2015年10月16日 (金)
【ライブレポート】<活動休止>ALSDEAD、2015年10月9日(金)高田馬場AREAワンマン【Born To Be Dead:CODA】
REPORT - 13:56:07「活動休止」という名のもと、10月9日に高田馬場AREAを舞台にしたワンマンライヴ【Born To Be Dead:CODA】を持って、
7年に及ぶ活動へ一時幕を下ろしたALSDEAD。
彼らは、この日の活動休止へ向け、【Born To Be Dead】と題したシリーズワンマンを4本行った。
9月12日に新宿LOFT BAR LOUNGEで行った【Born To Be Dead:PROLOGUE】は、ALSDEAD初のアコースティックライヴ。
9月18日に東高円寺二万電圧にて開催の【Born To Be Dead:ch1】は、全編激しい楽曲のみで構成。
9月19日にSHIBUYA-REXで実施の【Born To Be Dead:ch2】は、ファンの人気投票を元にしたリクエストライヴ。
シリーズ最後を締め括った10月9日に高田馬場AREAを舞台にした【Born To Be Dead:CODA】は、
事前にヴォーカルのMAKIが「いつまでも”挑戦”していくバンドでありたい」と語ったように、
2回のアンコールを含め、全部で32曲を演奏。終始、挑み続ける姿をぶつけていた
MAKIがMCで告げた「「今日は特別な夜だからと言って、我々ALSDEADは昔を懐かしんだり過去を振り返る気持ちはまったくない、
今のALSDEADが持っている曲を厳選して届けるんでかかってこいっ!!」という言葉通り、
この日は、ALSDEADの歴史を振り返ったり初期の楽曲を懐かしく演奏するのとは無縁な、
「今のALSDEADを最も磨き抜いた姿として投影してゆく曲たち」を厳選したライヴだった。
選んだ曲たちも、最新3rdアルバム『IDEA-イデア-』と2ndアルバム『Separator』に収録した曲たちを軸に、
その合間へ、1stミニアルバムの『MODALITY』や1stアルバム『ALSDEAD』の中核を成した曲たちを挟み込む形を取っていた。
一度でもALSDEADのライヴを体感したことのある方ならご存じだろう。
どの楽曲も、身体へ熱い衝撃を与える激しくも躍動的な姿を持っている。
それに加え、メロディーの持つ表情が刹那だろうと高揚だろうが、どの曲でも、感情的な歌声が激しい音の上で舞い踊ってゆく。
さらに、痛い気持ちを曝け出したリアルな言葉の数々。
だからこそALSDEADの楽曲が、荒ぶる高揚を覚えながらも頭から離れなくなれば、
ライヴ中に激しく暴れながらも、その歌がズッと胸の奥に響き続けていく。
ストロボライト瞬く舞台上、幕開けを飾ったのが、最新アルバム『IDEA-イデア-』に収録した『Behind The Pride』だ。
凛々しく挑戦的な演奏の上で、シャウトとメロを巧みに活かしながら、MAKIが観客たちへ挑みだした。何時もと変わらない。
むしろ、何時も以上に前のめりな姿勢で4人は、観客たちの身体からエナジーを引き出そうとしていた。
MAKIの煽る姿に、拳を突き上げ熱を返してゆく観客たち。
激しい2ビート炸裂した演奏の上で、強い想いを投げかけてゆく『STARLESS』。
猛々しいリフビートが爆発。「地獄を見に行こうかー!!」。
『Adrenaline』を通し場内には、感情と感情とをぶつけあうバトルが勃発。
この一体化したスリリングな熱こそ、ALSDEADのライヴの醍醐味だ!!
