──今回は2マンツアー[ASHLA TOUR]を控えているXANVALAとAshmaze.から上手ギターのおふたりにお話を伺っていこうと思います。インタビュー開始前も仲良くお話されていた姿が印象的です。よろしくお願いします。
Yuhma:よろしくお願いします!
諒;お願いします!
──両バンドの中でとりわけ明るいおふたりという印象ですが、出会った時の印象は覚えていますか?
諒:ちゃんと喋りだしたのは去年やった2マンからぐらいですけど、前のバンドからお互いの存在は認識していたと思います。
Yuhma:でも、なんかどちらから話しかけたとかっていうこともなく仲良くなりましたね。自然な流れで。
──カップルみたいですね(笑)
二人:あははははは
Yuhma:そうなんです。で、実はすごく共通点も多くて、こういう関係になるのは必然だったんだなって思ってます。
──夫婦みたいですね。共通点というお話ですが、まずは何よりおふたりには上手ギターという最大の共通項があります。お互いに各バンドでの立ち位置にはどんな印象ですか?
Yuhma:そうですね。お互いのプレイスタイルとか音とか似てる部分が多いんじゃないかなと思ってて。
諒:うん。
Yuhma:そういう意味では最初からプレイヤーとしても親近感を感じていたんですけど…ただ…
──ただ?
Yuhma:諒くんの出身が広島というのを聞いてて。特に(諒の出身地である)呉と言えばもう…とぅるる~とぅるる~じゃないですか!
諒:ははは!確かにそうだね(笑)
──とぅるる~と言えば誰もが聞いたことのある超有名任侠映画のテーマですね(笑)
Yuhma:だから…絡みづらかったですね。なんか…(手で形を作り)こういうもの懐から出されるんじゃないか?みたいな(笑)
──「●ャカ」や「ハジ●」と呼ばれるものですね(笑)物騒な映画の影響を受けすぎな気がしますが実際は…
Yuhma:もう無茶苦茶いい人でした!波長も合います。会うとずっと喋ってます。
諒:僕はXANVALAの前からYuhmaくんの存在は知っていて、その時から自分のプレイスタイルと似ているなと思ってずっと注目はしてたんですけど…あとは何より「脱ぐねぇ~~!」と思います(笑)
Yuhma:(笑)
諒:とにかく脱ぐイメージ。今回のツアーでは俺も脱いだ方がいいのかな。
Yuhma:鍛えてるわけじゃないんですけど、バンド始めた時に「良い身体してるから脱いだ方がいいよ」って言われてからノッてくるとよく脱いじゃいますね。
諒:脱ぐよねぇ~。
Yuhma:上手ギターは脱いでナンボです。
──Yuhmaさんにとっての篠山紀信がいたと(笑)ライブの終盤になると上手に上半身裸のギタリストがいるのは目をひきますよね。ところでおふたりはどんなバンド・アーティストに影響を受けてこられましたか?
諒:僕はhideさんです。そこから後追いでX JAPANを知り、見た目も派手だし化粧してるし華があるし、なんじゃこの人は!?という衝撃でその勢いのままに僕もギターを手に取りました。その後はDIR EN GREYさんや黒夢さんを聴いたりしてかっこいいなと思ってズブズブのめりこんでいきました。でも一番最初に憧れたギタリストってなるとhideさんで間違いないですね。
──hideさんで特に思い入れのある楽曲を教えて下さい。
諒:「ROCKET DIVE」ですね。90年代のアーティストって化粧して華やかで見たことないことをしていて。hideさんのMVの華やかさは衝撃でした。その流れで意気揚々とギターを弾こうとしたんですけどXは難しすぎてダメでしたね(笑)それで挑戦したのが「ROCKET DIVE」だったので特に思い入れがありますねえ。
──曲もですし、あのhideさんの存在や言葉に今も救われている人がいますしね。
Yuhma:いや、僕も諒くんと一緒ですね。これも共通点なんですけど、hideさんを知ってとんでもない衝撃を受けて僕もすぐにギターを始めました。そこから遡りXを知り、DIR EN GREY、黒夢…って全く同じですね。それでガッツリ、ヴィジュアル系が大好きになりました。
諒:一緒過ぎるね。僕はモッキンバード買ったりしました。
Yuhma:俺も俺も!
