2019年05月09日 (木)
【ライヴレポート】MUCC<壊れたピアノとリビングデッド feat. 殺シノ調べ>2019年5月1日(水) 中野サンプラザ◆鍵盤+弦楽隊との合体により披露された必殺曲の数々に、中野サンプラザが熱狂。音楽的好奇心旺盛なMUCCが令和最初のライヴで見せつけた圧倒的底力。
REPORT - 12:13:39MUCCというバンドの音楽的好奇心の旺盛さと、20年を超える活動歴のなかで彼らが身に付けてきた咀嚼力のすごさ。
日本が令和という時代を迎えた最初の夜、それを存分に見せつけられた。
現時点における彼らの最新作は、去る2月13日に発売された『壊れたピアノとリビングデッド』。
キーボード奏者の吉田トオルを期間限定メンバーとして迎え、鍵盤ありきの発想によるコンセプト・アルバムとして制作された作品であり、ゾンビを連想させるリビングデッドという言葉は、生を受けつつもしばらくお蔵入りの状態にあった楽曲のいくつかが今作をもって世に放たれた事実を指している。
この作品を携えながら、彼らは2月半ばから4月1日にかけて名古屋、大阪、東京を巡演する全4公演のZeppツアーを実施しているが、5月の到来とともに幕を開けたのは、同様に三大都市をめぐる『壊れたピアノとリビングデッドfeat.殺シノ調ベ』と銘打たれたホール・ツアーである。
今回も全4公演という限られた本数であるだけに、ファンの多くは、何か特別な趣向が凝らされたものになるのではないか、との期待感を膨らませながら会場を訪れていたに違いない。
しかも今回の公演タイトルには『殺シノ調ベ』というキーワードも含まれているのだ。
これは彼らがセルフ・カヴァー・アルバムの表題として掲げていた言葉であり、さらに言えばBUCK-TICKという先達から受け継がれたものでもある。
そうした公演名からも、この場で最新作からの楽曲群がたっぷりと披露されるのみならず、バンドの歴史を彩ってきたさまざまな楽曲が今現在の切り口によって再構築されるであろうことは、ある意味、容易に想像可能ではあった。
が、重要なのは、実際のライヴがそうした想定を遥かに上回るものだったことだ。
館内が暗転したのは、開演予定時刻の午後6時を20分ほど経過してからのこと。
最新作の幕開けを飾っていたミステリアスな“壊れたピアノ”が流れると、まず吉田が登場してピアノを弾き始め、SATOち、YUKKEがそこに加わって各々の音を重ねていく。続いて登場したミヤはギターを抱えるのではなく鍵盤の前へ。
さらにステージ後方上部には4名の女性たちが登場。去る2017年、結成20周年記念ツアーの際にも花を添えていた弦楽隊、Killer’s Orchestraの面々だ。加えて、舞台の両脇に設えられた不気味な処刑台にも男女のヴァイオリン奏者が姿を現す。
しかもそこで奏でられていたのはBUCK-TICKの“ICONOCLASM”の調べ。
あまりにも情報量の多いその幕開けに、筆者はめまいをおぼえそうになった。
満を持して現れた逹瑯がステージ中央へと歩み出る。彼が「始めようぜ」と呼びかけた頃、ミヤはすでにギターを手にして戦闘態勢を整えていた。
そして『壊れたピアノとリビングデッド』の冒頭の展開と同様に“サイコ”が爆裂。
きわめてヘヴィなバンド・サウンドに鋭利なストリングスの切れ味が絡んだ音の洪水のなかで、フロントの3人と処刑台上のヴァイオリン奏者たちが、何かから解き放たれたかのように暴れ始める。
ステージの背景は、一面に大きく描かれた最新作のアートワーク。目に飛び込んでくるその光景は地獄絵図のようでも、アミューズメントパークで過激な音楽活劇が繰り広げられているようでもある。とにかく圧倒的と言うしかない
以降のステージ上での時間の流れについて必要以上に細かく追っていくことは、これから名古屋(5月19日)、大阪(6月9日:言わずと知れた“MUCCの日”である)でこのライヴを観ることになる人たちのためにも避けておきたい。
ただ、このバンドが未成熟だった時代から今現在に至るまでの間に提示されてきたさまざまな楽曲たちが、過去最強の説得力と実験精神をもって次々と披露されていくさまが、きわめて音楽的な興奮に満ちたものだったことは間違いない。
彼らの楽曲のなかには、狭苦しいアパートの一室のようなリアルな閉塞感こそが持ち味といえるものもあれば、大河の流れのようにゆったりとした果てしなさを伴うものもある。それほどまでに各曲の持つ世界観の広さに差異があり、なおかつ総計6人の弦楽隊と交わりながら奏でられる曲もあれば、4人プラス吉田の鍵盤だけで披露される曲もあるという具合なのに、不思議なくらいギクシャクとした感じがない。しかもそうした落差の大きな楽曲群が、演奏上都合のいい順序に並べられているというわけでもない。
