NEWS

2020年08月29日 (土)


【ADAPTER。】15周年アルバム「虹始見。」リリースインタビュー◆「たくさんの愛をふんだんに詰め込んだこのアルバムをみなさんも聴いて、ぜひ愛を感じてください。」

NEWS - 12:00:34

 メトロノームのギタリストである福助。が、ADAPTER。として活動を始めて今年で15周年を迎えた。

彼は、“15周年を祝うようにアルバムを制作。

それが、99日に通販/配信(shop MECANOでのみ店頭販売)リリースの「虹始見。」(にじはじめてあらわる。)になる。

 

15曲収録にしたのは、15周年に掛けて。

内容も12曲の新作に加え、すでに音源として入手不可能な楽曲の中から、今もライブで好んで演奏している「また咲き誇る頃に」「残念な子」「ご自由にどうぞ」を新録。

さらに「四季並べ」では、ゲストベーシストとして中野テルヲ、ゲストコーラスにRicky、「僕と君の幸せ」には、アイノリ・テクノーズ(ADAPTER。の福助。と小林写楽、Cosmo-Shikiの清水良行、ピノキヲのうゆにによるアイドルユニット)がコーラスで参加している。

 

本作の特徴は、福助。らしさを遺憾なく発揮していること。

彼自身の音楽的な影響も、曲の中へ多分に発揮されている。

「肩肘張らず。でも、手を抜かず」と本人も語るように、「着飾らないけど最新型」なADAPTERSOUNDがこのアルバムには溢れている。

15周年だから15年間の歩みをではなく、今、最も自分らしいリアルな姿を提示してゆくところも福助。らしさ。

別の捉え方をするなら、15年間の蓄積が今の最新モードを生み出してるということだ。

 

この作品について、福助。がたっぷりと語ってくれた。

 

====================

「肩肘張らず、手を抜かず」。

福助。らしさを投影した、ADAPTER。の15周年アルバム「虹始見。」が完成!

====================

 

――ADAPTER。も今年で活動15周年を迎えるんですね。

 

福助。:そうなんです、何時の間にやら

 

――その15周年に合わせて制作したのが、アルバム「虹始見。」になります。

聞いていて感じたのが、良い意味で肩肘張らない福助。さんの姿が見えてくる作品ということでした。

 

福助。:肩の力は抜けていましたね。もちろん、手は抜いてないですけど(笑)。

 

――福助。さんの歌詞を読んだ人たちの多くが「天の邪鬼な性格だね」と言います。

でも福助。さん自身はわざとシニカルな視点で書いているのではなく、真っ直ぐ純粋な気持ちで歌詞を書いている。

それが、たまたま人とは異なる視点だから「天の邪鬼」に思われてしまう。

自分はそう捉えているのですが

 

福助。:まぁ、そうですね。

歌詞に書いていることは、自分でも間違っていないと思って書いています。

ただ、まともな人間ではないと自分でも思っていますし、人とは視点が異なっているんでしょうね。

歌詞を書くに際しても、何時だって「自分の素直な気持ち」を書けば、それが一番自分らしい言葉としても反映されますし、そのほうが聴く側にも素直に伝わりやすいですから。

 

――肩肘張らず素直に想いを投影するスタイルは、歌詞とサウンドの両面に反映していることじゃないですか?

好きなアーティストからの影響も、曲によっては見えますからね。

 

福助。:そこも、いい感じで力が抜けているからだと思います。

いまさら、好きな物事を隠す必要もない。

誰もが何かしら好きな音楽に出会い、それを聴いて育ってきたわけじゃないですか。

その音楽が心の中から消えることがなければ、その影響も自然に作る楽曲へ反映してゆく。

要はそれを隠すのではなく、どう自分の色として組み込んでいくかの問題で、いくらその人をリスペクトしていても、けっしてその人にはなれないし、ならない。

そんなことは、長く音楽に携わっていると重々わかっていること。

それをどう、自分の中で好きに消化していくかということなので。

 

――「四季並べ」には、ゲストベーシストとして元P-MODELの中野テルヲさんが参加。

まさに、福助。さんのリスペクト心を刺激する方が弾いています。

 

