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2023年04月05日 (水)


【ライヴレポート】<The Benjamin 8th Anniversary ONEMAN TOUR 2023「Bless in the Octave」Final>2023.03.21 浅草花劇場◆「明るい光のほうを向いてしまう、そんな本質が根づいている」

REPORT - 21:09:55

2023年3月21日、観光客の賑わいが戻ってきた浅草で、The Benjaminの8th Anniversary ONEMAN TOUR 2023のファイナル『Bless in the Octave』が行われた。新型コロナウイルスによる影響を受けた一昨年、昨年の周年記念の鬱憤を晴らすかのように、メンバーとバーバラ(The Benjaminのファンの総称)が熱く盛り上がった夜の模様をお届けしよう。

 

会場である浅草花劇場は、日本最古の遊園地といわれる花やしきの一角に位置する。レトロな情緒たっぷりのアトラクションを横目に会場へ向かうという、普段のライヴにはない感覚に少しドキドキ、ワクワクしながらホールへ。そこには、最新シングル「Beelzebub」からのモチーフであるハエのイラストが描かれたバックドロップが観客を待っていた。

 

開演時刻を迎え、けたたましいほどにSEが鳴り響く。メンバー3人が登場、黄色い歓声が沸き起こる。ようやく声出しが解禁になり始め、ライヴにおける観客の声の存在の大きさを改めて感じるこの頃。ジャンルやアーティストによってファンの歓声は異なるものだろうが、The Benjaminのそれは間違いなく黄色い声だ。メンバーの名前を連呼する黄色い声に、会場が一気に華やいだ空気になった。

 

ライヴの開始を告げた「Beelzebub」で、豹変したかのようにファンがこぶしを振り上げ始め、3人の表情にも気合いがみなぎる。そのまま「Bisque Doll Magic」へ、激しくも仄暗い世界観を漂わせつつ、記念すべき特別なライヴは上々の滑り出しとなった。

 

このツアー初日から既にライヴでの声出しを解禁にしていたこともあり、ファンもすっかりライヴの感覚を取り戻している様子。そこへさらに、「全力で来いよ! いい加減な気持ちで来るな!」と、Mineyが強い言葉で煽る。

 

 

「Bumble Bee」ではMashoeのランニングベースがリズミカルに観客の体と会場の空気を揺らし、続いて「ビスケット」「Blurry Senses」では、その声で会場を包み込む。曲によってはMiney以外のメンバーもメインヴォーカルを担当するThe Benjaminだからこそ、Mineyとはタイプの違うMashoeの歌声は大きな魅力のひとつだ。

 

 

8周年記念ライヴだけに、新旧の曲を織り交ぜつつ、ライヴは展開。そしてさらに、汽笛の音から始まったのが新曲「バスタートレイン」。ジャジーなリズムに合わせ、ノビノビと自由にノリを楽しむ3人を前に、ファンも初めて耳にする曲をおおいに楽しんだ様子。

 

「どんどん新しいものをつくっていきたい」というMineyのMCどおり、自分たちの創作意欲に貪欲に、音楽に対して果敢に、ずっと挑戦し続けているのがThe Benjaminというバンドだ。そんな彼らのライヴだからこそ、ファンと一緒にひたすら音楽を楽しむ特別な空間になるのだろう。

 

 

「ベルガモット」では、ひときわプレイに集中しているTackyの存在が光り、ギターソロではギタリストとしてのMineyと二人で背中を合わせてギターを奏でるロックバンドのステージならではのシーンが。終盤に向かって、会場はますます盛り上がりを見せていく。

 

 

荘厳な印象の鐘の音から「Babel」がスタート。Mashoeの咆哮に応えるようにファンのノリも猛々しさを増すと、続く「ベンガルタイガー」から「Bark in the Garden」で激しさはマックスに。この2曲は、コロナ禍真っ最中に試行錯誤で活動を続ける中で生まれ、2022年3月にシングル「Bark in the Garden」とそのカップリングとしてリリースされた曲。ここでThe Benjaminは大きく変貌を遂げ、いわゆるヴィジュアル系と呼ばれるシーンの王道をいくサウンドや曲調を奏で、黒い衣装をまとうようになった。その変化は今なお現在進行中であり、彼らの進化はまだまだとどまることを知らない。

