2017年09月17日 (日)
【ライヴレポート】MASK主催イベント<仮面舞踏会-2017->9月9日(土)TSUTAYA O-EAST◆終わることのない夢の一夜、そして新たな始まりの日。
REPORT - 14:41:50昨年5月1日、10年ぶりに一夜限りの復活をZEPP TOKYOにて果たした”MASK”。
夢の一夜は、あの日で終わることはなかった。
いや、そのゾロ目の日が”MASK”(第一期/第二期)にとって新たな始まりの日となった。
“MASK”の第一期で、かつて行っていた主催イベントタイトル「仮面舞踏会」を、9月9日(土)TSUTAYA O-EASTを舞台に開催!
改めて活動継続を告げた。
この日のイベントは、アンティック-珈琲店-/少女-ロリヰタ-23区/SANA/HERO/葵-168-がゲストで参加。
もちろん”MASK”も、第一期と第二期、二つの形で出演。
司会として、出演者全員と仲の良い星野卓也氏が登場。幕間でライブを終えたメンバーらと軽妙なトークを繰り広げていた。
今回のイベントの特徴は、SANA/HERO/葵-168-と”MASK”のメンバーらが現在活動しているバンドとしても出演していること。
「”MASK”のメンバー全員が現役で音楽活動を続けているからこそ実現できる。そこが何よりも大事なことなんですよ。」とMICHIRUは語る。
つまり、各メンバーが現役ミュージシャンとして活動を続ける限り、”MASK”もまた不定期ながら継続してゆく意志を、彼らは先の言葉として語ってくれた。
この日は2階席まで埋めつくした超満員の観客たちを前に、SANA/アンティック-珈琲店-と続いた後に”MASK”(第一期)が登場。
少女-ロリヰタ-23区/HERO/葵-168-と続き、”MASK”(第二期)が出演。
最期に”MASK”(第一期/第二期)の7名が揃ったライブを見せる形で進行。
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第一期”MASK”。
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時代をタイムスリップするように流れた『お通しパレード』のSEに乗せ幕が開くと、赤いお揃いの衣装を身にまとった5人が姿を現した。
AOIの「色鬼、始めましょう!」の声を合図に飛び出したのが、第一期”MASK”のライブへ熱狂を描き続けた『色鬼』。
NANA、KAZUTAKE、MICHIRU、SANAの攻撃的な演奏が、AOIの煽りに刺激を受け、場内は一瞬にして熱気へ包まれてゆく。
客席を激しく挑発する5人。殺るか殺られるか、この刺激がたまらなく胸を熱くさせる。
ザクザクとしたサウンドの上で5人は妖しく刺激的に『Gemini』を突き付け、観客たちを熱狂の中でとろけさせた。
艶やかなAOIの歌声とは裏腹に、楽器隊の演奏は鋭利な音の刃をチクチクと突き付けてゆく。痛心地好い刺激が、たまらない。
「踊ろうか?」
『東京トリックシアター』に乗せはしゃぎだす観客たち。このダンスは頭の螺子をイカれさせる。
SANAとMICHIRUのギターの旋律が、頭の神経をどんどん歪ませる。このヤバい陶酔感は、今の時代には感じれない刺激だ!
「SANA/KAZUKATE/NANA/MICHIRU/MINAMI/AOI、この6人が”MASK”です。天にいるJINくん聞こえてますか?」
遅刻してリハーサルを欠席したJINへ皮肉を込めたAOIのユーモアなMC。
「聞こえてますか、JINくん?俺たち”MASK”は格好いいよね!」
「けっして途切れるごとのない赤い絲、ここできつく結びましょう」。
『赫い盲目』でも第一期”MASK”は、妖艶/哀愁/スリリング/ダーク/興奮など感情を激しく乱す音のスパイスを掻き混ぜ、観客たちを刺激してゆく。
その妖しい高揚や心を潤す哀愁歌謡なAOIの歌声が、互いの心の絲(意図)をきつく結びつけていった。
猛り狂うSANAとMICHIRUのギター、そしてKAZUTAKE、NANAのボトム。
胸の内側へ黒い闇を忍ばせるよう影を抱いた痛い想いを、AOIが哀切な声色を持って注ぎ込む。
ヒステリック/メロウな演奏に乗せ響かせた『ためらい自殺信号』が、闇に浸る心地好さを教えてゆく。
「誰か生きる意味を教えてよ」
その言葉は人の心を救う呪文のようにも響いていた。
かかってこいとばかりに、ふたたび舞台上で暴れだしたメンバー。
AOIは『XxxXマスター』を挑発するように歌い、熱狂の中、狂ったように一つに溶け合おうと誘いをかけた。あの頃のようなヤバい空気が刺激的でたまらない。
最後に第一期”MASK”は、サイコヒステリカル/メロな『赤裸々ノイローゼ』を叩きつけ、観客たちの感情を野生に塗り替えていった。
AOIの振りを真似る仕種など、気持ちは十年以上前にタイムスリップ。
誰もがあの頃の少年少女に戻りながら、会場に生まれた熱狂を貪り喰っていた。
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第二期”MASK”。
