2022年09月26日 (月)
【ライヴレポート】<DEZERT “ひまわり会”発足記念OFFICIAL FANCLUB TOUR 「ひまわり超会議(^з^)-☆2022」>2022年9月24日(土)新宿BLAZE◆
NEWS - 20:00:57ひまわりをモチーフとした現行バンドロゴをDEZERTが提示し始めたのは、2019年夏のことだったろうか。
当時リリースされたシングル『血液がない! / Call of Rescue』のカップリングとして収録されていた楽曲「Stranger」のリリックビデオにおいても、ひまわりのイラストが印象的に使われていたのだが、なんと今年に入って発足したDEZERTのファンクラブには、これまた“ひまわり会”という名が冠されることに。
そして、このたびファンクラブの発足を受け初開催されたのが東名阪での[“ひまわり会”発足記念OFFICIAL FANCLUB TOUR 「ひまわり超会議(^з^)-☆2022」]となったのである。
ここではその初日となった新宿BLAZEでの公演の模様をお届けしたい。
「DEZERT初のFC限定イヴェントということで、今日はサービス精神旺盛に今までやったことないこともしようかなと思ってます。
さっきの1曲目と2曲目なんかは久しぶりにやってんけど、あらためてやってみると「バケモノ」とかカッコよくない?いいよね。(中略)
というわけで、次も久しぶりの曲をやります。以前[千秋を救うツアー2]の時に1曲目でやってた曲です」(千秋)
FC限定ライヴならではの大きなアドバンテージというのは、結局こうしたレア曲をふんだんに取り揃えたプレミアムなセトリを楽しめるところにあるような気がする。事実、これまで観てきたDEZERTのワンマンにおいて「ヘドロママ」からいきなり始まるというケースは記憶になく、それに次いでの「バケモノ」も2019年にアルバム『black hole』がリリースされた頃に披露されて以降は、半ば封印されたかのように聴く機会が少なくなっていたほか、この夜の3曲目として演奏された「胃潰瘍とルソーの錯覚」や、前述のMCから続けられた「幸福のメロディー」も現状ではレギュラーメンバーとは言い難い。
しかし、どの曲も存在感やポテンシャルには富んでいるため、このような“機会”さえあればそれぞれに輝きを放ち始めるのはあたりまえのこと。
ちなみに、このツアーに向けては事前にFC会員からリクエスト曲を募っていたそうで、今回のセトリはランキング順などではないにせよ、その集計結果を反映させたものとなっていたそう。故に、昨今のライヴでは聴く機会の少なくなった楽曲や、初期の曲たちがかなりエントリーされていた傾向はみられたものの、それでいて「カメレオン」や「ミザリィレインボウ」といった近年に生まれファンに愛されるようになった曲たちや、「ラプソディ・イン・マイ・ヘッド」「Thirsty?」といったライヴの場でバンド側とファンがこの数年をかけ共に育ててきた曲たちなども、何時も以上に観衆とのコミュニケーションをはかりながら今宵のライヴでは楽しい雰囲気の中、あれこれと演奏されていくことになったのだった。
また、本編中盤では2016年11月に発売されたアルバム『完売音源集–暫定的オカルト週刊誌②–』に収録されていた「Ghost」がじっくりと丁寧に奏でられる一幕もあったのだが、このあとアンコールでのMCによって実はこれが今回のファン投票で1位を獲得したということが明かされ、この曲の隠れた名曲ぶりを証明することにもなっていたのも大変興味深いところであったと言える。
(なんでも、この日のMCで話されていた内容を簡潔にまとめるとリクエストの集計結果は、3位が「白痴」、2位が「幸福のメロディー」、1位が「Ghost」であったとのこと)
そのうえ、今回のライヴで堪能出来たのは何も曲の良さだけではない。本編後半に入ったところでプレイされた「白痴」のイントロダクション部分では、千秋もギターを肩にかけたうえでジャムセッション的な遊びがしばし展開され、そこからショッキングピンクの派手な衣装に負けないダイナミックなスティックさばきが冴えたSORAによるドラムソロ、花柄セットアップの似合う王子系男子とは思えないほど渋いフレーズを迸らせたMiyakoのギターソロ、このところソロを振られると何故かダンスなどの別技を見せがちだったSacchanの本領が感じられた粋なベースソロと、各人のミュージシャンとしての個性が発揮されていくさまからはDEZERTというバンドの持つ土壌がいかに豊沃なものであるか、ということも十二分に感じられたはず。