こんなライヴが成立し得たのは、まずは楽曲そのものに力があるからだろうし、各楽曲の特性をとことん知り尽くしたメンバーたちが、今日に至るまでに経てきた幾多の実験や冒険を通じて得てきたものを噛み砕いて消化し、その間に育まれてきた英知を即時的に活かす術を身に付けてきたからこそであるはずだ。
音楽的多様性の面白さのみならず、実際、そうしたバンドならではの力技のすごさを感じさせられるライヴだった。
当然ながら、もっと具体的な意味で象徴的な場面もふんだんにあった。新たな代表曲のひとつにも数えられそうな“自己嫌悪”で、ミヤがギターを武器に次々とメンバーたちを攻撃していく光景からは、この楽曲の根底にある感情的混沌が見えてくるようにも思えたし、そのミヤの弾くピアノに合わせて逹瑯が歌った“積想”もクライマックスのひとつに数えられる。
彼がランタンに息を吹きかけて火を消した同曲のラスト・シーンも印象的だった。
スクリーンに映し出された大きな月を背にミヤと吉田が奏でたベートーヴェンの“月光”も新時代の幕開けを飾るに相応しいおごそかな空気を感じさせたし、
その月が徐々に霞み、雨音が激しくなっていくなかで“雨のオーケストラ”が披露されるという流れも見事だった。
そうした音楽的な起伏のきわめて大きなライヴは、最終的にはそこが整然とした大ホールであることを忘れさせるような、むしろライヴハウス的な一体感を伴いながらの二度にわたるアンコールを経て終着点に至った。
しかし同時に、演出面の充実ぶりや音楽的情報量の多さ、スケールの大きさといった意味においては、それは平均的なホール公演を遥かに超越する規模感のものでもあった。
こうしたある種の過剰さもまた、MUCCの大きな魅力のひとつだといえるだろう。
そしてひとつ付け加えておきたいのは、翌日に同じ中野サンプラザで行なわれた東京公演第二夜も大盛況のうちに終わったということ。
加えてそのステージ上、6月9日のグランキューブ大阪公演が映像化されることが逹瑯の口から発表されている。
発売時期などはまだ明かされていないが、こちらについても続報を待ちたいところだ。
前述の通り、この公演はこの先、名古屋と大阪でも開催され、7月以降のMUCCはさらに全国各地で“壊れたピアノ”とともに“殺シノ調べ”を奏でていくことになる。
元号が令和に変わり、このバンドが生まれ育った平成という時代が過去形になろうと、どうやら彼らが攻撃の手を緩めることはなさそうだ。今後の重層的なライヴ活動を経ていくなかで、この音楽がさらなる深化を遂げ、彼ら自身にとっても未知の新たな何かが生まれてくることを期待したい。
文◎増田勇一
写真◎西槇太一
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<Live>
■「Free space ~MUCC DEMO TAPE公開レコーディング 東北・中国 、中部・九州編 & アコースティックライヴ~』
5月14日(火) 恵比寿LIQUIDROOM OPEN 17:00 / START 18:00
【チケット一般発売中】詳細はコチラ https://55-69.com/event/183898
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■壊れたピアノとリビングデッド feat. 殺シノ調べ
5月19日(日) 名古屋特殊陶業市民会館ビレッジホール OPEN 17:00 / START 18:00
6月9日(日) グランキューブ大阪 OPEN 17:00 / START 18:00
【チケット料金】前売:全席指定 \6,900(tax in)
【チケット一般発売中】
名古屋詳細はコチラ https://55-69.com/event/122058
大阪詳細はコチラ https://55-69.com/event/122061
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■『MUCC BIRTHDAY CIRCUIT 2019「40」』
詳細→https://55-69.com/news/167999
<ミヤ day>~COMMUNE Feat.EN Miya40TH SPECIAL~
7月26日(金) 東京 新木場STUDIO COAST OPEN 15:30 / START 16:30
【出演】MUCC/X-SUGINAMI/ROTTENGRAFFTY/メトロノーム/lynch.