諒:マジ?そうなるよね。
──そんなヴィジュアル系愛が深いおふたりがキッズ時代に観に行った中で印象に残ってるライブってありますか?
諒:僕はDIR EN GREYが広島のクラブクアトロでやったライブです。
──『鬼葬』の頃ですか?ステージで逸話になっているハプニングがあった。
諒:いや、その一個次のツアーなので『VULGAR』の時です。あとは復活後の黒夢が広島に来た時も印象的です。清春さんがステージに上がった時に“本物や!”って思いました。
Yuhma:僕はhide memorial summitです。実はその頃には僕はヴィジュアル系以外の色々な音楽も多く聴くようになっていたんです。でも、あのイベントって僕の好きなアーティストばっかり集まってて、そんな人たちが昼から夜まで長時間ライブすることなんてこの先あるのかな?って。ヴィジュアル系熱が再燃しましたね。それもhideさんの名の下に皆さんが集まってるのもアツかったです。
諒:もう結構前だよね?
──2008年だったと思います。
Yuhma:だいぶ経ちましたね。今でもしっかり覚えてます。それこそDIR EN GREYとかも出てて。
──確かDIR EN GREYは『DEATH OVER THE BLINDNESS』っていうツアーを開始して大阪なんばHatch3DAYSの翌日に味の素スタジアムに出演するっていう常軌を逸した超強行軍だったと思います。ツアーグッズのタンブラーをなんばHatchに並んで買った記憶があります。そして翌日はまたツアーに戻るすごいスケジュールでした。岡山とかだったかな。
Yuhma:あーそうなんですね。
──あのフェスと言えば衝撃の「Miscast」カヴァーですよね!
二人:そうそうそうそうそうそう!そうです!
──通ってきた音楽も非常に似ているおふたりにとってのヴィジュアル系とはどんなものでしょうか?ちょっと漠然としたテーマかも知れませんが。
Yuhma:魅せる音楽です。音楽っていうのは基本的に“聴く”ものだと思うんですけど、聴かせるだけではなく魅せる音楽なのがヴィジュアル系だと思います。聴かせるものも魅せるものもどっちもかっこよさの究極を求めて追求できる。それこそ、メイク・衣装・ステージングとか自分の表現したいものを最大限・無限大に追い求められる最高のジャンルですね。
──メイクや衣装は目的ではなく手段だと。
Yuhma:そうですね、はい。
諒:そうですね。僕も表現の究極形だと思います。かつ、一人一人が輝けるのがヴィジュアル系だと思います。メンバーにもそれぞれ個性があってバンドを見ている人が全員に注目してどこを見ていいかわからないっていうのは武器だと思います。
──なるほど。おふたりが表現の究極形としてヴィジュアル系を認識していることがわかったのですが、XANVALAもAshmaze.も極めて“ヴィジュアル系っぽい”魅力があるにも関わらず“ヴィジュアル系の●●っぽい”とは言わせないオリジナリティを強く持ったバンドだと思います。
諒:オリジナリティについては考えたりもしますけど、Ashmaze.は一つの楽曲に対してメンバー全員のエッセンスがぐちゃぐちゃに加わってくるスタイルなので、各々の引き出しにないものが最終的に一つになるのでそれが良いのかなって思います。意識してオリジナリティを出そうっていうよりは、うん、自然と、そういうイメージです。
Yuhma:XANVALAはコンポーザーが4人いるものですから、曲調に対してもバリエーションがあるのはもともとなんですけど、全員ヴィジュアル系以外の音楽も聴くんですよ。だからそれぞれ狙っている曲調はあると思うんですけど、無理矢理ヴィジュアル系っぽくしなきゃっていう意識はしてないです。尚且つ、僕以外の3人は天才なので。彼らは意識しなくても独自の音楽性になるんです。僕はヴォーカルの巽の声や存在感っていうものに…そう、まさに●●っぽいっていうものがないし今までに触れたことがない可能性をすごい感じてるんですよね。このヴォーカルとこれから一緒に上にのぼっていくんだろうなって思ってます。だからXANVALAも無理矢理オリジナリティを出そうとしているつもりはないです。
──そこも共通項が。ちなみに最近聴いてヴィジュアル系以外で影響を受けた音楽はなんでしょう?