なお、ここから本編終盤に向けてもいよいよFC限定ならではのコアファン向けな選曲ぶりはその度合いを増してゆき、ワンマンではリリース当時のホールツアー以来で聴けた気がする「血液がない!」、病みの雰囲気をまとった曲とイタイタシイ歌詞に往年のDEZERTの姿が集約されている「肋骨少女」、2015年の1月に開催されたO-WESTでのワンマンにて音源が無料配布された「変」、2012年にリリースされたミニアルバム『眩暈に死んだ部屋』に収録されていた「「眩暈」」と「遮光事実」の連打を経て、本編をしめくくったのは「TODAY」。
「コロナとかそんなことは関係なく。俺はこの世の中、まだまだクソだと思ってますが。
でも、この9月24日はあんたらにとって、俺らにとって素晴らしい日になったと信じています。さぁ、俺たちの“今日”を始めようぜ!」(千秋)
このあと、アンコールでは12月14日にLIVE Blu-ray&DVD『DEZERT SPECIAL LIVE 2022 in 日比谷野外大音楽堂 “The Walkers”』が発売されることや、来年1月に行われる[DEZERT LIVE TOUR 2023 「てくてくツアー」]についての告知がされたのだが、どういうわけか最も直近での重要事項となるシングル『The Walker』が10月12日に発売されることに関しての言及は全くなく、結果的にこれが今回のステージ上で演奏される場面もなかった。
おそらく、DEZERTの面々としては“ひまわり会”の民たちに対しもはや執拗なプロモーションはしなくとも大丈夫という信頼感があるのだろう。
「今日のアンコールでは3曲やります。1曲目の「I’m sorry」はリクエストのけっこう上位に入った曲でね。これは僕、嬉しかったですよ」(千秋)
MiyakoとSacchanがアコギを弾き、SORAが自席でオーディエンスと化している中、千秋が歌いあげた優しく温かい「I’m sorry」は、珠玉のバラードとして場内に響きわたり、DEZERTというバンドの懐の深さを聴衆にひしひしと感じさせる美しい1曲となっていたように感じた。
ただし、DEZERTのライヴがこのまま穏やかな空気感のままで終わるわけはない。最後はSacchanのリコーダーソロが利いていた「大塚ヘッドロック」、ここぞの「「切断」」でメンバーとオーディエンスのアタマが揃って勢い良くブン回り、そのまま見事に大団円を迎えると思いきや…
「(「「切断」」の)大事なとこ、歌詞飛んだ!こんなんで帰れるかいな。ラストもう1曲やります。ベタですが、君の子宮を触ってもらいます!!」(千秋)
かくして、急遽追加となった「「君の子宮を触る」」で場内の盛り上がりぶりはより増すことになったのだが、どうしたわけかこの時の千秋には何か憑いてでもいたのか不思議とまた途中で歌詞を間違えてしまうという事態が勃発。
普段から千秋が意図的に歌詞を変えて歌うことはよくあるが、これは随分と珍しいケースかも。
「俺、今の絶対に歌詞間違えたよな?俺は間違えへんまでやるで!こんな時のためのウルトラCがあるんですよ。「doze.」やって帰るから!!」(千秋)
3度目の正直とも言うべき激アグレッシヴチューン「doze.」をダメ押し的にブチあげることにより、徹底的ファンサービスに徹したDEZERTの初FC限定ライヴは、トゥーマッチなくらいに濃厚な内容をもって、ひとまずここで幕を閉じたわけだが。
いずれまたこのような機会が設けられた場合にも、明らかに通常のワンマンとは一線を画するFC限定ならではの公演が繰り広げられることになるのはまず間違いない。
たとえ過酷な環境でも、しっかりと成育していくことが出来る花・ひまわりのように。
DEZERTとDEZERTを愛する人々によって構成された“ひまわり会”が、将来ここからより大輪の花を咲かせていくことに心から期待したいものだ。
写真◎Taka”nekoze photo”
文◎杉江由紀
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“ひまわり会”発足記念OFFICIAL FANCLUB TOUR 「ひまわり超会議(^з^)-☆2022」