<SATOち day>~じゃっくいんざぼっくす–さとちのおたんじょうかい–~
8月12日(月/祝) 東京 豊洲PIT OPEN 16:00 / START 17:00
<逹瑯 day>~Happy Birthday to 逹瑯 –君とムックとあの人とあの人とあの人–~
8月21日(水) 大阪 なんばHatch OPEN 18:00 / START 19:00
<YUKKE day>
『MUCC BIRTHDAY CIRCUIT 2019 Grand Final「40」』
~YUKKE限定 LASTGIGS –孤独の40歳児、今日だけは許して下さい–~
11月5日(火) 東京 TSUTAYA O-EAST OPEN 18:00 / START 19:00
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■MUCC 2019 Lock on snipe tour #4『東北型壊れたピアノとリビングデッド収監6days』
7月1日(月)青森 Quarter
7月3日(水)秋田 Club SWINDLE
7月5日(金)盛岡 club Change WAVE
7月6日(土)山形 ミュージック昭和Session
7月8日(月)仙台 Rensa
7月9日(火)郡山 CLUB #9
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/167996
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■MUCC 2019 Lock on snipe tour #5『中国型壊れたピアノとリビングデッド収監5days』
7月15日(月/祝) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
7月17日(水) 広島 CLUB QUATTRO
7月18日(木) 周南 RISING HALL
7月20日(土) 松江 AZTiC canova
7月21日(日) 米子 AZTiC laughs
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/167997
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■MUCC 2019 Lock on snipe tour #6『中部型壊れたピアノとリビングデッド収監6days』
8月27日(火) 長野 CLUB JUNK BOX
8月29日(木) 名古屋 Electric Lady Land
8月30日(金) 名古屋 Electric Lady Land
9月1日(日) 四日市 CLUB ROOTS
9月6日(金) 浜松 窓枠
9月8日(日) 岐阜 club-G
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/169100
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■MUCC 2019 Lock on snipe tour #7『九州型壊れたピアノとリビングデッド収監9days』
9月14日(土) 沖縄 桜坂セントラル
9月15日(日) 沖縄 桜坂セントラル
9月18日(水) 宮崎 WEATHR KING
9月19日(木) 鹿児島 SR HALL
9月21日(土) 長崎 DRUM Be-7
9月23日(月/祝) 福岡 DRUM LOGOS
9月25日(水) 佐賀 GEILS
9月27日(金) 熊本 B.9 V1
9月28日(土) 大分 DRUM Be-0
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/169119
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■MUCC 2019 Lock on snipe tour #8『関西型壊れたピアノとリビングデッド収監7days』
11月10日(日) 和歌山 CLUB GATE
11月12日(火) 滋賀 U☆STONE
11月14日(木) 神戸 太陽と虎
11月15日(金) 神戸 太陽と虎
11月17日(日) 奈良 NEVERLAND
11月19日(火) 大阪 味園ユニバース
11月30日(土) 京都 KBSホール