福助。:ずっと尊敬していた方に今回参加していただきました。

誘い方はけっして軽くはなかったんですけど、軽い気持ちで「中野さん参加してくれないかな」と思い立って声をかけたところ、快くOKしてくださいました。

自分がリスペクトしてきた方が参加してくれたことが、なんと心強かったことか。

実際に中野さんのベースが加わったことで、もともとあった楽曲が大きく生まれ変わりましたからね。

中野さんのベースは独特なメロディーで独特な間の取り方をしているんです。

そういう自分には無いエッセンスを加えてくださったことで、予想以上に良い楽曲に仕上がりました。

 

――「四季並べ」には、ゲストコーラスでRickyさんも参加しています。

 

福助。:Rickyさんに声をかけたところ、「何をやればいいの?」と、彼も快く参加の返事をくださいました。

今回は「四季並べ」のコーラスとしてお願いをしたわけですが、僕の歌声より小さくして入れてるにも関わらず、それでも際立って聞こえるところはさすがRickyさんですよね。

 

――「僕と君の幸せ」にも、「アイノリ・テクノーズ」の方々が参加しています。

 

福助。:「アイノリ・テクノーズ」というユニットは、僕、(小林)写楽、Cosmo-Shikiの清水良行、 ピノキヲのうゆにと、ソロユニットをやっているメンバーが集まって、昨年より始めたアイドルユニットで。

せっかくなので参加してもらいました。

 

――一部ゲスト参加もありますが、基本は福助。さんの手により完全構築した作品としてアルバム「虹始見。」は仕上げています。

 

福助。:実は一瞬「15周年に掛けて15曲収録するんだから、ゲストも15人呼んだら面白そう」という考えが頭をよぎったんですけど、「15人も友達いないな…」と思って(笑)。

 

――そんなことはないですよね。

 

福助。:もちろん、いろんな方々との繋がりはありますけど(笑)。

僕はギタリストなので、友達もギタリストが多いんです。

でもADAPTER。は僕一人ですべての楽曲を構築しているユニットだから、彼らに参加を呼びかけても、どの曲にも新たなギターを入れる箇所がないんですね。

だったら無理にゲストを入れることなく、全部自分で構築することにしたわけなんです。

 

====================

聞いた人の捉えた答えが、その人の正解になる。

====================

 

――アルバム「虹始見。」には「また咲き誇る頃に」「残念な子」「ご自由にどうぞ」と、過去に発表した楽曲のリ・レコーディング曲も収録しています。

 

福助。:最初はすべて新曲で構築しようと思ったんですけど。

今でもライブ演奏しながらも、会場限定盤などの理由からもう手に入らなくなっている曲たちがADAPTER。にはあります。

そういう楽曲も、今のADAPTER。として聴いてもらいたいなと思ってリ・アレンジしました。

 

――アルバムの販売時期を考えると、制作はコロナ禍の時期にも重なっていたのかなと想像します。

楽曲によっては、その時期の心境を歌詞に反映していません?

 

福助。:主にコロナ禍の時期に曲制作をしていたので、その時期の心境を反映した曲もありますね。

ただ、以前からADAPTER。には病気やウィルスの脅威などを書いた歌もあるので、なんでもかんでもコロナに関連しているわけではないです。

とはいえ、聴いてくださる方がそう思ったのなら、それが正解。

そこは自由に捉えていただけたらと思います。

 

――本作は「ADAPTER15周年」を祝しての制作になりますが、収録した曲は「15年間の歩み」を反映したわけではなく、どれも「今の時代の中で感じる想いや表現したい音楽性」を形にしていますよね。

 

福助。:昔と同じようなことをやっても、それはそれで良いのかも知れませんけど。

やはり、今やりたいことを表現してこそじゃないですか。

そのうえで毎回心がけているのが「ライブで演奏する際にどうするか」「ライブでこういうパフォーマンスをするから、アレンジはこうしよう」など、どの曲も“ライブ”を前提にしていること。

やはり、そこは欠かせないですよね。

もちろん、音源だからこそのアレンジとしてアルバムには収録していますけど。

すでにライブ配信を通して演奏したいくつかの新曲たちは、アルバムとはアレンジを変えて披露しました。

99日にこの「虹始見。」の発売記念ライブを無料配信で行うのですが、そのときにまたどういう形にリ・アレンジして届けるのかも、すでに楽しみにしています。

 

――ADAPTER。の場合、基本は打ち込んだトラックを流す形じゃないですか。

とはいえ、けっしてアルバム音源の再現をやっているわけではないですよね。

 

福助。:もちろんです。

どの曲もその場で鳴らしている楽器があれば、そのときのライブの雰囲気に合わせてフレーズを作っています。

作品に収録した楽曲をライブ用に書き出すときも、音源の抜き差しをしながら新たな音源をそこへ加えたりしていて、CDと同じ音源をライブで流すことは一切ないです。

むしろライブという場でどんなフレーズが生まれるかなど、そこで新たに生まれる音楽を僕は毎回楽しんでいます。

 

====================

その視点が天の邪鬼?!

