この瞬間届けてくれ!」と叫ぶと、おなじみの俺を!しばく!のレスポンスがひときわ大きく響き渡る。実はこの『無限ループ』、不測の事態により結果的に通常の1.5倍ほどの長さで演奏されたのだが、その間ずっと変わらぬパワーでタオルを回しジャンプをしながら声を出し続けたファンの姿にはメンバーも驚きと喜びを隠せない表情を見せた。

会場内はとてつもない熱気に包まれ、これぞライヴハウスという空気が漂う。

 

 

ヒートアップして酸素が薄くなっているフロアを見渡した芥は、「次はもっと激しい曲をやるんだけどさ、マスクをして頭を振って拳を上げて大暴れしているおまえたち、ハンデあり過ぎだよね。暴れたい人は本気で暴れて、ゆっくり観たい人も楽しめるように届けるので、受け取ってください。」とオーディエンスを気遣う。とはいえ、タイトルコールの瞬間に歓声が上がった『m.o.b.』でもフロアからの声と拳の勢いは増すばかりで、その熱量に触発された4人の演奏も一層熱がこもっていく。shotaのパワフルなドラミングと野中のアグレッシブな重低音に白の張り裂けそうな音色のギターが絡み、唯一無二の芥の歌声が重なる。Chantyにしか生み出せないエモーショナルな音の塊が容赦なく爆発する様は、身震いするほど圧巻だった。

 

 

「ライブって本当に気持ちいいですね。久しぶりに長めのワンマンツアーを開催できて、声の応酬ができるのはこんなにも幸せな事なのかと実感しています。」白のアルペジオに乗せて、芥が言葉を紡ぎ始める。

「コロナが始まった3年前、仙台でのライヴで皆が初めてマスクをしてちょっとつらそうな顔をしながら観てくれた事を今も思い出します。あの時は、こんな状況で求める事は良くないのではないかと思ったり、でもいざステージに立つと凄く求めてしまう自分達が居たり。それって矛盾じゃないかと、凄く色々な事を悩んだり感じたりしました。」出口が見えないコロナ禍、時々刻々と変化する様々な制約の中で、バンドは大切な人や場所を守るために、その時々の最善策を模索しながら必死に進んできた。そんな彼らを支え、制約の中にも新たな楽しみ方を見つけながら共に歩んでくれたファンと共に辿り着いた今日という日。

 

「今日この場所を選んでくれた事も、この先のツアーやイベントも、出逢える瞬間って本当に奇跡的なものだから。声を出すも出さないも、前で観るも後ろで観るも、その瞬間の自分が本当に楽しみたい心持ちで楽しんでください。僕らは変わらず必死に走っていきたいと思いますので、出逢える時に自分なりの距離・自分なりのペースで最高の時間を一緒に作ってくれたら嬉しいです。」

 

コロナ禍に抱いた葛藤も焦燥も絶望も希望も全てを大切に胸に刻み込んだバンドの想いが真っ直ぐに届けられた後、「さぁ、いこうか!」と用意されていたのは『「C」』。オリジナルは2014年にリリースされた楽曲だがそこに込められたメッセージは驚くほど今のChantyの姿に重なり、「『C』を改めて形にしたい。」というメンバーの長年の願いが現体制で叶った事も、今回のツアータイトルがこの曲のフレーズから選ばれた事も、全ての巡り合わせは必然だったのだろうと腑に落ちた。

 

本編ラストに選ばれたのは、『赤い糸』だった。

繋がっている糸をたどって 迎えに行くから少しだけ待っててね

 

あたたかなメロディーに乗せて歌われた言葉どおり、これから彼らは新たな糸を結んだり、結び目をより強固にしたりしながら、沢山の人達を迎えに行くための旅に出る。

 

過去と未来を繋ぎ合わせた真ん中あたり202399日・川崎CLUB CITTA‘で再び待ち合わせをする約束をして帰りを待とう。

アウトロに響くラララの歌声を聴きながら、そう感じたエンディングであった。

 