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/169124
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■「ウッサン!ウムサン!ウィールキサン!MUCCと行く日帰り収監バスツアー in沖縄」
開催日:9月16日(月/祝)
※詳細は後日発表いたします。
■『百万石音楽祭2019 ~ミリオンロックフェスティバル~』出演決定
6月1日(土) 石川県産業展示館1~4号
オフィシャルサイトはコチラhttps://www.millionrock.com/
■『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』出演決定
8月10日(土) 国営ひたち海浜公園 オフィシャルサイトhttp://rijfes.jp/
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<Release>
★『壊れたピアノとリビングデッド』NOW ON SALE
【通常盤】(CD ONLY) MSHN-057 ¥3,000+tax
※CD収録曲は朱ゥノ吐VIP会員限定受注生産盤と通常盤共通となります。
★『壊れたピアノとリビングデッド DEMO&LIVE』4月10日より8週連続配信中
詳細はコチラ https://55-69.com/news/153536
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<In Store Events>
♪『壊れたピアノとリビングデッド』通常盤購入者の為の即席現像写真機での魂抜き取り会
5月18日(土) 16:00 START 名古屋fiveStars 参加メンバー:逹瑯
6月8日(土) 18:00 START タワーレコード梅田NU茶屋町店 参加メンバー:SATOち
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/146208
♪『壊れたピアノとリビングデッド』FC限定盤購入者の為の肉筆署名入特典お渡し会 feat. 呪いの握手
5月11日(土) 東京:Zepp Tokyo Upstairs Space
6月22日(土) 大阪:MIO HALL
【参加メンバー】MUCC (死後のお姿)
詳細はコチラ→ https://55-69.com/news/188837
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<Subscription Service>
メジャー音源を含むMUCCの楽曲をApple Music、Spotify、LINE MUSIC、Prime Musicなどで配信中!
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2019年05月09日 (木)
【WOWOW】シドがファンと共に迎えた、結成15周年グランドファイナル横浜アリーナ公演をWOWOWにて独占放送!6曲のダイジェスト映像を番組サイトで公開中!
NEWS - 12:00:113月10日、神奈川県・横浜アリーナにて、ロックバンド・シドの15周年アニバーサリー・イヤーを締めくくるライブ、「SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~」が開催された。
オープニング映像は時間を移動する飛空艇が、シドの結成された2003年、そして2011年へと移動していき、ライブはスタート。そして飛空艇の乗組員を思わせるミリタリー風の衣装をまとった4人がステージに登場。始まったのは「NO LDK」だ。この曲は『dead stock TOUR 2011』の1曲目に演奏されていたナンバーだ。そう、2011年3月、このツアーでの横浜アリーナ公演が予定されていたものの、東日本大震災の影響を受けて、開催が叶わなかったという経緯がある。MCでゆうや(Dr)も「どれだけこの光景を見たかったか」と語ったように、この日は8年越しの想いを遂げるためのライブでもあるのだ。続いて「ANNIVERSARY」、「V.I.P」で序盤からキラーチューンで盛り上げていく。