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トリを飾った第二期”MASK”のステージは、テーマ曲『WE ARE MASKER』に乗せ、メンバーそれぞれがアピールする形で幕を開けた。
ライブは、温かな春の風を運ぶように『桜』からスタート。
雅な香り匂わせる歌へ、艶やかに酔いしれる心。会場中の人たちが手バンしながら想いの花を咲かせてゆく。
折り畳みする姿へ上品さが見えたのも、誰もが楽曲の世界へ浸っていたからか。
「声を出せー!」
ライブは一気に挑発モードへ。
『世の中の日常で頻繁に起こる今ではごく当たり前とされている出来事』を突き付け、”MASK”はフロアー中へ無数の廻る人の渦を作り出していった。さぁ、熱狂はこれからだ。
「俺たちが”MASK”だ!間違えた、俺たちも”MASK”だ!」
JINのコミカルなMC。
“MASK”で、JINのトークはHEROを越えているテンションだったのは、さすがだ。
身体にズシッと響く重厚な音を突き付け、第二期”MASK”は煽りモードへ突入。
挑発するJINに刺激を受け、観客たちもダークてアグレッシブな『求めた故に残ったもの』へ飛び乗り跳ねてゆく。
SANAのギターが、高揚した刹那の風を呼び込んだ。心へセンチメタンタルな影を映すように流れた『会いたくて』。
胸をグッと泣き濡らす、なんて美メロな歌だろう。哀愁の香りを運ぶ彼らの演奏とJINの歌声へ触れていたら、胸がキュッと高鳴った。
一気に熱を加えるよう第二期”MASK”は『Boys be ambitious』を突きつけた。
何時しか場内には、頭振り乱す光景が広がっていた。JINの動きに合わせ踊る観客たち。
身体は激しく乱れながらも、心は歌へ惹かれてゆく。これぞ、当時の熱狂ナンバースタイルだ。
「飛べ!」、MINAMI、KAZUTAKEの演奏が一気にブラストビートを刻むと、MICHIRU、SANAも加わり楽曲が激しく吠えだした。
『ローズ・マリー』が、満員の観客たちを次々と跳ねさせる。
サビで開放してゆくメロディアスな歌も第二期”MASK”にはお馴染みのスタイル。
激しくステージ上へ感情をぶつけていたはずなのに、何時しか笑顔で飛び跳ねていた。メンバーらへ向かって歌声をぶつけ、無邪気にはしゃいでいた。
最後は、やはりこの曲だ。
気持ちに大きな二つの翼を与え一緒に熱狂へ飛び立とうと、第二期”MASK”は『未来への翼』を届けてくれた。
観客たちが胸の前で揺らした両手は、まるで翼のよう。その歌は、身体中に光を注ぎ込む。
注がれた光を感じるたびに、心は空へ向かい解き放たれてゆく。歌が心に翼を与えてくれた。
それを感じれたことが何よりも嬉しかった。
アンコールは『優しい嘘』からスタート。
胸暖まる歌に包まれながらも、開放感を持って駆ける演奏が心地好く身体を揺らし出す。
ハートをギュッと捉えたSANAのギターソロ、相手を抱きしめるように歌うJINの歌声に気持ちがクラッと傾倒すれば、『空』に飛び乗り、会場中の人たちが一斉に横モッシュ。
『空』に触れている間、誰もがあの頃へ戻っていた。
眩しい青春時代に立ち返り、様々な憧れを胸の中へ映しながら、優しい歌に想いを重ね合わせていた。
ここで、AOIとNANAもステージへ。7人編成”MASK”の登場だ。
「色鬼、始めましょう!」
最後にぶつけたのが、”MASK”流激熱煽りナンバー『色鬼』。
デスボイスをぶつけるAOI。観客たちを煽るJIN。
「鬼さん」「こちら」「手のなる」
挑戦的な演奏に刺激された観客たちは、理性の鎖を引きちぎり、全力で滾る感情を舞台上へ叩きつけてゆく。
何度も何度も続く煽りのやり取り。ずっと狂ったように暴れ続けていたい。
そんな嬉しい余韻を残しながら、第一期/第二期”MASK”のライブは、ふたたび眠りのときを迎えていった。
次に”MASK”に会えるのは、果たして何時になるのか?
でも、彼らが現役で活動し続けている限り、また会えると彼らは約束してくれた。
今は、その言葉を信じて待とうじゃないか。
PHOTO:TAKUYA ORITA
TEXT:TOMONORI NAGASAWA
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<セットリスト>
MASK(第一期)
『お通しパレード』(SE)
『色鬼』
『Gemini』
『東京トリックシアター』
-MC-
『赫い盲目』
『ためらい自殺信号』
『XxxXマスター』
『赤裸々ノイローゼ』
MASK(第二期)
『WE ARE MASKER』(SE)
『桜』
『世の中の日常で頻繁に起こる今ではごく当たり前とされている出来事』
-MC-
『求めた故に残ったもの』
『会いたくて』
『Boys be ambitious』
-MC-
『ローズ・マリー』
『未来への翼』
-ENCORE-
『優しい嘘』
『空』
『色鬼』
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