アルバム『Separator』を軸に据えたブロックでは、デジタルな要素を取り入れつつも、
生音の躍動性を軸に据えた曲たちを次々とブースト。
エキセントリックなデジタルビートへ唸る激しいリフを重ね合わせ、
狂い咲く激しい宴を描きだした『スワローテイル』や、図太い音を次々放ち続けた『Into The Void』。
ずしりと重いメガトン級の演奏をハンマーを打ち下ろすように叩きつけた『Hacktivism』など、
どれも重量感あふれた姿として熱くせまっていた。
サビに描いたメロな表情や間奏での穏やかな音のうねりが、荒ぶる演奏の中で美しく輝いて見えた『In Bloom』。
激しさ携えながらも心を打つ歌が,胸搔きむしる高揚を与えた『Fragile』など、
表情豊かな音楽性を描き出した1stミニアルバム『MODALITY』収録曲を通した世界観。
軽やかにステップ踏んでゆく様を描き出したハード&ジャジーな『カトレア』。
舞台上と客席が、剥きだした感情をぶつけあった『VOR』。
ドラマチックな熱狂劇を通し、観客たちのハートを射抜いた『黙殺劇』。
美しく穏やかな音色を背に、MAKIが切々と想い届けるように歌い上げた『Separator』。
身体中を熱い衝撃が貫いた『INAZUMA』や、「革命起こせ!!」の言葉が示すよう重厚な音を手に、
絶叫と絶叫をぶつけあうバトルモードを作り上げた『Cynical』など、
近年の楽曲たちを巧みに組み合わせ、熱狂のウネリを作りあげたブロックを演出。
最新アルバム『IDEA-イデア-』を軸に据えたブロックには、
『D9N』や『KILL THE KING』のよう激しい唸りを持った演奏を軸に、観客たちを暴れの空間に導き入れた姿。
『Twilight』や『ノスタルジア』のように、デジタル要素を強めた煽情的なダンスロック曲たちを通し、
絶頂感覚えながら恍惚に酔いしれた面、二つの魅力を巧み提示していた。
終盤を彩ったブロックでは、「自分が持ってる悲しみを、力に変えて俺らへぶつけてこい!!」(MAKI)という言葉を証明するように、
ハード&グルーヴなエンジンを吹かした『Vanity』や『Puzzle』、観客たちをモッシュの渦へと堕とし込んだ『Pandemic』、
絶叫と熱狂のバトルを描き出したラウド&ハードグルーヴな『Life Of Sorrow』、
感情解き放つ激しい演奏に満面の表情で拳を振り上げ、頭振り乱し、興奮に溺れた『FLASH BACK』を届けながら、
ライヴバンドならではの感情解き放されたときに生まれる無我夢中な高揚感を、ALSDEADは伝え続けていた。
最初のアンコールを通し、触れた人たちを大きなウネリで包みこんだスケールあふれるミドルナンバーの『フライト』や、
大きなグルーヴを背負いながら、胸をギュッと疼かせる力を捧げた『Heaven』など、激しさとは異なる魅力もALSDEADは示してくれた。
「今日のALSDEADは今までで最高の状態です。アーティストでいる限りは、過去よりも今、今よりも未来が最高だと思っている。
ALSDEADは一つの壁にぶつかって、その壁をどうやって壊し、その壁の向こう側へ行けるかを話しあい、
それで出したのが活動休止という決断。
みんなもその決断を前向きに捉えてくれたのが嬉しかった」(MAKI)と、今の心境を包み隠さず、彼らは伝えてくれた。
これからもALSDEADは、進化した姿を持って未来へ向って走り続けてゆく。
その未来を確かな形として刻み続けるための準備期間として、彼らが下した「活動休止」という結論。
彼らは、この舞台に戻ってくることを約束するよう最後に『Gravity』を歌いかけてきた。
これが、4人とファンたちとが、ふたたび一緒に未来を歩んでゆくための約束の指切りのように…。
止まない熱狂の声。その声援を受け、最後にALSDEADが届けたのが『Faceless Biliever』だ。
「まだ見たことのない遥かな場所まできっと僕は君を連れていけるよ。眩しくて儚い流星のような願いをいくつも散りばめて」。
何度も何度も繰り返し共に歌ったその言葉こそ、次の扉へ開けるまでの間、
彼らがファンたちの心へしっかりと刻もうとした、未来を示唆した証だ。
しばしの休息を前にした今の自分たちの感情を代弁するように、彼らは”未来を見据えたうえでの惑い”を歌いかけてきた。
何も隠すことなく、今の自分たちをさらけ出すことが、彼らが次のステージへ進んでゆくためには必要な今の答え。
それをALSDEADのことを本気で支持してくれる人たちの胸に届けたうえで、4人は、ひとときの眠りについた…。
この日の模様は、LIVE映像として完全収録。さらに、今回のシリーズワンマンの模様もダイジェスト映像としても見れる、
まさに【Born To Be Dead】シリーズを集大成した作品になる予定だ。
こちらは「完全受注生産」となるが、好評につき特別盤の予約受注期間が延長されたという事なので、
気になった方はすぐに予約をしていただきたい。
もちろん、今後彼らがどんな姿を持って復活の狼煙を上げるのか、
その始まりの鐘が鳴り響くのも、暫し待ってていただきたい。
TEXT:長澤智典
PHOTO:玲人
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