「今日は“大打ち上げ”だ!」と気合い十分の明希(Ba)、最近はラーメン愛好家としても知られるShinjiが「シドも太くて長い(ラーメンのような)バンド活動をしていきたい」と語り、そして「シドの15年を詰め込んだ」というマオ(Vo)の言葉通り、インディーズ時代のシングルである「ホソイコエ」や、メジャーデビュー曲の「モノクロのキス」、ライブの定番曲の「眩暈」など、シドがこれまでファンと共に歩んできた道、そしてそこで結ばれた絆を感じる、この日ならではのセットリストで会場を大いに湧かせた。
そしてアンコールでは、インディーズ時代の名曲「空の便箋、空への手紙」をしっとりと歌い上げ、「循環」や「one way」で盛り上げていく。様々な想いがつもったライブも佳境をむかえ、MC中に涙を堪えきれないマオの姿に、思わずもらい泣きする者の姿もみられた。会場のファン一人ひとりと心を通わせていったこの日、最後はシドというバンドの“これから”を予感させる「その未来へ」を届け、幸せな余韻を残したままライブは締めくくられた。
この公演は、5月12日(日)にWOWOWにて独占放送されるが、番組サイトでは「ハナビラ」、「dummy」などをライブダイジェストとして先行公開中なのでぜひチェックしてほしい。
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■■■WOWOWオンエア情報■■■
シド「SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~」
5月12日(日)夜9:30[WOWOWライブ]
番組サイト https://www.wowow.co.jp/sid
ライブダイジェスト公開中!(V.I.P/モノクロのキス/ハナビラ/dummy/眩暈/その未来へ)
【WOWOWご加入者限定】抽選で5名様にメンバー全員のサイン入り オフィシャルライブグッズをプレゼント!詳細は番組サイトへ。






2019年05月08日 (水)
【ライヴレポート】<アクメ 2nd Anniversary ONE-MAN LIVE[PKPKの1年生]>2019年5月5日(日)代官山UNIT◆────3年目に突入した、“架空の世界の不良少年”たち。
REPORT - 20:38:09アクメをキメるなら、やはりナマに限るということだろう。
“架空の世界の不良少年”というテーマをコンセプトとして掲げ、2017年6月から始動した彼らがこのたび代官山・UNITにて開催したのは2nd Anniversary ONE-MAN LIVE[PKPKの1年生]だ。
いわゆる性的絶頂の意味合いのみならず、本来的には進化の頂点を意味するこのバンド名を自らに冠した彼らが、この夜ステージ上でこれでもかと見せつけ、音として我々に思い切り叩きつけてきたのは、それこそこの2年の間にいちロックバンドとして進化してきた過程そのもの、だったような気がする。
ちなみに、当日であった5月5日は言わずと知れたこどもの日でもあり、“架空の世界の不良少年”たちが好き放題に暴れ倒すにはまさに絶好の日取りにほかならなかった。
キーンコーンカーンコーン!と放課後を告げるチャイムの音がまず最初に会場内にて鳴り響くと、幕を開けた舞台上にいたのはそれぞれに掃除道具を手にしたアクメのメンバーと教師役の俳優・サトウヒカル氏で、ここで始まったのは学園ドラマ風の寸劇。昨年の1周年記念公演でも上演されたというこの物語の中では、その素行の悪さから留年をしてしまった不良少年たちが今回のライブタイトル通り、今年もまた[PKPKの1年生]として軽音楽部に所属している様子を描くもので、ここから始まるライブは部活紹介にあたるということが観衆へとインフォメーションされることに。
かくして、今宵の部活紹介はそのモノモノシイ曲タイトルとは裏腹に、ハイパーキャッチーな旋律と爆発力に満ちたバンドサウンドが融合して疾走する、その名も「マグロ解体チェーンソー」から派手派手しくスタートし、ここでは公式グッズである扇子を振りながらオーディエンスが一斉に横モッシュをしだす、というダイナミックな光景が繰り広げられたのである。
「今日の俺らはね、見ての通り気合いが入ってます!
ここに至るまで、新しいシングル『放課後の飼育』をリリースしてから各地で主催ツアーをやってきまして、ちょっとは一皮剥けて帰ってこられたんじゃないかと思うんですよ。
そして、今日くらいは俺もカッコつけてやろうかと思ってたんですけどね。
でもやっぱり、そうじゃなく楽しんじゃおうかな。だって、2周年だからさ。何時も通り、お互い楽しみましょう!!」