====================

 

――ADAPTER。の楽曲へ強く惹かれる要素のひとつに、福助。さんの書く歌詞があります。

人との想いのやり取りを記した歌を聴いていても、何時も真正面ではなく、様々な角度から予想を嬉しく越えた視点での想いを伝えてゆく。

だから、その視点に心惹かれてしまうんでしょうね。

 

福助。:自分の場合、何処かしら斜めの方向から人の心や物事を見ていることが多いんです。

変に頑固だし、自分の思っていることが正しいとも考えてる。

だからと言って、自分の意識や考えを周りへ強要しようとは思ってない。

その人たちが思っている意識や考え方を否定もしなければ、それで良いなとも思っています。

そのうえで「自分はこう思ってる」という意識を曲げないだけ。

それに対して「人とは違う方向から見ているね」と感じたり、それを言葉にして伝えてくる人がいるんだという風に僕自身は捉えています。

 

――意識的に違う角度から見ているわけではなく、当たり前に見たり捉えている視点が、たまたま人とは異なっていたということですよね。

 

福助。:そうです。決して他の人とは違う風にしたいとは思っていないし、自分の意見や意志を強要して、他人様に迷惑をかけることもしたくない。

むしろ、いろんな人たちと意識を共有して馴染んでいきたいのですが、どうしても人とは違う角度で物事を捉えていくことが多いみたいですね(笑)。

 

====================

それぞれの季節と心が寄り添いながら描き出す、物語や心象風景の数々。

====================

 

――アルバムへ記した「虹始見。」というタイトル。

この言葉の意味も、とても気になります。

 

福助。:昔の中国では1年に渡る季節を24個に分け、その1個をさらに3つに分け、それぞれに季節を表す言葉を記しています。

「虹始見(にじはじめてあらわる)」も季節を表す言葉の一つであり、「雨が上がった後に虹が初めて表れ出る時期」のことを指しています。

僕はその季節が一番好きなんですね。

そこから、このタイトルを持ってきました。

昔の中国の人たちがこれほど季節にいっぱい名前を付けたのも、それぞれの季節の中で色々な出来事が起き、1年という季節が濃いからこそ。

その1年間という濃密さを詰め込めたら、という想いも持って、このアルバムを作りました。

 

――もしや、収録した曲たちも

 

福助。:「虹始見。」に収録した15曲は、どれも1年間の季節を表す歌になっています。

どの歌も季節を舞台にしていますけど、季語が入っているとは限らない。

恋愛系の歌詞でも、その情景を思い浮かべたときに見えてくる季節をそこに重ねて表現するなど、「こういうことが起きるのもこの季節だから」というように、その感情が生まれる季節として記した歌もあります。

そういう風に聴いていただけたら、楽曲の捉え方も変わっていくんじゃないかと思います。

 

――季語は入っていなくとも、どの楽曲も季節と心模様がリンクしているわけだ。

 

福助。:そうです。もちろん、季節をわかりやすく投影した歌も入っています。

「また咲き誇る頃に」や「みちしるべ」は、桜の季節をイメージして書きました。

他にも「記憶桜」など、僕自身が春という季節が好きなので、自然と桜の時期をイメージした歌が多くなるんだと思います。

「四季並べ」には四つの季語を入れ、より季節感が伝わるようにも書いていますしね。

 

――季節も意識して聴くことで、ひとつひとつの楽曲へ、より情緒や深みを感じるなと思いました。

 

福助。:だとしたら嬉しいですね。

聴いた人たちが記された歌詞を通して自分の思い出の中の風景と照らし合わせて「こういう経験、秋にあったなぁ」など、そういう風に想いを馳せてくれても嬉しい。

そうやって自分の思い出とリンクしてもらえたら、より一層感情移入しながら曲を聴いてもらえると思います。

 

――人と人との関係性と季節を組み合わせ描いているところまでしっかり捉えて聴いていただけたら、より収録した曲たちを楽しめそうですね。

 