2022年9月24日(土)新宿BLAZE
<SETLIST>
01 ヘドロママ
02 バケモノ
03 胃潰瘍とルソーの錯覚
04 幸福のメロディー
05 カメレオン
06 ラプソディ・イン・マイ・ヘッド
07 ミザリィレインボウ
08 Thirsty?
09 Ghost
10 白痴
11 血液がない!
12 肋骨少女
13 変
14 「眩暈」
15 遮光事実
16 TODAY
EN1 I’m sorry
EN2 大塚ヘッドロック
EN3 「切断」
EN4 「君の子宮を触る」
EN5 doze.
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<ライヴ情報>
■DEZERT LIVE TOUR 2023 「てくてくツアー」
2023年1月7日(土)なんばHatch OPEN 16:30 / START 17:30
全自由/座席有 ※入場整理番号付 (問) キョードーインフォメーション 0570-200-888
2023年1月9日(月・祝)名古屋DIAMOND HALL OPEN 16:30 / START 17:30
全自由/スタンディング ※入場整理番号付 (問) サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
2023年1月14日(土)TOKYO DOME CITY HALL OPEN 16:30 / START 17:30
全席指定 (問) DISK GARAGE 050-5533-0888
★入場者全員に音源無料配布あり(各会場別)
1月7日公演:無料配布音源(なにわver)
1月9日公演:無料配布音源(尾張ver)
1月14日公演:無料配布音源(大江戸ver)
★ひまわり会(FC)先行購入者特典あり
①FC会員応募抽選:1/14来場者限定「TDCホール公開リハーサル」へご招待(30名様)
②FC会員全員:各会場にて「会場別オリジナル紙チケット」をプレゼント
詳細はこちら https://www.dezert.jp/news/detail/5629
【チケット料金】6,000円(税込) ※入場時ドリンク代別途必要
【ひまわり会 チケット先行受付(先着)】受付期間:2022年9月24日(土)12:00~2022年9月30日(金)21:00
※各公演お1人様2枚までお申し込みが可能です。同伴者は非会員でも申し込みいただけます。
※受付期間中にご入会が完了した会員様もお申し込みが可能です。
オフィシャルFC「ひまわり会」会員限定受付ページhttps://www.dezert.jp/feature/tekutekutour_fc2
【オフィシャルHP先行受付(抽選)】
受付期間:2022年10月8日(土)12:00~10月17日(月)21:00
入金期間:2022年10月20日(木)13:00~10月23日(日)21:00
※イープラス抽選受付、各公演1人4枚、スマチケのみ、同行者登録有り
<受付ページ> https://eplus.jp/dezert2301-official/
【一般発売日】 2022年11月12日(土)10:00~
■DEZERT × 夕闇に誘いし漆黒の天使達 “すっごいツインテールを決める会”
2022年10月28日(金)Shibuya WWW X OPEN 17:45 / START 18:30
※SOLD OUT
■DEZERT × Royz “デザートとロイズでアナタのハートに火はツキマス~?…多分ダイジョウブデスっ!”
