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2016年05月30日 (月)


【ライブレポート】Raphael最後の全国ツアーがスタート。★Raphael Live Tour 2016「癒し小屋」★5月23日(月)横浜ベイホール。「華月のギターは聞こえてるかい、目に映るものだけが真実じゃないよ。俺たちは5人で演奏しているよ」

REPORT - 22:35:25

 過去の作品を再録したアルバム『Never-1997040719990429-』を提げて始まった、最後の全国ツアーRaphael Live Tour 2016「癒し小屋」。この日のライブで正式に示されたように、Raphaelは、バンドにとって大切な日である10月31日/11月1日にZepp Tokyoで行う「悠久の檜舞台~第壱夜 白中夢/第弐夜 黒中夢」を持って解散する。悲しみに暮れる人たちも多いだろう。でも、まだ彼らと出会う機会は残されている。その最後の機会となるのが、今回の全国ツアー「癒し小屋」だ。
 Raphaelは、過去にも同タイトルの全国ツアーを行っている。今回選ばれた会場のほとんどが当時と同じ地域であり、会場だ。初日を迎えた横浜ベイホールは、華月を失ってすぐに行ったときのツアーの初日に当たる場所。ライブでは、黒と白2つの表情を持ったRaphaelの姿を提示したように、今回のツアーはいろんな想いを詰め込みながら行われている。

 
  ツアー初日となった、5月23日(月)横浜ベイホール。チケットはSOLD OUT!!を記録。それだけ、この日の彼らの歌に、言葉に、行動に、注目している人達が多いという事だ。
 『シナゴーグ前奏曲イ短調 ~第一楽章~』のSEが流れたとたんに上がった歓声。この空間だけ、時代は逆行してゆく。舞台へ姿を現しては、次々と一輪の薔薇を客席へ投げ込むメンバーたち。そして…。
  「かかってこいよー!!」。美しくも爪を研ぎ澄ました姿を持って『Sweet Romance』が飛び出した。凛々しいながらも麗しさを持った楽曲が、場内へ熱を持った波を描き出してゆく。「楽しもうぜ、お前ら!!」。YUKIの煽りへ想いを返すように、サビでは大きな大きな合唱が会場を包み込んでいた。現実逃避…でも、こんな逃避なら、いくらでも夢の中で熱狂にまみれたい。

 
 この日のステージ前半戦は、感情を剥きだしに挑む黒いRaphaelの姿を中心に構成。「記憶の中の私」を互いに確かめ合うよう、共に感情を露にぶつけあった『人間不信』。「約束の夢叶えたくて」、その想いが強く胸に響いた『promise』。熱に浮かされた感覚の中、緩いまどろみの中へ嬉しく溺れた『症状3.XXX症』。「華月のギターは聞こえてるかい、目に映るものだけが真実じゃないよ。俺たちは今5人で演奏しているよ!!」と叫ぶYUKIの想いへ呼応するように、場内中から突き上がった無数の拳。その想いを力強く鼓舞するように流れた『エルフの憂鬱』。誰もが紡ぎだされる物語の中へ飛び込み、嬉しく恍惚のまどろみを覚えていた。間奏では、華月のギターの旋律も登場。この日の舞台上には、確かに4人のRaphaelがいた。サポートの咲人も加えた5人の魂を心揺らす歌と旋律に変え、一緒に熱狂の世界へ堕ちようぜと言わんばかりに…。「俺たちがRaphaelだ!!」と証明するように…。
 

  後半では、アコースティックなスタイルを軸に据えた白いRaphaelとして演奏。YUKIの奏でる切々としたピアノの演奏へ寄り添いながら哀愁な物語を描いた『秋風の狂詩曲』。深く、深く、まどろみの世界へ堕ちてゆくようにYUKIのピアノが手招いた『症状2 分裂症』では、YUKIの心の慟哭にも似た歌声がグサグサと胸に染みるように刺さってきた。その言葉を、歌声を、その弱さを真正面から受け止めてあげることが、ここにいる人たちにとっての優しさでもあるかのように。途中から演奏が加わると同時に、楽曲は切ない、でも放したくないドラマを描きだした。何時しか泣きながらピアノを奏でるYUKI。嗚咽を噛みしめながら、少しでも想いを空へ届けるように…。

  「こんなにもあったかい目で想いを届けてくれる人たちが、こんなにもこの時代にいたことが嬉しくて。ほんと、みんなありがとう」。YUKIの言葉。そして、「忘れないで…忘れないで…この詩を残すから 「僕」でいる 僕の意味 きっとあるから」の言葉が、胸に優しさと痛みを持って響いた『lost graduation』。本編最後を飾った、Raphaelの始まりの歌となった『eternal wish〜届かぬ君へ〜』が、この日は、彼らに抱かれて眠る子守歌のようにも響いていた。
 