本編が終わった瞬間から沸き起こったアンコールの声に応えるべく、再びステージに戻った4人。

初のワンマンツアー初日の感想を聞かれたshotaが開口一番「暑い!」と口にするほど、場内の熱気は冷める気配すらない。

楽器隊によるトークが芥の喉の手術話題へ移ると、「本当にご心配をおかけしました。」と頭を下げた芥は「絶対に最強になるのでよろしくお願いします!」と決意に満ちた声色で力強く宣言し、ホールは割れんばかりの拍手で包まれた。

 

一体感が気持ちいい『流星群』で幕を開けたアンコールは、気合いの応酬のような『冤罪ブルース』のコール&レスポンスでテンションを振り切ると、そのまま『逆上のパルス』へとなだれ込む。「最後、ひと勝負いこうか?」挑発的な芥の問い掛けに刺激されヘドバンで対抗するオーディエンスをまだまだ!と言わんばかりに眺めて煽るメンバー達。疾走感あふれるサウンドで駆け抜け、会場のボルテージは最高潮に達した。

 

「千葉LOOK、今日は本当にありがとうございました!」最後の最後に演奏されたのは、『奏色』。優しい音色に合わせて左右に振られる沢山の手は4人を「いってらっしゃい!」と見送っているかのようで、その光景を前にした彼らは最高の笑顔で「いってきます!」と返して旅立って行った。

 

鳴り止まない拍手とアンコールの声は、客電がついても更に大きくなるばかり。

Wアンコールは叶わなかったが、終演アナウンスが流れた直後にホールを包んだ拍手の大きさが、この日のライヴの素晴らしさを物語っていた。

 

『電光石火の轟音踊れや踊れいばら道』。shotaの凱旋公演でもあるファイナルの水戸LIGHT HOUSEまで全国10公演のこのツアーと、多くのイベント出演で更に磨かれ成長するであろう彼らが、まず目指すのは10周年記念公演の202399日・川崎CLUB CITTA’。この日・この場所でしか観る事ができないChantyを見逃す事の無いよう、1人でも多くの人に足を運んでもらいたい。

 

15年・20年と続くバンドになれるように、死に物狂いでいばら道を駆け巡っていく。」

 

決意を込めて掻き鳴らされる電光石火の轟音が今、未来への扉をぶち破る。

 

 

文:富岡 美都(Squeeze Spirits

 

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<リリース>

 

★2023年4月26日(水)最新シングル
「散花」
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■Type A
1.散花
2.戯れ事
ダウンロードカード
1.散花 music clip & 特典映像集
¥1,980(tax in) MNPK-030
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■Type B
1「散花」
2.戯れ事
3.「C」2023.ver
¥1,650(tax in) MNPK-031

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<ライヴ>

 

 

 

■Chanty 10th anniversary 電光石火の轟音踊れや踊れいばら道ワンマンツアー

4月23日(日) 千葉LOOK
4月28日(金) 高田馬場CLUB PHASE ※芥生誕前夜祭
4月29日(土) 長野CLUB JUNK BOX ※芥生誕祭
5月20日(土) 福岡INSA ※野中拓生誕祭
5月21日(日) 福岡INSA ※野中拓生誕祭
6月9日(金) 札幌Crazy Monkey
6月10日(土) 札幌Crazy Monkey
6月24日(土) 名古屋Heart Land
6月25日(日) 大阪RUIDO
7月2日(土) 水戸LIGHT HOUSE

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■10Year Anniversary Oneman 「Chantyの世界へようこそ」
2023年9月9日(土) 川崎CLUB CITTA’

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OPEN 16:00 / START 16:30

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・先行Sチケット ¥10,000

・物販Aチケット ¥6,000
電光石火の轟音踊れや踊れいばら道ワンマンツアー中の物販手売りのみ。
スペシャルピクチャーチケットに、メンバー一人がサインを入れてプレゼント!!

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・一般Bチケット ¥6,000
7/8(土) 10:00 〜 販売開始
ローソンチケット https://l-tike.com/chenty/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/chanty-10th/

・当日券 ¥7,000

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入場順:S→A→B→当日券

問)チッタワークス 044-276-8841
(平日12:00〜18:00)

 

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★Chanty OFFICIAL SITE★
http://chanty.jp/

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