福助。:そうなんですよ。日本という四季の移り変わりを感じれる国に生まれた以上は、そういうところも感じながら。

そのうえで、それぞれの思い出も重ねて聞いてもらえたらなと思います。

 

――福助。さんが、とくに「これを聴いて欲しい」という曲があれば、それも教えてください。

 

福助。:アルバムの冒頭を飾った「大義乃唄」は、自分が一番好きな曲。だからこそ1曲目に持ってきました。

この曲を聴いて気合いが入ることで、その後を聴く楽しみも増していく。

今回のアルバムは全部で15曲入りですが、曲数が多いと人によっては途中でだらけてしまったり、印象が薄くなってしまう曲が出てしまう可能性もあると思うんです。

だからこそアルバムの最初と最後は気持ちをグッと引き締める曲にしたくて「大義乃唄」と「四季並べ」を持ってきました。

「沈黙の中の君」はゆっくりとした静かな曲ですけど、この手の楽曲は今までADAPTER。にはなかったから曲の雰囲気的にも気に入ってます。

「僕と君の世界で」に記した歌詞も、すごく温かくなるような世界観が好きですね。

 

====================

自分の体験や思い出と重ね合わせて、四季の心模様の変化を楽しんでいただけたら。

====================

 

――完成したアルバム「虹始見。」、福助。さんにとってどんな作品として仕上がりましたか。

 

福助。:ぜひ、自分に当てはめて聴いてもらえたらなと思える作品です。

聴いた人それぞれの感じ方次第で、曲に込めた四季の捉え方も変わっていくと思います。

CD盤としてはひとつの流れを作りあげていますけど、配信を通して手にしていただく方の場合、自分なりに四季を並べ替えて聴いてもらえたら

そんな風にこの作品を通して、四季の心模様を楽しんでいただけたらなと思います。

加えて今は、99日に行う配信ライブでこの曲たちをどう届けるか。

この日の為に使いたい機材も買い揃えたので、すごく楽しみにしています。

 

――今回のアーティスト写真もかなりインパクトがあります。

 

福助。:この観音像は、大船駅の山の上にそびえ立っています。

そこにはでっかい上半身の姿のみが見えるんですけど、大地に下半身が埋まっているという都市伝説も囁かれています。

僕が育ったのが大船で、あらためて「地元愛」を感じようと、この観音像のもとで撮影をしました。

「虹始見。」というアルバムは「地元愛」「機材愛」「楽曲へ注いだ愛」「自分にも愛を注いで」、作りあげました。

自分に愛を降り注ぐと、自然と「人にも愛を注いでいける」ようになる。

そういう想いを持って作りあげたのが「虹始見。」というアルバムであり、それがADAPTER15周年のコンセプトにも繋がった。最終的に辿り着いたのが「愛」だったんです。

たくさんの愛をふんだんに詰め込んだこのアルバムをみなさんも聴いて、ぜひ愛を感じてください。

 

 

TEXT:長澤智典

 

====================

 

<音源情報>

 

★202099日発売

アルバム「虹始見。」

 

品番:APCRD-2003G

価格:¥3,500+税

 

収録曲:

01_大義乃唄

02_残念な子

03_また咲き誇る頃に

04_みちしるべ

05_記憶桜

06_合縁奇縁

07_ご自由にどうぞ

08_超越論的主観性

09_沈黙の中の君

10_凸凹へちゃむくれ

11_奇しき運命

12_好事家な君

13_僕と君の世界で

14_僕と君の幸せ

15_四季並べ

 

====================

 

<配信LIVE情報>

 

日程 202099()

配信元:ツイキャス

配信アカウントART POP ENTERTAINMENT

https://twitcasting.tv/c:artpop_event

 

開演19:00

料金無料

 

ART POP ENTERTAINMENT045-650-2155(平日12:0019:00)

info@artpop.org

 

9/09に活動開始15周年を記念した最新フルアルバム「  虹始見。」リリースするADAPTER

発売記念LIVEの無料配信が決定!SPACE ODDの巨大LEDを背景に、映像と融和したスペシャルな

ライブをお届けします。

*本LIVEは再編集の上、DVDにて発売予定です。

詳細はADAPER。オフィシャルサイトにて近日発表いたします。

 

====================

 

★ADAPTER。 OFFICIAL SITE★

 http://www.adapter-web.net/

★ADAPTER。 OFFICIAL Twitter★

https://twitter.com/ada_official

★福助。 OFFICIAL Twitter★

https://twitter.com/ada_fukusuke