2017年06月19日 (月)
【ライヴレポート】<GreeΣ 1st ONEMAN LIVE『おはよう、朝が来たよ。』>2017年6月17日(土)池袋EDGE。“薄暗い場所で必死にもがく小さな光”。
REPORT - 22:29:272017年06月17日に池袋EDGEにて、GreeΣの1st ONEMAN LIVE『おはよう、朝が来たよ。』が行われた。
GreeΣは、ex.MeteoroiDのメンバーと、新ヴォーカルの月白によって今年の3月に始動したヴィジュアル系バンドだ。“薄暗い場所で必死にもがく小さな光”をテーマに、メッセージ性の高い楽曲と高い演奏力を武器にして、精力的に活動を行っている。
バンドの命運を占うような、始動3カ月にして初のワンマンライヴは、セットリストのおよそ半数が新曲&新衣装初公開という盛りだくさんの “攻め”の内容となった。
開演時間丁度、暗転した会場にスクリーンが登場し、今回のライヴのコンセプト映像と、なんと新衣装をまとったメンバーの最新ヴィジュアルが映し出された。趣向を凝らしたサプライズにファンもどよめく。
そしてその公開されたばかりの新衣装でメンバーが登場すると、フロアからは自然と大きな手拍子が起こり、1曲目は新曲『諦めフィロソフィヰ』。
キャッチーなジャズ調ナンバーに合わせて、新曲ながらも手拍子やモッシュなど、ファンのレスポンスは上々だ。
この日がミュージシャン人生初のワンマンライヴだったという月白も、堂に入ったヴォーカルパフォーマンスで始動ライヴからの急成長ぶりを存分に見せつけ、一気にフロアのテンションを掴みにかかる。
ファン人気の高いライヴ定番アッパーチューン『アガクセイヲ』では、音圧とひたむきな歌詞がしっかりとかみ合って心に刺さった。ファンも力強く拳を突き上げ、初のワンマンライヴとは思えないような一体感が早くも生まれはじめる。
更に、タオルを振り回して賑やかに暴れるパーティーチューン『explosion limit』を畳み掛け、ひとしきり熱気に満ちた会場に月白は改心の笑みだ。
「言葉が出てこないぐらい楽しませてもらってます。初のワンマンって事で不安もすごくあったんですけど、週末この時間にGreeΣを選んで、遊びに来てくれて本当にありがとうございます。
えーっと……、喋りが得意なバンドでもないので、音楽で伝えます。
新曲も多いけど、自由に楽しんでくれたら嬉しいです!では、素敵な曲を聴いてください。」
月白の真摯なMCと曲振りから、中盤のとことん“聴かせる”新曲が続くセクションへ。『キミノヒダリテ』は、月白の情感たっぷりのアカペラから始まる疾走感溢れるナンバーだ。
GreeΣの曲は要所要所に転調や凝った展開のあるものが多く、スリリングなフレーズも表現しきって聴かせようとする気合いには圧倒される。
『だから嫌いなんだ、雨なんて。』は帝(Gt)のクランチトーン、マチ(Gt)のクリーントーンのリフや月白のファルセットなど、一つ一つの音像が美しく切ないミディアムチューン。
演奏終了後に自然と拍手がわき起こったのを見て、「『キミノヒダリテ』『だから嫌いなんだ、雨なんて。』、やっと披露出来ました。」と、月白が嬉しそうに語った。
とことん盛り上げて駆け抜けた後半戦は、『路地裏と少年』からスタート。フロアに分厚い轟音が襲いかかり、会場の温度が一気に上がるような感覚に陥った。
ささやくような低音から、デスボイス、高音のサビまで月白の歌声が映えたダンサブルな『フェイク』や、ファンの楽しげなモッシュやジャンプでフロアが揺れた『Cheers!』など、多種多様なハードチューンで楽しませてくれる。
そして、めちゃくちゃに展開とテンポの速い『Pandora’s Scar』や『退紅のカタルシス』で、彼等は本当に演奏が上手いバンドだなと改めて認識させられた。外タレ並みに鳴りの良いドラム、低音部でしっかり存在感を出してバンドに奥行きを出すベース、楽曲に寄り添ってタイトにリズムキープするマチのギター、ギターヒーロー然としてウワモノは全部俺に任せろと言わんばかりの帝のギター…、何度も言うようだが、結成3カ月でこれとは今後が本当に楽しみだ。