フロントマン・CHISAがそう告げたとおり、ここからのライブ前半戦では最前列近辺のファンだけでなく、場内にいるほとんどの人々がアグレッシヴな曲にあわせて激しいヘドバンをみせることとなった「ROTTEN ORANGE」や、曲の途中にドラマー・HALによる恒例のテレビショッピング的な物販宣伝がはさみ混まれた「RUN」などが続々と打ち出されていったのだが、ここで特に注目すべきだったのは、単にエンターテインメント性にあふれたステージングを実現している点だけではなく、そもそもアクメはバンドとしての演奏力と表現力についても相当に高いポテンシャルを持っている、というところでもあったのではなかろうか。
たとえば、つい先ほどまでは極めてバラエティ色の強いMCで観客を笑わせていたドラマー・HALが、一転してシャッフルのリズムとジャジーなアプローチを交えながらもラウドに攻めた「激ヤミセレナーデ」といい。
これまたMCではボケ寄りのツッコミというゆるゆるな名人芸を発揮するベーシスト・RIKITOが、5弦ベースを駆使しながら目の覚めるような激スラップを炸裂させた「激ヤマセルロイド」といい。
あるいは、CHISAがギターヴォーカルとしてのエモみ満載のパフォーマンスをみせた「ラストワンショー」や、ギタリスト・将吾がヘヴィかつ超エッジィなプレイで聴衆を圧倒した「Barguest」にしても、4人のメンバーがそれぞれに高い実力を持っていることはライブの場に臨すれば明白で、とかくアクメというバンド名やコンセプチュアルな活動方針の方に話題が集まりがちなところはあるものの、彼らの真髄がどこにあるのかと言えば、むしろライブバンドとしてナマで勝負した時の轟音ぶりや、説得力のある頼もしい演奏ぶりであるという見方も充分に出来るはず。
しかし、それでも能あるアクメは爪を隠したがるところもあるようで。
記載上の時間軸は少し前後してしまうのだが、HALは先ほど記載した「激ヤマセルロイド」の後にマニピュレーターのイシヤマ氏とふたりでミュージカル仕立ての歌唱を披露する、という謎の一幕でも大活躍をみせたりもした。
かと思えば、その後にはRIKITOがタッピングを筆頭とした数々のテクニックを盛り込んだベースソロを聴かせたのち、そこにHALと将吾も加わってのグルーヴィなインストルメンタルを具現化させてもみせ、とにかく彼らのヤりたいことをヤりたいだけ詰め込んだ今回のライブは、ラーメンでいうところの全部盛り的なボリューム感を持っていたことになる。
(なお、本編後半には普通でいうドラムソロもあったという超絶ダメ押し加減ww)
そうした中、雅びやかな和メロが美しく響いた「絶唱謳歌」でシメくくった本編を受けてのアンコールでは、CHISAが以下のような言葉をステージ上にて紡いだことも念のためここに付記しておきたい。
「(前略)アクメが始まったのは2017年でした。この2年、一緒にゼロからドロドロになりながらも、人の敷いたレールの上ではないところを進んできて、ここまで頑張ってきたことが今日につながったのかなと思うんですよ。
これからも何が待っているかはわからないし、困難なことがあるかもしれないですけど、それでも前に進んでいけるんじゃないかと今こうして感じられるのは、みんなのおかげです。ありがとうございます!
これからも突き進んでいくので、皆が着いてきてくれたら嬉しいです。
最後に、この4人で初めて作った曲をやって今日の2nd Anniversary を終えたいと思います!!」
そう。ここで呈示されたのは2017年夏にファーストミニアルバムの表題曲としてアクメからの所信表明的メッセージを目一杯に詰め込み発表された「SENKOU」にほかならず、〈覚悟しな爆音で登場〉というサビが高らかに歌い上げられるさまは、ひたすらに痛快で豪快でしかなかった。
来たる7月10日には5thシングル『モノノケレイクイエム』をリリースし、夏と秋には補講ライブ(ミニワンマン)[学級崩壊–アクメの夏休み]を2公演と、将吾フェスなるイヴェント開催をするうえ、10月からは全国13カ所をまわる全国ワンマンツアー[No.13]をも行うことが決まったアクメ。
いよいよ2ダブになって学年としては相変わらず1年生のままだとしても、3年目に突入した“架空の世界の不良少年”たちの暴走はこれからも加速度をあげていくに違いない。
というわけで、最後にもあらためての結論をば。
アクメをキメるなら、やはりナマに限る。
以上!!!