2022年11月15日(火)東京キネマ倶楽部 OPEN 17:45 / START 18:30
【チケット料金】1F・オールスタンディング 6,000円(税込・全自由、ドリンク代別途)
【チケット発売中】 https://bit.ly/3CchWAZ
(問) DISK GARAGE 050-5533-0888
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≪リリース情報≫
■NEW SINGLE 「The Walker」
2022年10月12日(水)発売
<初回限定盤(CD+DVD)> DCCL-245~246 / 2,750円(税込)
<通常盤(CD)> DCCL-247 / 1,650円(税込)
【CD】※初回限定盤/通常盤共通
1. The Walker
2. あの風の向こうへ
3. モンテーニュの黒い朝食
4. The Walker (instrumental)
5. あの風の向こうへ (instrumental)
6. モンテーニュの黒い朝食 (instrumental)
【初回限定盤特典】
・特典DVD付
The Walker Music Video -Director’s Cut ver-
The Walker Music Video -Behind the Scenes-
「神経と重力」Live Video at 日本武道館 (JACK IN THE BOX 2021)
・初回盤仕様ジャケットデザイン
・トレーディングカード 3枚入り(ランダム封入)
【通常盤特典】
・トレーディングカード1枚入り(初回プレスのみ。ランダム封入)
※トレーディングカードの絵柄は選べません。(全10種類)
<CDのご予約はこちら>https://DEZERT.lnk.to/lkh8oX
購入者対象イベント / 店舗別購入者特典 詳細はこちら https://www.dezert.jp/news/detail/5510
DEZERT – The Walker (Official Music Video) https://youtu.be/wvfZDc54GPU
■Blu-ray / DVD 「DEZERT SPECIAL LIVE 2022 in 日比谷野外大音楽堂 “The Walkers”」
2022年12月14日 RELEASE
【オフィシャルサイト限定いちご盤】(Blu-ray+CD+64Pブックレット+オリジナルグッズ)DCXL-5~6 / 15,000円(税込、送料別)
※9月24日(土)21:00より予約受付開始
※予定数に達し次第、終了となります。お早めのご購入をお勧めいたします。
予約販売受付はこちら https://dezert.stores.jp/
【通常盤】(Blu-ray) DCXL-7 / 7,700円(税込)
【通常盤】(DVD)DCBL-21 / 6,600円(税込)
※通常盤のご予約はこちら https://DEZERT.lnk.to/KH7Vs8
収録曲、購入者特典・イベント等詳細はこちら https://www.dezert.jp/news/detail/6140
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≪オフィシャルファンクラブ情報≫
DEZERTオフィシャルファンクラブ「ひまわり会」 詳細はこちらhttps://www.dezert.jp/
DEZERTオフィシャルサイトhttp://www.dezert.jp
DEZERT YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/dezert_official
DEZERT 公式Twitter https://twitter.com/DEZERT_OFFICIAL
DEZERT 公式 Instagram https://www.instagram.com/dezert_official/?hl=ja
SORA Voicy「SORAの元気になるハナシ」 https://voicy.jp/channel/1890
2022年09月25日 (日)
【Leetspeak monsters】最新曲『Phantom troops』配信リリース&冬ツアー開催決定!
NEWS - 21:00:17ハロウィンといえばLeetspeak monsters!
そんな彼らより、10月26日に最新曲『Phantom troops』の配信リリースが発表された。
注目のHalloween Partyは10月28日川崎CLUB CITTA’、大阪は阿倍野ROCKTOWNにて10月21日に開催される。
ご来場の皆様にはハロウィン仕様のコスチュームでご来場いただき、思い切りハロウィンパーティーを楽しんでいただきたい。
10月31日にはVeats渋谷にてOneman Show、そして11月からは<Welcome to Monster’s Theater~2022-2023~>全国TOURの開催も決定!
TOUR FINALは1月28日(土)に東京キネマ倶楽部にて行われる。
ハロウィンから年末にかけて、4人のモンスター達に大注目!
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<リリース>
★配信Release
2022年10月26日(水)配信Single『Phantom troops』
配信限定Release!