 

次の「BELIEVE」は、2022年7月にリリースされた3rdアルバム『BELIEVE』の最後を飾るタイトル曲。“信じること”をテーマにしたストーリーの最後を飾る曲は、8周年記念のこの日にふさわしく、あふれる喜びと強い決意とともに心に響いた。黒い衣装を身にまとい、退廃的な雰囲気を漂わせ、攻撃的な言葉を口にしていても、やはり彼らの根っこには、明るい光のほうを向いてしまうような、そんな本質が根づいているように思える。

 

本編最後を飾った「SORA-Boeing229-」の伸びやかなMashoeの歌声も会場いっぱいに広がる高揚感も、そして笑顔ではしゃぐMiney、Tacky、Mashoeの姿も、言葉で表現するなら、つまりは“幸せ”ではないだろうか。そんな彼らの本質を実感したところで、本編終了。

 

 

アンコールでは、Mineyが亡き父親への思いをつづった名曲「Because-Love is Here-」、最初の緊急事態宣言を経験して生まれた「ブーツを脱いで」と続け、最後はもちろん「バーバラ」。ファンへの愛情をたっぷり込めた演奏を全身で受け止めるバーバラの姿に、会場は温かな幸福感に包まれていた。

 

最後にMineyが、「もっとカッコよくなります!」と宣言してステージを去ったが、これこそがThe Benjaminの目指すところを言い得ているだろう。さまざまな曲を生み出し、スタイルは変化しつつも、カッコいいロックバンドであることは変わらない。9年目、10年目へと、どれだけカッコよくなるか、期待をふくらませながら追いかけていきたい。

 

 

 

文:村山 幸
写真:米田 光一郎

 

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The Benjamin
8th Anniversary ONEMAN TOUR 2023 「Bless in the Octave」Final 2023.03.21 浅草花劇場

[setlist]

1.Beelzebub
2.Bisque Doll Magic
3.BumbleBee
4.ビスケット
5.Blurry Senses
6.ボードレールに沈む海
7.ブーゲンビリア
8.バスタートレイン
9.ブルータス、オマエもか
10.ベルガモット
11.Babel
12.ベンガルタイガー
13.Bark in the Garden
14.BELIEVE
15.SORA -Boeing229-
encore
16.Because -Love is here-
17.ブーツを脱いで
18.バーバラ

 

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[ライブ情報]

BadeggBox presents「BATTLE FEVER TOUR 2023」
04.08 (Sat) 名古屋MUSIC FARM
04.09 (Sun) 大阪CLAPPER
04.15 (Sat) 横浜Music Lab.濱書房
04.22 (Sat) 上野音横丁

 

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[音源情報]

 

5th Single NOW ON SALE
タイトル:「Beelzebub」
アーティスト:The Benjamin
発売日:2023.2.8
形態:シングル
品番: BDBX-0095
価格: 2,200円(税込) 2,000円(税別)

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収録曲:
1.Beelzebub
作詞/作曲:Minemura Akinori
2.ボードレールに沈む海
作詞/作曲:Minemura Akinori

発売元/販売元:BadeggBox

 

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ライブ会場/バデッグボックスオンラインショップ限定販売
http://badeggbox.shop-pro.jp/?pid=172681253
購入特典詳細(DVD「2022.10.16 渋谷Plesure Pleasureワンマン映像」)
http://thebenjamin.jp/news.php?id=632

 

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[動画情報]
MV「Beelzebub」トレーラー映像
https://youtu.be/2CCnhhszlTI

MV「ボードレールに沈む海」トレーラー映像
https://youtu.be/i3Oa5Li6vBg

LIVE 20221016 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE ダイジェスト
https://youtu.be/Xl9YoiI0Z14

[オフィシャルwebサイト]
http://thebenjamin.jp/