本編ラストは、今を必死に生き抜く力強さを全力で届けるような『despair’s ray』。フロアに「今この瞬間、ここに嘘はなにもないから!」と声を張り上げる月白の真剣な言葉に、全てが詰まっていたように思う。
アンコールでは、さっきまでド迫力の演奏をしていたバンドは何処へやら、「MC苦手!」とはにかみながら、メンバーが感謝の言葉を伝えてくれた。
帝「言うべき事、あんまり見つからないんですけど、本当にありがとうございました。」
マチ「今日はありがとうございました。新衣装だし、新曲ばっかりだったけどどうだったかな?これからも頑張っていくので、ついてきてください。」
螺琉「今回のライヴは『おはよう、朝が来たよ。』っていうタイトルで。(GreeΣには)本当にまだ、朝が来たばかりです。これからが始まりだと思っています。もっともっと上を目指していけるように頑張ります。」
朋夜「初めてのワンマンライヴで新曲もたくさんやりました。皆の記憶に残るようなバンドになるには、まだまだ頑張らなきゃいけないと思っています。良い音楽と良いライヴのためにこれからも頑張ります!」
月白「俺は、人生でワンマンライヴっていうのをするのは今日が初めてでした。……正直、元々バンドをやっていた四人の中に飛び込むのって、わからない事やできなくて悔しい事も沢山あったけど、今日までやってきてよかった。バンドなんていつまで続くか分からないし、もっと言うと日本って国がいつまで平和なのかとかも分からないじゃないですか。だから、今を大事にしていきたい。」
ラストナンバーは、彼等の代名詞『GreeM』。“薄暗い場所で必死にもがく小さな光”という彼等のテーマをそのまま曲にしたような、真っすぐなメッセージソングだ。
《照らしたい 僕の声に魔法はない 魔法はないけど この声が届く場所に 君がいるのなら》
音楽の力だとか、魔法だとか、愛だとか、いつの間にか忘れてしまうような綺麗事を、もう一度信じる勇気をくれる美しい歌詞が、会場の一人一人に届けられる。多幸感や希望や救いに満ちた、鮮やかな幕引きだった。
夏にはリリースと主催ツアーを控え、更に加速度を増して活動していくGreeΣ。
初のワンマンライヴをしっかりと成功させ、自信を得た彼等の今後が本当に楽しみだ。詳細は以下より要チェック!
取材:高崎光
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1.諦めフィロソフィヰ
2.アガクセイヲ
3.explosion limit
4.キミノヒダリテ
5.だから嫌いなんだ、雨なんて。
6.路地裏と少年
7.フェイク
8.Cheers!
9.Pandora’s Scar
10.退紅のカタルシス
11.despair’s ray
EN:GreeM
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~GreeΣ東名阪主催ツアー
二ヶ月連続音源発売記念
『これが僕の望んだ目覚めなら』~
8月16日(木)名古屋music farm
8月18日(金)大阪clapper
8月31日(木)渋谷REX ※マチBIRTHDAY
~二ヶ月連続リリース~
2017年07月12日(水)発売
GreeΣ 会場限定Single「諦めフィロソフィヰ」
1.諦めフィロソフィヰ
2.フェイク
GMDC-002 / ¥1,000(taxin)
2017年08月04日(金)発売
GreeΣ 会場限定Single「だから嫌いなんだ、雨なんて。」
1.だから嫌いなんだ、雨なんて。
2.路地裏と少年
GMDC-003 / ¥1,000(taxin)
★GreeΣ★
http://www.greem-official.com/