写真◎Katherine Joyce、
文◎杉江由紀
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2019年5月5日(日) 代官山UNIT
2nd Anniversary ONE-MAN LIVE 「PKPKの1年生」
SETLIST
-SE-
01. マグロ解体チェーンソー
02. Trick×Trap
03. MONSTER
04. ADVENTURE TIME
05. ROTTEN ORANGE
06. RUN with 物販紹介
07. 激ヤミセレナーデ
08. 激ヤマセルロイド
–ミュージカル~邪魔するで!–
–セッション–
09. ラストワンショー
10. Barguest
11. CALL MY NAME
12. アナザーワールド
13. 放課後の飼育
14. Paradox
–ドラムソロ–
16. 罵詈雑言
17. ナマケモノ
18. 絶唱謳歌
En1. MELODY(HAL Pf ver. )
En2. テバナシライダー
En3. SENKOU
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<ライブ情報>
■アクメ セカンドワンマンツアー「No.13」
10月5日(土) HEAVENS ROCK 宇都宮VJ-4
10月6日(日) 仙台BIRDLAND
10月12日(土) 滋賀U-STONE
10月13日(日) 神戸太陽と虎
10月20日(日) 西川口Hearts
10月22日(火祝) 新潟GOLDEN PIGS Black Stage
11月3日(日) 札幌ベッシーホール(CHISA & SHOGO)
11月4日(月祝) 札幌ベッシーホール
11月9日(土) 高松TOONICE
11月10日(日) 心斎橋 Pangea
11月21日(木) 名古屋 UPSET
11月23日(土) 熊本B.9 V3
11月24日(日) 福岡DRUM SON
12月1日(日) 渋谷 club asia
OPEN:17:00/START17:30(名古屋公演のみOPEN:18:00/START:18:30)
【チケット料金】ADV:¥4,000/DAY:¥4,500
※全会場特典付きCD即売(予約)有り 後日詳細解禁
【先行チケット(パスポートチケット・早割チケット)】
申込ページ http://www.getticket.jp/g?t=xwcddnu
※ディスクガレージオフィシャルサイトからはお申込みできません。
必ず上記申込ページURLよりアクセスして下さい。
※抽選エントリー期間 5月5日(日・祝) 23:00 ~ 5月20日(月) 23:59
※当落発表予定日 5月22日(水) 夜
【チケット一般発売】 6月9日(日)10:00
【問い合わせ】 ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00-19:00)
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■将吾フェス 2019
9月4日(水) 渋谷 Milky way
【一部】15:00開場/15:30開演 【二部】19:00 開場/19:30開演
9月5日(木) 渋谷 Milky way
【一部】15:00開場/15:30開演 【二部】19:00 開場/19:30開演
【チケット料金】(全公演共通)
・パスポートチケット(全公演入場可・スタンディングS1番~)¥18,000 (税込/D別)
・オフィシャルサイト先行(スタンディングA1番~) ¥4,500 (税込/D別)
・一般販売前売 (スタンディングB番)¥4,500 (税込/D別)
・当日券 ¥5,000 (税込/D別)
【チケット販売スケジュール】
・パスポートチケット
抽選受けエントリー期間:5月25日(土)12:00~ 6月9日(日)23:59
・オフィシャルサイト先行(スタンディング-A1番)
抽選受け付けエントリー期間:6/15(土)12:00~ 6/23(日)23:59
・一般販売前売 (スタンディング-B番)
発売日:6月30日(日)10:00~
【問い合わせ】 ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00-19:00)
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■補講ライブ「学艶崩壊・アクメの夏休み前編」
7月12日(金) 恵比寿 club aim
一部 トーク&ミニアコーステックライブ 開場15:00 開演15:30 ADV/DAY ¥2,500/\3,000(D別)
二部 ライブ 開場18:00 開演18:30 ADV/DAY ¥3,000/¥3,500(D別)
■補講ライブ「学艶崩壊・アクメの夏休み後編」
8月17日(日) 恵比寿 club aim
一部 トーク&ミニアコーステックライブ 開場15:00 開演15:30 ADV/DAY ¥2,500/\3,000(D別)
二部 ライブ 開場18:00 開演18:30 ADV/DAY ¥3,000/¥3,500(D別)
【チケット一般発売】 6月23日(日)10:00
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<リリース情報>
★NEW SINLE「モノノケレクイエム」 7月10日発売決定。
★SINGLE「放課後の飼育」NOW ON SALE
【TYPE-A】DCCNM-018/\1000(+tax) 【TYPE-B】DCCNM-019/\1500(+tax)
放課後の飼育 MVフル https://youtu.be/FWdO69B7ks8
★LIVE DVD 「アクメ 1st ONE-MAN TOUR 絶唱謳歌 FINAL at 渋谷CLUB QUATTRO」発売中
DCBNM-001 ¥5500( +tax)
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