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<ライヴ>
■Leetspeak monsters ONEMANTOUR SHOW
Welcome to Monster’s Theater~2022-2023~
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石川公演
11月19日(土)金沢AZ
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新潟公演
11月20日(日)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
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埼玉公演
11月22日(火)西川口Hearts
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長野公演
11月23日(水・祝)長野J
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千葉公演
12月6日(火)本八幡Route14
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福岡公演
12月17日(土)福岡DRUM Be-1
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静岡公演
12月23日(金)静岡Sunash
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岡山公演
1月8日(日)岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
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大阪公演
1月9日(月・祝)大阪RUIDO
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愛知公演
1月13日(金)HOLIDAY NEXT NAGOYA
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神奈川公演
1月15日(日)川崎Serbian Night
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TOUR FINAL
1月28日(土)東京キネマ倶楽部
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■ONEMANTOUR SHOW
Halloween Party Oneman Show 2022
10月31日(月)Veats Shibuya
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前売り¥5,000+D /当日¥5,500+D
open18:00/start18:30
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ACT:Leetspeak monsters
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★チケット発売日
9月4日(日)よりe+にてチケット発売開始
購入ページURL
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企画 GLK MUSIC
制作 サイレン・エンタープライズ
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■Halloween Party 2022
Leetspeak monsters Presents
Halloween Party 2022 in Kawasaki
10月28日(金)川崎CLUB CITTA’
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前売り¥5,000+D /当日¥5,500+D
open16:00/start16:45
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ACT
Leetspeak monsters / DuelJewel / Develop One’s Faculties / Jin-Machine / UCHUSENTAI:NOIZ / 梟
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★チケット発売日
9月3日(土)よりe+にてチケット発売開始
購入ページURL
…………………………………………
企画 GLK MUSIC
制作 サイレン・エンタープライズ
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■Halloween Party 2022 in Osaka
10月21日(金)阿倍野ROCKTOWN
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前売り¥4,500+D /当日¥5,000+D
open17:30/start18:00
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ACT
Leetspeak monsters / DuelJewel / Develop One’s Faculties / ホンモノ
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★チケット発売日
9月3日(土)よりe+にてチケット発売開始