Yuhma:あー、そう言われるとパッと明確にはないですけどニューリリースみたいなのはひとしきりチェックしてます。
諒:俺は玉置浩二さん!やっぱりすげえなって改めて思います。
Yuhma:聴いた音楽に対して否定的な感情を抱かないんですよね。耳にしたものの良い部分を抽出する感覚です。例えばアイドルとかって歌唱力を問われる音楽じゃないような気がするんですけど、そういうものでも否定するのではなく良い部分について考える。どんなジャンルでもそうですね。
諒:僕は自分の好きな曲っていうのがなんとなく解っているのでいろんな意味でキャッチーな音楽が好きです。
──興味深いですね。余談ですが、普段は女性アイドルさんを熱心に応援している友人から“かっこいいから聴けよ!”と勧められたのがXANVALAとAshmaze.でした。あとはlynch.と鐘ト銃声。それはさておきここで予定していた質問を変更してみようと思うのですが、お互いのバンドの好きな曲ってありますか?
Yuhma:僕はAshmaze.だと「GENOM」かな。
諒:ほう!
Yuhma:「GENOM」めっちゃ好きで。曲もMVもかっこいいのにライブはマシマシでかっこよくて“俺も弾きてえ!”って思います。
──どんな辺りがそこまで思わせるんでしょうか?
Yuhma:ヴィジュアル系のすべてが詰まった感じがしてすごい好きです。
──確かに「GENOM」もヴィジュアル系じゃなきゃ作らない曲なのに●●っぽいとは言わせない象徴的な曲ですね。ライブにおけるカタルシスが爆発する感じも堪らない。
Yuhma:そうです。俺は本当に「GENOM」好きですね。
諒:いや、嬉しいなぁ。
──そんなアツい感想を受けて諒さんはいかがでしょうか?
諒:俺はつい最近ですけど「NIX」ですね。いや~はい!きましたね!と。聴きやすくてメロディが良いし、俺これ好き!って。ちょっと悔しいんですけど、渋公とかデカいところが似合う曲かなって。銀テープとかパーンと飛んで盛り上がってるのが想像できます。
──デカい会場が似つかわしい一曲ということですね。巽さんのヴォ―カリゼイションが際立っていて一聴しただけで虜にさせる耳なじみの良いメロと畳みかける展開が印象的です。ただ、デカい会場と言えば両バンド共に8月に恵比寿リキッドルームでのワンマンライブが決定しました。こちらの意気込みもお聞かせ下さい。
Yuhma:去年も新宿BLAZEで自身最大キャパを更新しているんですけど、そのために日々のライブを100、200の力を出してきた結果だと感じていて。キャパが倍になったから倍の力を出そうってことではなくて、頑張った成果の分だけ大きくなると思っているので日々の積み重ねの結果が大事。その延長に成功があるんだと思います。もちろん試行錯誤はあるんですけどあくまでいつも通り臨むべきかなと。
──だからこそそこへ至る道中に意味があるし、ファンの方に見届けてもらいたいし、紡がれるストーリーがあるということですね。
Yuhma:あと大きいステージほど緊張がないです。自由に動けるしワクワク感があるから緊張しないんですよ。大きいステージテンション上がるよね?
諒:うん。
──華のあるアグレッシブなお二人だからこそもっと大きいステージへという気持ちが強い。もっとスペースを寄越せ!と。
Yuhma:そうです、そうです。リキッドルームでも狭いなって言える存在になりたいです。
──諒さんにとってリキッドルームはどんな会場でしょうか?
