DaizyStripper Guitar.まゆ INTERVIEW Part.2

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――そして6周年目から後半の活動に入りますが、まゆさんにとっては2014年に活動休止をされていたことがやっぱり大きいですよね。それまでの期間は、順風満帆だった前半と何か違っていたんですか。

「そうですね。5年やってきて、渋谷公会堂、ZEPP TOKYOまでやって、そういう中で自分が、ZEPPに立ったバンドのギタリストとしてこれでいいのかなって悩み始めたんですよね。そうなってくると、もともと音楽が好きで始めて、デイジーの曲が好きでギターを弾いてたのが、毎回プレッシャーにしかならなくなってきちゃったりしたんです。そこから一歩抜け出せたのは、活動休止期間のおかげですよね。ひとりでギターを背負って、アメリカに行って。何も知らない人たちと音を出して。ライヴハウスにギターを背負っていって、知らない外国の人とセッションしたりしたんですよ。別に上手く弾けるわけじゃないけれど、そうやってコミュニケーションがとれて、音楽を通して人が交流するところがひとつの場になることを経験したんですよね。音楽の楽しみ方を改めて感じたんです。音楽ってそうやって楽しむんでいいんじゃんって。それで、もっとシンプルに考えられるようになって。すごい大きな収穫だったと思います。今回10周年を迎えられたのは、確実にあの休止期間があったからですね」

――決断するのは大変だったと思うんですけど、かなり精神的には追い込まれていたんですか。

「わりと。周りのメンバーからしても、まゆだいぶやばい感じだなっていう雰囲気があったみたいで、それで話し合いをしたんですね。メンバーも一緒になって考えてくれたし、いい仲間ですよね(笑顔)」

――メンバーさんにしても送り出すのは勇気がいったと思うんですよね

「本当に戻ってくるかどうかは決まってなかったですからね。4人で活動してるときも、4人は4人ですごくいろいろ考えてたんだと思います。戻ってきたときはちょっと緊張もしたけど、純粋に楽しかったんですよ。戻ってきて、練習してるスタジオに今日行くからって言って、一緒に弾いたときに、楽しさみたいなのが一気にまた感じられるようになって。メンバーもそう感じてくれたと思うんですよね。スタジオが終わってから、いろいろ前向きな方向で話ができたし」

――振り返ると決断はすごく意味のあるものだったと。

「だと思います。バンドの形を再認識できたと思いますね。もちろん不安にさせた人はいっぱいいるかもしれないけれど、でも、必要なことだったと思います。遠回りだったかもしれないけど、通らないといけない道だったと思うんです。それがないままだったら、5人でやる大切さがわかんないまま進んでたんだろうなって」

――活動休止期間中に、ギタリストとして、成長できたのはどんなところですか。

「一人で何ができるかすごく考えたんですよ。アメリカに行ったけど、向こうって道端にアーティストがたくさんいて、絵を描いたり、パフォーマンスしたり、それこそギター弾いたりしていて。そういう自分の見せ方みたいなこと、俺もこういうギタリストなんですっていうのを音で伝えられるようにならないとって思って。それを一個見つけたかったし、その流れで考えたことが、去年の5人のソロ活動のギターインストのアルバムにつながってたりしてますしね。一ギタリストとして、バンドを支えたい、そういうことをすごく考えましたね。五角形のひとつにならないといけないって。そのためにもっと濃くなって帰ろうって、そういう戦いだったと思います」

――戦いっていうぐらい大変でした?