購入ページURL
https://eplus.jp/sf/detail/3705180001-P0030001
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企画/制作 GLK MUSIC
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★Leetspeak monsters OFFICIAL SITE★
https://leetspeak-monsters.com/
2022年09月24日 (土)
【ライヴレポート】<Petit Brabancon Tour 2022「Resonance of the corpse」>2022年9月21日(水)東京 Zepp Haneda◆初のツアー完走。鬼気と繊細さが共存する圧巻の進化。さらなる高みを目指し、次のステージ1月豊洲PIT公演を発表。
NEWS - 22:05:35Petit Brabancon Tour 2022「Resonance of the corpse」の最終日、東京Zepp Haneda公演である。
私は初日の名古屋公演に続いて見ることができた。名古屋公演は十分にバンドのポテンシャルを感じさせる凄いライヴだったが、まだまだこんなもんじゃない、もっともっと伸びしろがあるはずだとも感じた。
そして今日。案の定、凄いと感じた名古屋公演をはるかに上回る圧巻すぎるライヴだった。
名古屋のオーディエンスは、このバンドの初ワンマンライヴという緊張感とフレッシュさを共有できたわけだが、羽田での彼らはまるで別のバンドだった。名古屋公演のライヴ評で「我々オーディエンスが凄いと思ったそのはるか先に、彼らの目指す場所がある」と書いた、その文言を訂正する必要は一切なかった。短期間に恐ろしいほどの進化のスピードである。
名古屋公演の会場となったZepp Nagoyaに比べると2回りほど大きなステージであり、照明や演出、特効などもより見栄えがして効果的だったが、なにより出音が素晴らしい。
分離がよく隅々までクリアで力強い音は、凝った曲構成や変拍子、ポリリズムなども駆使したリズム・アレンジの妙、打ち込みと生ドラムの融合、ミヤとantzという2本のギターの絡み、繊細さと荒々しさが同居した音色(おんしょく)など、さまざまのテクニカルなプレイや精密なアンサンブルをしっかり際立たせていた。
とりわけ昨今のラウドロックにありがちな、手技を詰め込んだアレンジとは一線を画すプレイで絶妙なリズム・コントロールと音の深さと強さでバンドを支配するyukihiroのドラムは圧巻だったし、初日に比べると固さがとれダイナミズムを増した高松浩史のプレイは生気に溢れていた。
バンド一体となったエネルギーや音圧感は当然として、そうしたプレイの全体像とディテールが共に明瞭になることで、バンドの底知れぬ実力がいっそう露わになったのである。
実際、バンドの演奏自体も初日に比べるとずっとこなれてきた感があり、演奏に躍動感があって、プレイもキレキレな中に余裕が感じられた。
メンバーの動きも激しく、ステージが広い分より大胆だ。それに応じて京のパフォーマンスはなお一層凄まじい。
「かかってこい!「噛みついてこい!」「お前らの胸の中を吐き出せ!」という客煽りも絶好調だ。
彼らのライヴには、クールで冷静な知性と全てを引き裂き破壊し尽くすような激しく熱い衝動、計算し尽くされた緻密で精密な演奏と予測不可能なトリッキーな動きと美しい獣のような叫びが矛盾なく同居する。
客のノリものっけから全開。声を出せない分、激しいヘッドバンキングとジャンプとハンドクラップで応える。
2階席からみると見事なぐらいその動きはバラバラだが、その自由さこそがPetit Brabanconだし、まだスタートしたばかりで何も凝り固まったものがないバンドの勢いも感じる。
椅子席のライヴでモッシュもできないし声も出せないが、アーティストもオーディエンスも、こうしたライヴのやり方に慣れてきたようだ。
yukihiro作のトリップホップ「come to a screaming halt」と、atnz作のヘヴィでゴシックなポスト・ロック「非人間、独白に在らず」の流れは白眉だった。
前者の重低音はZeppの床や壁を震わすほどだったし京の舞踏を思わせる動きはあくまでも優美でしなやか。一転して後者での何かに取り憑かれたような京の奇怪な動きとサウンドの狂気じみた響きは、あまりに鬼気迫っていて目が離せない。
この曲の終わりにギター2人によるアンビエントなドローン・ノイズが鳴らされるのは名古屋公演同様だったが、この日は京のスクリームがそれに加わり、圧巻の照明も手伝って、ステージはさながらこの世ならぬ異境のようだった。
個人的に一番ブチあがったのはantz作「無秩序は無口と謳う」の、タブラとギターによるダンサブルなイントロが流れた瞬間だった。
名古屋では機材の関係で一定のポジションから動けなかったという高松が、ここでは弾かれたように前に出てきて弾きまくる。
会場は一気に沸騰し、いきなりフロアは怒濤のピークタイムに突入する。
ミヤ曲のヘヴィでハードでざらついたラウド・ロックの中にこうした変化球があるから効果的だし、それができるメンバーが揃った強みを感じる。素晴らしい。
新曲も含む全15曲は恐ろしいほどの密度と強度とスピードだった。
思えば初日の名古屋ではメンバーも舞台スタッフもオーディエンスも、実質初ライヴということで手探りだったのだろう。
これこそがPetit Brabanconの本領だったのだ。
開演前の客入れの音楽はずっと80年代欧米のニュー・ウエイヴやポスト・パンクが流れていて、知る人ぞ知るノイエ・ドイッチェ・ヴェレ(ジャーマン・ニュー・ウエイヴ)のリエゾン・ダンジェルースが流れ、いきなり音が大きくなると暗転してライヴが始まったのは驚いた。
つまりこれはただの客入れのBGMではなく一定の意図を持ってショウの流れに組み込まれた選曲だったわけだ。