諒:僕は何回かライブを観に行ったことはあるんですけど、ステージに立つことは初めてなので凄い楽しみです。あと僕、広島出身でやっぱり東京に勝負をかけて上京してきてるわけじゃないですか。Ashmaze.では地方にもライブに行くし…まぁもっともっと細かく廻りたいんですけど、僕らももっと会いに行くからこの日は是非東京に会いに来てねって気持ちです。地方に住んでいる人たち全員集結でお願いします。
──最大キャパを是非目撃してほしいですよね。マインド的には共通する部分が多い両バンドにとってリキッドルームは、格式はあるけれど普段と違う待ち合わせ場所ぐらいの感覚で捉えてらっしゃるんですね。さて、そんな頼もしい2バンドが共に廻る[ASHLA TOUR]へ来る、或いはまだお悩み中のお客さんにもメッセージをお願いいたします!
Yuhma:一番苦手なやつだ(笑)
諒:じゃあ俺から(笑)このツアー、 XANVALAと一緒に五か所廻らせてもらうんですけど、個人的には悔しいことがあって…今回西日本が大阪公演しかないんですよ。こんなにかっこいいバンドがいるんだぞってことをもっともっと全国に見せつけに行きたいので、まずは今回の五か所、行くところ行くところ手を抜かずXANVALAをぶっ潰すライブをします。お互いそういうライブをして、またこのツアーのVol.2が開催され、その時は西日本で待ってくれてる人たちにも会いにいけるようになりたいですね。
──広島も行きたいですよね。
諒:そう。なので仲良いのは普段だけで、ステージ上は取って取られの勝負をしにいきます。XANVALAには絶対に負けません!
Yuhma:そう言ってもらえるのは嬉しいですよね。XANVALAはAshmaze.より後から始まったバンドなので格上で目指していた存在にこう言ってもらえるのはライバルと認めてもらえたんだなって思います。ぶっ潰すという言葉を頂きましたけど、受けて立つよ、と。上等だよ、下克上だよと。
諒:はいはい、いいねえ。
Yuhma:でも実は、どっちが勝つ負けるよりお互い対等に闘えることに意義がありますよ。負けるつもりはサラサラないけど、そこで生まれる切磋琢磨がヴィジュアル系シーンの活性化にそのまま繋がると信じているので。諒くんも言ってたけど、俺もこのツアーにvol.2があって然るべきだと思うし、この対談だってvol.2やりましょう。
諒:やろうやろう。もっと仲良くなっててもっと面白くなるよね。
Yuhma:なんなら次は焼肉食いながらやりましょうよ!
諒:もっともっと素の俺らも知ってもらえそうだね(笑)
Yuhma:なんなら運動会とかそんな企画もアリです(笑)
──本当に脱いでるおふたりが見られそうな企画提案ありがとうございます(笑)
──「ノーサイド」。試合が終われば敵・味方も勝者・敗者もない。これはラグビー用語に留まらずフェアなスポーツの場に用いられることが多い言葉だ。関係性がとりわけ濃い上手ギターチームだからこそ飛び出した好戦的な言葉の数々。ライブはスポーツの場ではないし、もちろん運動会でもない。だが、リスペクトしているからこそ正々堂々とやり合える。新たな歴史の始まりになるよう、健闘を期待せずにはいられない。
[ASHLA TOUR]対談企画もいよいよ次回でファイナル。
最後は満を持してXANVALAから巽、Ashmaze.から双真のヴォーカリスト対談。
お楽しみに!
インタビュアー:山内秀一
Photo S1TK
★対談 Vol.1:Dr.知哉(XANVALA) × Dr.S1TK(Ashmaze.)はこちらから★
★対談 Vol.2:Ba.70.(XANVALA) × Ba.Яyu(Ashmaze.)はこちらから★
★対談 Vol.3:Gt.宗馬(XANVALA) × Gt.詩結(Ashmaze.)はこちらから★
<TOUR INFORMATION>
■XANVALA × Ashmaze. 2MAN 「ASHLA TOUR」
4月14日(金) 名古屋ell.FITS ALL
4月15日(土) 心斎橋soma
4月29日(土) 新潟CLUB RIVERST
4月30日(日) 仙台MACANA
5月7日(日) 下北沢シャングリラ
OPEN 17:00 / START 17:30
[チケット]
前売 ¥4,500 / 当日 ¥5,000
※D代別
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