「そうですね。楽しんで帰ってきましたけど、大変でしたよ。不安にもなったし」

――それを乗り越えて今があるわけですね。再びお客さんの前にもう一度出られたときは感激されたんじゃないですか。

「有り難かったですね。その前のツアーファイナルで復帰を発表したんですけど、そのときのファンの歓声がすごくうれしかったです。それもあってか、復帰ライヴではちょっと肩に力が入ってたところがあったんですけど(苦笑)。でも、肩に力が入っているのと、俺がアメリカで感じてきた音楽は違うじゃないですか。そこからまた3年いろいろと考えたりもしましたけど、根本は楽しむんだっていうところなんですよね。メンバー皆でやってることを大事にしたいんですね。最初の5年で人気も出て、勢いもあって、その中で自分も強くなきゃいけないって思ってた、最初の5年に比べたら、その後の5年間、特に活動休止後は、楽しくやるっていう風になりましたよね。眉間にしわ寄せてやるんじゃなくて、この5人の音と、5人の個性がぶつかるところを楽しんでいこうっていう発想が全然違ってきたんです。そういう時間の使い方になってきたから、後半5年間のほうが、前半より速く感じるのかなって、今話してて思いました。発想がすごい変わりましたからね。単純に歳とったっていうのもあるかもしれないですけど(苦笑)」

――その辺りは、10年経って、一人の人間とか男性として成長したところはありますか。

「本当にダメなんですけど、ないんですよ(苦笑)。人間としては全然成長してないかもしんねえって。ギターはちょっと上手くなったかもしれないけど、あんまり大人になった感はないですね」

――気持ち的には、バンドを始めたときに見ていた夢とか可能性とかは変わりませんか。

「まだ全然夢がありますもんね。10周年では、10年前に夢見ていた場所には悔しいことに立てなかったけど、でも今は俺らができるところで最大限のことを見せるし、その先を見て、進んでいきます」

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――2016年から10周年を意識してきてますから、本当に大きな意味のある10周年ですよね。

「2年前から10周年プロジェクトが始まってますからね。いろいろなことをやってきましたけど、すべてはデイジーがもう一歩先に進むための糧になることなんですね。ただお祭りムードでワッショイ!ってやったんじゃなくて、ひとつひとつ自分たちを成長させてくれてるなって感じてますから。この10年間もその積み重ねだったんだろうなと思います。そういう意味で本当に有意義な10年間でした」

――足元を踏みしめながら、前というか、遠くを見続けてきたんですね。

「器用な人間は少ないと思うんで、不器用なやり方かもしれないけど、一歩一歩、精いっぱいの一歩だし、無駄なことはなかったですよね」

――そのひとつの結果として、メジャーデビューも決まりましたしね。

「すごくいいタイミングでメジャーデビューが決まったのはうれしいですね。この10年間、メンバーとスタッフで今の環境の中でできることを模索してやってきたんですけど、ここからまた見たことない世界を見て、いろんなアイデアをもらうことによってまた一歩、自分たちをもっといい感じで伝えられるんじゃないかなって期待してます。このバンドは、まだまだ止まんないなって思ってもらえるんじゃないかな。そのために必要なメジャーデビューなんだと思いますね。本当にいいタイミングだったと思います」

――いい10周年を迎えられそうですね。

「感謝、感謝です。ファンの方もそうだし、10年で関わってきたいろんな人に対してですよね。いろんな人に支えられてなかったら、今の景色は見れてないと思います。10年間には、危ないときもあったし、メンバーだけじゃなくて、ファンや周りのいろんな人達がいて、いろんなことをしてくれたから、続けてこれたんですよね」

――中身の濃い10年を過ごせましたね。

「でも達成感はまだないですよ。TOKYO DOME CITY HALLに立ったときに感じるのかな。どんな気持ちになるんでしょうね」

――そして11年目が始まります。

「バンドとしても大きくなりたいし、シーンとしても盛り上げたいですね。もちろん15、20年と続けられるバンドになるつもり満々ですしね。バンドの内容がそれに伴っていかないと難しくなることもあると思うんで、10年続いたからどうとかじゃなくて、15周年に見合うようなバンドになれるように気はゆるめられないと思ってますね」

――また新たなスタートですよね。

「10周年を迎えたその瞬間に始まってるぐらいの気持ちでいきたいです」

取材・文◎村山 幸

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