  この日は、ベースのYUKITOの誕生日当日。先に全員で彼のバースデーを祝いながら。「悲しい記憶を塗り替えることは出来ないけど、楽しかったものをここに残したかった」とつぶやいたYUKIの言葉を合図に、アンコールの最初に奏でたのが、季節外れのクリスマスソング『White Love Story』。誰もが軽快に弾む演奏に身を委ね、無邪気にはしゃいでいた。季節外れ!?。そんなの関係ない。気持ちが嬉しく弾めば、それが正解だ。

  あの頃の青春のひとときを思い起こすように、Raphaelと過ごした日々が甦るように、誰もが満面の笑顔で『Evergreen』を受け止めていた。色褪せない永久の思い出は、ずっとずっと消えない青春のエンブレム。この歌が、その気持ちを導いてくれた。最後は、誰もが無邪気なキッズに戻り、『夢より素敵な』に合わせ、身体揺らし、跳ね続けていた。このひとときを永遠に笑顔と一緒に心のシャッターで記憶するように。満面の笑顔のもと、場内に数多く揺れるたくさんの手の花たちが、彼らと約束を交わしていた。「そう 何より素敵な場所は ここだから また逢えるよね 誰より素敵な君に」と。

   舞台から去ったあと、降りてきたスクリーンに映し出された文字を通して改めて伝えられた「解散」の言葉。でも、まだ終わりはしない。最後の物語は、まだ始まったばかり。そう、始まったばかりなんだよ。「華月が悔しがるくらい最高の1年にしていこうよ。一緒に駆け抜けてください。ツアーがんばってきます」(YUKI)。自分たちの記憶を辿りたくて始めた今回のツアー。その意味を噛みしめながら、これからのツアーを味わってくれ。
 

                                                             TEXT:長澤智典

 

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―セットリスト―
『Sweet Romance』
『人間不信』
『症状1.潔癖症』
MC
『imitation white』
『Sacrifice』
『promise』
『花咲く命ある限り』
『Gebet〜祈り~』
『症状3.XXX症』
『エルフの憂鬱』
SE
『秋風の狂詩曲』
『症状2.分裂症』
『lost graduation』
『eternal wish〜届かぬ君へ~』
SE
-ENCORE-
『White Love Story』
『タッチ』
『Evergreen』
『夢より素敵な』
SE
MOVIE
『49』
 

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Raphael Web
http://raphael.jp/
 

 

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★LIVE情報★
 
ライブ情報
 
Raphael Live 2016 「悠久の檜舞台」
 
【公演日時】
第壱夜 白中夢 2016年10月31日(月) 17:30OPEN /18:30START
第弐夜 黒中夢 2016年11月01日(火) 17:30OPEN /18:30START
 
【会場】
Zepp Tokyo
【チケット料金】
1Fスタンディング 前売:\6,500 (税込・オールスタンディング・入場整理番号付/入場時にドリンク代別途必要)
2F指定 前売:\7,500(税込/入場時にドリンク代別途必要)※プレミアム会員先行のみ
 
【プレミアム会員先行】
  http://raphael.jp
【受付】5/24(火) 18:00〜6/13(月)23:00
 
【オフィシャルHP先行】
http://eplus.jp/raphael_tour
【受付】6/17(金)18:00〜6/27(月)23:00 
 
【プレオーダー(PG最速)】
http://eplus.jp/raphael/

【受付】7/1(金)18:00〜7/11(月)23:59

 
【一般発売日】 8/13(土) AM10:00〜
キョードー東京 0570-550-799
チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード:298-982]
ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード:71403]
CNプレイガイド 0570-08-9999
e+(イープラス)  http://eplus.jp
【お問い合わせ】
キョードー東京 0570-550-799

 

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Raphael Live Tour 2016「癒し小屋」
5月23日(月)横浜・BAY HALL
6月02日(木)名古屋・DIAMOND HALL
6月03日(金)名古屋・DIAMOND HALL
6月12日(日)札幌・PENNY LANE24
6月21日(火)大阪・BIG CAT
6月22日(水)大阪・BIG CAT
7月02日(土)仙台・CLUB JUNK BOX
7月03日(日)仙台・CLUB JUNK BOX
7月11日(月)赤坂BLITZ
7月12日(火)赤坂BLITZ
7月16日(土)広島・SECOND CRUCH
7月17日(日)広島・SECOND CRUCH
7月24日(日)福岡・DRUM LOGOS