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2017年11月20日 (月)


【ライヴレポート】<TAKE NO BREAK>[Demonstration ~伍~]2017年11月11日(土)下北沢CLUB251◆そうここから踏み出そうか 開かれる扉の向こうへ

REPORT - 15:31:26

 もはや、バンド以上にバンド然としたライヴパフォーマンス。彼らが今宵この場で繰り広げていたのは、まさにそれでしかなかった。

 

 昨秋にNIGHTMAREが活動休止となって以降、その動向が注目されていた中でヴォーカリスト・YOMI が本名の“淳”と名乗り、ギター・U.K.、ベース・朋(12012~現More)、ドラム・デスヲ(P.I.MONSTER他)という、なかなかにクセモノ揃いな盟友たちを率いてのソロプロジェクト・TAKE NO BREAKを起ち上げたのが、かれこれ今春のこと。

 

 ちなみに、いずれのメンバーも淳とはもともと“長年の呑み仲間”という関係性にあったそうで、「このメンツだからこそ出来るような面白いことや、今までやっていなかったようなこと」をやっていきながら、近年の淳が抱えている喉の病気のリハビリをも兼ねた活動をしていくことを念頭に、満を持して動き出したのだという。

 

 その後、7月には初音源となる鮮烈なシングル『BREAK THE LIMIT』を発表して、淳の生まれ故郷である仙台では[Demonstration ~零~]、また東京においては[Demonstration ~壱~]題したファーストライヴを行っていたわけだが、なんとこのたびの彼らはそれからたった3ヵ月ほどで強烈な次弾を放つことに。

 

 この10月末にミニアルバム『BRAND NEW SOUND』をリリースしたうえで、それを受けてのシリーズライヴ[Demonstration]を仙台・名古屋・大阪そして東京にて行い、最終日となったこの下北沢CLUB251公演[Demonstration ~伍~]では、いよいよバンドとしてのボトムが完全に固まってきたところを我々に対して見せつけるに至ったのである。

 

「今回のツアーでは仙台、名古屋、大阪と廻ってきて今日この東京に帰って参りました!なんか、こうして4ヵ所でやってみて自分的に凄く感じているのは、始まった頃より「歌いやすくなってきたな」っていうことなんですよ。そして、全体的なことに関してもタダの呑み仲間だったところから(笑)、ここに来てしっかりとバンドになって来たなって感じてます!」

 

 これは淳がアンコールにて発した言葉になるが、ミニアルバム『BRAND NEW SOUND』の冒頭を飾る「ALBA」から始まったこの夜のライヴは、夏のファーストライヴの時と同様に本編では一切MCをはさまず楽曲のみで押して行くスタイルがとられていたものの、その内容自体は確かに約3ヶ月前のそれとは全く異なっていたと言っていい。ステージから発される熱量、音の中に渦巻く濃厚なグルーヴ感、メンバーたちのみせる心からの笑顔や伸び伸びとしたさま。それらはどれもこれも、TAKE NO BREAKが既に淳のソロプロジェクトとしての体裁や枠組みをとうに超え、もはや彼らがバンド以上にバンド然とした存在になって来ていることの証として受け取れたのだ。

 

 とはいえ、いかんせんまだ始動から半年ちょっとではオリジナル曲の数が少ないのも事実であり、本編終了後に大きなアンコールの声が場内から湧き上がった際、彼らは本編中にも演奏した「BREAK THE LIMIT」と「RUN THE WORLD」の2曲でその声に応えることとなったのだが、同時にここではここからに向けた吉報がもたらされる一場面も…。

 

「今度、12月30日には渋谷WOMB[BRAND NEW START with OREmind]というライヴをやるんですが、これが僕たちにとっては来年に向けた本当の意味での新しいスタートになります。そして、1月の後半か2月のアタマくらいにはアルバムを出させてもらって、2月からは今回よりも規模の大きい全国ツアーをやることになりました!」(淳)

 

「今日は僕ら、これから皆で打ち上げで呑みに行っちゃうので公式サイトの更新は明日になりますがよろしく(笑)」(U.K.)

 

 なお、11月13日からは1週間ほどセンター街近辺に7ヵ所に設置されている渋谷ヴィジョンにて、年末のライヴに関する告知CMが1時間ごとに流されるそうで、さらに年内には公式動画サイト・TNBchの開設も決定しているのだとか。

 

「ここから1歩ずつ、1歩ずつ行かないとね。今年はこうして、僕の為に集まってくれた皆とソロプロジェクト・TAKE NO BREAKを始めさせてもらえて凄く嬉しいし、普段はなかなか言葉に出来ないですけど本当に感謝してます。いろんな人に助けてもらえているのは、きっと僕の人徳なのかなと(笑)」

 

 いかにも淳らしい茶目っ気たっぷりなこの言葉に、すかさずギタリスト・U.K.が「その人徳っていう言葉、ちゃんと意味わかって使ってます(笑)?」とツッコミを入れるあたりも、TAKE NO BREAKならではの微笑ましい絶妙な連係プレイであったことに間違いなく、この夜このステージ上で起きた全ての事象からは、今の彼らがとても良いテンションでこの活動と音楽に対して向きあっていることがひしひしと伝わってきた。

 

 アルバム『BRAND NEW SOUND』の収録曲「ALBA」の中の一節に《そうここから踏み出そうか 開かれる扉の向こうへ》とあるとおり、TAKE NO BREAKの目指す未来は彼ら自身の手によって、ここからさらに切り開かれていくことになるはずだ。

 

 

Writer◎杉江由紀                                                

Photographer◎sentaro

 

 

★TAKE NO BREAK★

http://www.takenobreak.com/