終演後には「ツイン・ピークス」のテーマ曲が流れたが、セットリストがツアー全公演共通だったことも含め、一定の美意識と音楽観が貫かれた、見事な構築美としてのショウだったのである。
これらのBGMはyukihiroがリクエストしてantzがセレクト、そしてSEはyukihiroが制作したそうだ。
終演後には来年1月の豊洲PIT公演の発表も。
ツアー・ファイナルで圧倒的な高みに達した次のステージが早くも用意されたのは喜ばしい。
次はスタンディング公演であり、客の暴れっぷりも、煽るアーティストのテンションもさらに凄まじいことになるだろう。
しかし個人的にはこのバンドは海外を目指して欲しいと思っている。
彼らのようなバンドはほかにない。今なら間違いなくアメリカでもイギリスでも世界のどこででも勝てるはずだ。
文◎小野島大
写真◎河本悠貴/尾形隆夫(尾形隆夫写真事務所)
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Petit Brabancon Tour 2022「Resonance of the corpse」
2022年9月21日(水)東京 Zepp Haneda
セットリスト
01. 渇き
02. Don’t forget
03. Ruin of Existence
04. 主張に手を伸ばす修羅
05. 新曲
06. come to a screaming halt
07. 非人間、独白に在らず
08. 刻
09. I kill myself
10. Pull the trigger
11. 無秩序は無口と謳う
12. OBEY
13. A Praying Man
14. Isolated spiral
15. 疑音
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<LIVE情報>
■<Petit Brabancon EXPLODE -01->
2023年1月28日(土) 東京・豊洲PIT
OPEN 17:00 START 18:00
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
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【チケット料金】
<SSスタンディング> ¥25,000(前方エリア・オリジナル特典付き)(税込・整理番号付き・ドリンク別) ※オリジナル特典後日発表
<一般スタンディング> ¥8,800(税込・整理番号付き・ドリンク代別)
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【オフィシャル最速先行受付】
受付期間:2022年9月21日(水)21:00~9月28日(水)23:59
イープラス https://eplus.jp/pb23/
受付方法:抽選
制限枚数:1人4枚まで
チケット受取:スマチケ・紙チケット併用
※申し込みにはe+の会員登録が必要です(登録無料)
Petit Brabancon EXPLODE -01- Teaser https://youtu.be/vRaNDi4H9XA
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<リリース情報>
★Petit Brabancon 1st Album「Fetish」 発売中
購入はこちらから https://www.petitbrabancon.jp/
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<収録曲>
1.Don’t forget 作詩:京/作曲:ミヤ
2.疑音 作詩:京/作曲:ミヤ
3.OBEY 作詩:京/作曲:ミヤ
4.Ruin of Existence 作詩:京/作曲:antz
5.主張に手を伸ばす修羅 作詩:京/作曲:antz
6.刻 作詩:京/作曲:ミヤ
7.come to a screaming halt 作詩:京/作曲:yukihiro
8.I kill myself 作詩:京/作曲:ミヤ
9.Pull the trigger 作詩:京/作曲:ミヤ
10.非人間、独白に在らず 作詩:京/作曲:antz
11.Isolated spiral 作詩:京/作曲:ミヤ
12.無秩序は無口と謳う 作詩:京/作曲:antz
13.渇き 作詩:京/作曲:ミヤ
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<完全限定盤>(CD+Blu-ray+フィギュア) 品番: DCCA-108/109 ¥9,900 (税込) ※SOLD OUT
[Blu-ray]2022年1月14日にCLUB CITTA’川崎で行われたPetit Brabancon The 1st Premium Live「渇き」を収録
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<通常盤> 品番: DCCA-107 ¥3,300 (税込)
[ステッカー]1種ランダム封入(全5種)
※CD特殊パッケージ仕様
※通常盤はAmazon、TOWER RECORDS(店舗/ONLINE)でも購入可能な商品となります。
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Official Web: https://www.petitbrabancon.jp/
Twitter: https://twitter.com/PetitBra_staff
YouTube: https://www.youtube.com/c/PetitBrabancon_official
Instagram: https://www.instagram.com/petitbrabancon.official/
Facebook: https://www.facebook.com/petitbrabancon.official